41才の中学二年生(改訂版)

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1990年だと?

ゲッ!アマゾネス!

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「それと、もう1つ。この輪っか外せよ!スッゲー、頭痛いんだぞ!頭蓋骨割れるんじゃないか、と思うぐらいに痛いんだぞ!」


何なんだ、この輪っかは?

孫悟空じゃないんだから!


【何っ!それだけはならん!お主はその輪を頭にはめたまま、生活するのじゃ!】

「何でだよ?こんなもん、必要ないだろ?こんなのがあったら、何度も頭痛に悩まされなきゃならないんだぞ!それでオレがうつ病になったら、どうするんだ!
徳を積むどころか、命が亡くなる危険性だってあるじゃないか!」


【何を言うか!お主が悪さをしなけりゃいいだけの事じゃろ!それを外す事だけは認めん!】

輪っかを外そうという気は無いみたいだ。


「ジジイ!テメー、オレに早く徳を積ませなきゃならないんだろ?それならオレは、一生徳なんて積まないで生活しよっと」


【ふん!好きにするがいいわぃ!】


ジジイめ、開き直りやがった…


「ところで、もう1つ聞きたいんだけど」


オレは話を変えた。


【何じゃ?】


「以前にも、誰かを中学時代に戻して、徳を積んで現代に帰ったヤツはいるのか?」


オレみたいに、タイムスリップしたヤツはいるのだろうか?
ちょっと興味がある。


【…】


ジジイ、返答に困ってる。もしかしたら、オレが初めてなのか?


「おい、ジジイ!もしかして、オレが初めてってワケじゃ無いよな、おい?」


【…いや、その。まぁ、ワシも別の事を担当していたんだが…今回の人事で、こういう部署に移ったばかりだからのぅ】


…人事?

「おい!仙人に人事だ部署だと、かなり胡散臭いなぁ!ホントに仙人なのか?」


【何を言うかっ!ワシのこの格好を見れば、解るだろう!どっからどう見ても、仙人じゃないかっ!】


…ウソ臭い!

「大体、仙人ってのは何だ?人間なのか、それとも神の様な存在なのか?どうせ、ヒゲ伸ばして仙人っぽく見せ掛けたインチキヤローだろ!」

いかにも付けヒゲっぽい。

でも、ホントに亀仙人にそっくりだ。
あれを観て、真似ただけじゃないのか?

【無礼者がっ!仙人とは 、中国の道教において、仙境にて暮らし、仙術をあやつり、不老不死を得た人を指すのじゃ!道教の不滅の真理である、道を体現した人、即ち仙人という事じゃ!解ったかな?】


不老不死?仙術?…何言ってんだ?変な宗教じゃないだろうな?


「そんな高尚なヤツが、上の者に頼まれたとか、人事とかって、仙人は会社組織なのか!どうも、テメーの言ってる事は矛盾というか、引っ掛かる部分が多いな」

【…ん、じゃから、仙人にも色々な種類があるという事じゃ。解ったかな?】


………………よくわからない…


「何でもいいや。とにかく、オレに1日でも早く徳を積ませたかったら協力しろよ!そうじゃないと、上のお偉いさんに怒られるぞ~っ。
じゃ、そういうワケで教室に戻るから」


【この…たかが、中2の分際で仙人をおちょくるとは…】


「何言ってんだ?身体は中2、頭は41才だぜオレは」


【コナンみたいな事をぬかしおって!】


何で、仙人がコナン知ってんだよ!

コイツは突っ込みどころが多いな。


でも、こんな事言い合ってる場合じゃない!

早く教室に戻ろう。


「オレは教室に戻るぞ!何かあったら助けろよ、ジジイ」


【…クソっ、ワシャ反対したのに、上の連中ときたら…はぁ…ワシも何だか、バカバカしくなってきたのぅ~。
とりあえず、ここは様子見にしておくかの】


ブツブツと独り言を言って、煙と共に仙人は消えた。

仙人のクセに愚痴が多いヤツだ。

「次の授業って英語だっけ?」


教室に戻ったオレは、隣の恵に聞いた。

「えと…うん。英語なんだけど…山本くん、宿題やってきた…?」


…宿題?聞いてないよっ!


英語の教科書とノートを開く…何も書いて無い…


英語の先生って、誰だっけ?男か?それとも女?

………他の教科の先生は覚えてるんだが…


英語の先生って、誰だっけ?


あぁ~、思い出せないっ!


まぁ、いいか。思い出せないって事は、それだけ影の薄い先生だって事だろ。


【キーンコーンカーンコーン】


いいねぇ、このチャイム!オレ中学生だなぁっ、て実感してる!


思春期バンザーイ!青春バンザーイ!




【ガラガラ】


教室の扉が開いた。どんな先生だったっけ?


「Stand Up!」


ん?この声…


「ゲッ!巨乳!」


目の前にはガタイが良く、ロケットの様にはち切れんばかりのブラウスが盛り上がり、ドーンと、突き出た巨乳が目の前に…

「Mr.ヤマモト、 What’s happened?(どうかしたの?)」



この巨乳っ!そうだ、思い出したっ!

英語教師の名は、山本美咲(やまもとみさき)、通称アマゾネス!


オレの伯父さんの娘、すなわち従姉!


…あぁ、すっかり忘れてた…何で思い出せなかったんだろ?

従姉が中学の英語教師だったなんて…

しかも、オレはこの従姉が大っ嫌いだった!


…でも、それだけ嫌いだと、一番印象に残るんだが…

とにかく、オレの中で忘れたい人物な事は確かだ。
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