41才の中学二年生(改訂版)

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胡散臭い茶坊主

手違いだと~っ!

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何だかなぁ…

ジジイの次は茶坊主で、しかも放任主義ときたもんだ。

「おい、茶坊主。ならば、オレがここにいる意味がないだろ?早く元の世界に戻せよ」

放任主義なら、中2に戻らなくてもいいじゃん。

「そうはいきません(^^)
もう、上の方で受理してしまいましたから(^^)」

受理した?シレっと言いやがって!

「はぁ?何だその受理ってのは!上のモンを出せ、バカヤローっ!」

ていうかさぁ…何でオレが、中2に戻らなきゃならないワケ?

確かに中2の頃は、勉強もせず、部活もバックレてたけど、悪い事は何一つやって無い。

それなのに、何の因果でインチキジジイと茶坊主に振り回されなきゃならないんだ?

オレよりも、人生のやり直しをする連中なんて、他にいるだろう。

なのに何故、オレが選ばれなきゃならないんだ?

腑に落ちないったら、ありゃしない!

「おい茶坊主!」

頼りないが、コイツなら解るかも。

「私、宇棚です(^^)」

「そんな事は、どーでもいいんだよ!何でオレが、中2に戻る必要があるんだよ?他にも更正しなきゃならないヤツが、いっぱいいるだろ?」

ジジイはハッキリとした理由を言わなかったけど、上司の茶坊主なら知ってるだろう。

「それは、東方仙人さんの手違いです(^^)」

…な、何っ?
手違い~っ!手違いってのは何なんだ?

「…ジジイのミスってヤツか?」


「そうです(^^)
本来は【山木智】さんが中2に戻る予定でした(^^)
でも、東方仙人さんは【山木】ではなく、【山本智】さんをミスチョイスしてしまいました(^^)
これが真相です(^^)」

…山木と山本を間違えた?

あのクソジジイ、ハメやがったな!

「おい、茶坊主!ジジイを今すぐ、ここへ呼べ!こんなの、手違いで済む問題かっ!
とりあえずボコッてやるから、さっさと呼んでこい!」

ふざけやがって!

手違いでしたで済む問題じゃないだろ!

「それは無理です(^^)
東方仙人さんはミスを犯し、今ごろは始末書を書いてしばらくの間、自宅謹慎になる予定ですから(^^)」

仙人が始末書書いて、自宅謹慎って何なんだ!

何から何まで、胡散臭過ぎる!

「じゃあ、上のモン出せ!テメーより地位の高いヤツいるだろ?ソイツをここへ呼べ!そして、この件を破棄させちゃる!」

冗談じゃないぞ、まったく。

それにしても、腹減った…

給食食ってないから、腹減って何もする気になれん。

「上の者と言われても、上の者は神です(^^)
神が一旦受理した案件を、破棄する事はできません(^^)」

神?神って神様か?さっき言ったトップってのが、神様なのか?

「お前と話してると、疲れて余計に腹が減ってくる…
そろそろ五時限目の授業が始まる頃だから、教室にも戻る…」

コイツと話してると、ジジイの時よりエネルギーを消費する。


結局、元には戻らないのか…

あぁ…何て人生なんだ、オレは…

ところで、五時限目の授業って何だろ?

教室に行ってみると、誰もいない…

あれ?何処行ったんだ?

黒板の横に貼ってある、授業表を見た。

ゲッ!体育じゃん!
体育の先生って、誰だ?

……………………柏木だ!

口より先に手が出る、典型的な体育教師だ…

あぁ、もう…何でこんなにツイてないんだ?

運動神経は悪くないが、給食を食ってないから、腹減って動けないっつーの!

…とは言え、早く支度して、グランドへ行かなきゃ!

体育着に着替えると、何食わぬ顔して、こっそりとグランドへ向かい、後ろの列に並んだ。


「よし、今日はグランド10周だ!行けーっ!」

ピーっと笛を鳴らし、一斉に走り始めた。

マジかよ…今日はマラソンかよ?

しかも、10周なんて無理!

数メートル走っただけでバテた…
もう、腹減って走れねえ~っ!

「こら、山本!さっさと走らんか!」

うるせーな、この体育教師は!

普段は職員室で、競馬新聞ばっか読んでるクセに!

あっ!そうか!

競馬で思い出した!

柏木に耳よりな情報を教えた。

「先生、今年の有馬記念は絶対にオグリキャップを買うべきだから!オグリキャップのラストラン、そして武豊とオグリキャップのコールで有終の美を飾るんだから。
ありゃ、感動したなぁ~」

この年、競馬人気というより、武豊やオグリキャップの人気で、競馬をやる人が増えた時期だった。

「何ぃ~っ!バカヤローっ!何が、有馬記念だ!まだ6月だろっ!お前まさか、中学生の分際で競馬なんてやってるのかっ!」

バッチーン!

痛えっ!!

今日だけで、何回ビンタ食らったんだ?

もう、イヤだ!帰りたいっ!
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