41才の中学二年生(改訂版)

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1990年だと?

ビンタ食らった!

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【何て事をしてくれたんだ、お主は!ワシャ、この杖が無いと…あぁ、どうすりゃいいんじゃ、ワシは…】

「へっへ~んだ!これでもう、テメーはオレの邪魔は出来ないなw
杖の無い仙人なんて、ただのジジイだ!もう2度と現れるなよ、シッシッ!」

頭を抱え、途方に暮れているジジイを尻目に、教室へ戻った。

「これもジャマだな」

頭の輪っかを外し、窓から放り投げた。

これから本格的な中2ライフだ!

ガラガラガラ…

「山本っ!何してたんだ!もうとっくに、授業は始まってんだぞ!」

ゲッ!もう、始まってるじゃないか!

しかも、オレが1番苦手な数学だ…
この先生の名は佐竹。

とにかく、うるさい先生だった。

「いや~っ!ちょっと、笑っていいともでタモリから《明日来てくれるかな?》って電話きて《いいとも!》って返事したら、こんな時間になっちゃって…


と軽くボケたつもりだか、先生には全く通用しなかった…

「何ふざけた事言ってんだ、お前はっ!」

バシーン!

出席簿で頭を叩かれた…

痛えっ!

「さっさと席に着け!この、バカたれが!」

…なんだよ、皆してバカバカって!

今日だけで何回バカって言われてんだ、オレは?

『…くっ、笑っていいともだとよ』

『何言ってんだアイツ』

『よく平気で、ああいう事言えるよな』

外野どもが、ヒソヒソと何か言ってる…



それで、今日の授業は何だ…ん?
方程式…

方程式ねぇ…x=y×(5+7)?
んん、んー?

…オレ身なりは中2だけど、頭の中は41才だよな?

一応、大学も出てるんだよな…?

ならば、クラスのヤツらより頭は良いはずなんだが…

こんな授業習ったっけ?

…………ヤバい、全然解らない!

中2の授業なのか、ホントに?

教科書を広げた。


パラパラマンガが描かれてあった…

ノートを見ると、ドラえもんの似顔絵が書いてある。

あぁ、成る程…
この頃、相当なバカだったからな。
授業なんて、全く聞いてなかったし、落書きしかしてなかったもんなぁ…


仕方ない、中2に戻ってまだ初日だ!
明日から本気出そう!

それよりも、クラス全員の顔と名前がいまだに一致してない!
後ろにいる太目の女子!
コイツ、なんて名前だっけ?

それと、列を挟んで窓際に座ってる、冴えない面した男子、アイツの名前も思い出せない…

授業よりも、クラス全員の名前と顔を思い出すのが先だな…

しかし、授業ってのも退屈だ…
眠くなってくる……黒板に先生が何か書いてるけど、段々と睡魔が…


何せ、郊外にマイホームを買ってから毎朝6時起きだし、おまけに昨日は残業で帰りが遅くなった。
寝るな、というのが無理な話だ。

…いや、ホントにマジで眠い…

眠い…( ̄q ̄)zzz

「…くん…山本くん、起きて…」

「ん?何だ、もう終電か…」

デザイアーに横からシャーペンで突つかれ目を覚ました。


「まさか、オレの目の前で堂々とイビキかいて寝るとはな…いい度胸してるじゃないか、山本よ。
なぁ、おい」


ゲッ!ヤベッ寝てた?オレ爆睡してた?マジで?

目の前で、佐竹が怒りに満ちた顔して仁王立ちしている。

一瞬とはいえ、オレは爆睡していた、しかもイビキをかいて。

「よくこんな真ん前の席で寝るもんだな、おい。
さっさと起きろ、このバカ者がっ!!」

「ギャーッ!いでで、痛ぇ~っ!」

オレの耳を引っ張り、鼓膜が破れるんじゃないか、という程の大きな声で怒鳴った。

あまりの声の大きさに耳の中がキーンと鳴っている。

「は、はい!すいません。何せ、昨日残業して帰りが遅かったもんでつい…」

あっ、やべっ!思わず残業の事を言ってしまった!

「残業だ?お前はいつからサラリーマンになったつもりだ!いつまでも寝惚けてんじゃないっ!」


パァーン!と乾いた音が教室内に響いた。

「痛ぇ~っ!」

まだ教師が生徒に手をあげる時代だ、思いっきりビンタを食らい、頬に手の跡がクッキリと残っていた。

戻って初日からビンタ食らうとは、前途多難な中学生活だな…


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