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1990年だと?
職員室に来なさいっ!
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オレ、この娘とはよく話したんだよな~…
どういうワケか、彼女は他の連中とはあまり会話をしないんだけど、オレにはよく話をした…
なんつうか、波長が合うというヤツ?
勉強も出来て、水泳部では背泳ぎで都大会にも出場した程で、文武両道、才色兼備って言うのか。そんな人物だ。
ただコミュ障なのか、ボソボソと喋るし、あまり人と会話をしたのを見た記憶が無い。
顔もクラスの中では断トツに可愛かった。
まさに美少女だ。
黒のショートボブのヘアスタイルで、目は大きく少しつり上がって、シャープな輪郭。
芸能人で言うと誰に似てる?って言われると困るが、顔のパーツはかなり良い。
入学当初からこんなヘアスタイルで、前髪はきれいに眉毛にかかるぐらいに切り揃えていたので、オレたちはよく
【デザイアー】と呼んでいたw
(デザイアーを知らない人は中森明菜で検索してくれ)
黒髪なんだが、自然の黒というよりは、カラーリングしたような真っ黒な色。
それを見たオレたちが、
「デザイアーじゃねえか、あの頭w」って言ったのがきっかけだったような…
おまけに黙ってると、不機嫌そうな顔に見えるから、知らず知らずのうちに話し掛けなくなっていった。
別に不機嫌な顔なんじゃなく、目が少しつり上がってキリッとしてるから、無表情でも怒ってるの?って感じで近寄らなかった…
そうか、オレはこの時、恵の隣だったのか…
何だか、色んな事がゴッチャになってよく思い出せん!
しかも席が…
「はい!じゃあ、今度こそホントに授業始めますよ!」
…ようやく授業が始まるのか…
あ、そうだ教科書を出さないと。
机の中から国語の教科書を出した。
…あれ?先生チョーク持ったまま固まってるぞ?
「あぁっ!」
そうだ、すっかり忘れてた…
さっき黒板に【金澤龍也VS山本智、敗者坊主頭デスマッチ】って書いたのを、すっかり忘れてた!
「これ、書いたのは誰ですか…?何なの、敗者坊主頭って?」
誰ですか?って言いながら、オレを険しい顔つきで見てませんか?…しかも、わなわなと手が震えてるし。
「あれ、金澤くんは?金澤くん!今日休みじゃないわよね?何処にいるの?」
「あ"ぁっ!」
やべっ!龍也、大の字で倒れたまま誰も起こしてねえよっ!
「何なの?さっきから、ああっ!って?山本くん、これ書いたの貴方でしょ?それと金澤くん!何処へ行ったの?いないの!」
誰か起こしてやれよ!アイツ、ずっと床でぶっ倒れたまんまじゃん!
すると、先生が後ろに行き、龍也の目の前で仁王立ちした。
「ちょっと金澤くん!何で、そんな所で寝てるのっ!」
龍也が寝ていると勘違いして、出席簿で頭をパンパンと叩いて起こした。
「金澤くん!起きなさいっ!何だって、そんな所で寝ているの?早く起きて、席に着きなさいっ!」
龍也はようやく、意識を取り戻した。
「ん…何だ?何でオレ、こんなとこで寝てんだ?」
本人は何が起こったのか、全く解らない。
何せ気づいたら、床に倒れているんだし。
「金澤くん…何で、そんな所で寝てたのかしら?しかも、おでこに落書きなんかして…」
…先生、授業をする気が失せたんだろうな。
『プッ、クスクスクス』
『おでこに肉だってよw』
『キン肉マンかよ、アイツは』
「…何だ、これ?誰だ!オレのおでこに、こんな事書いたヤツはっ!」
手鏡で額を見ると、龍也は大声で叫んだ。
『ギャハハハハハ』
皆、大爆笑してやがるw
オレは指差してゲラゲラ笑ってやった!ザマーミロ、バカが!
ウワハハハハハハハハハ!
「もう!…何なの、あなたたちは!窓ガラスが割れてるわ、落書きするわ、金澤くんは寝て、おでこに落書きしてるわで…そんなに、先生の授業を受けたくないのですかっ!」
あちゃ~、完全に怒らせちゃった…
先生は黒板に【自習】と大きく書いた。
「金澤くん、山本くん!今から職員室に来なさいっ!それと加藤くんっ!あなたも来なさいっ!」
職員室に呼び出しかよ…オレ、中2になってるけど、実年齢は41だぞ?
まさか、この年で職員室に呼び出しって…
どういうワケか、彼女は他の連中とはあまり会話をしないんだけど、オレにはよく話をした…
なんつうか、波長が合うというヤツ?
勉強も出来て、水泳部では背泳ぎで都大会にも出場した程で、文武両道、才色兼備って言うのか。そんな人物だ。
ただコミュ障なのか、ボソボソと喋るし、あまり人と会話をしたのを見た記憶が無い。
顔もクラスの中では断トツに可愛かった。
まさに美少女だ。
黒のショートボブのヘアスタイルで、目は大きく少しつり上がって、シャープな輪郭。
芸能人で言うと誰に似てる?って言われると困るが、顔のパーツはかなり良い。
入学当初からこんなヘアスタイルで、前髪はきれいに眉毛にかかるぐらいに切り揃えていたので、オレたちはよく
【デザイアー】と呼んでいたw
(デザイアーを知らない人は中森明菜で検索してくれ)
黒髪なんだが、自然の黒というよりは、カラーリングしたような真っ黒な色。
それを見たオレたちが、
「デザイアーじゃねえか、あの頭w」って言ったのがきっかけだったような…
おまけに黙ってると、不機嫌そうな顔に見えるから、知らず知らずのうちに話し掛けなくなっていった。
別に不機嫌な顔なんじゃなく、目が少しつり上がってキリッとしてるから、無表情でも怒ってるの?って感じで近寄らなかった…
そうか、オレはこの時、恵の隣だったのか…
何だか、色んな事がゴッチャになってよく思い出せん!
しかも席が…
「はい!じゃあ、今度こそホントに授業始めますよ!」
…ようやく授業が始まるのか…
あ、そうだ教科書を出さないと。
机の中から国語の教科書を出した。
…あれ?先生チョーク持ったまま固まってるぞ?
「あぁっ!」
そうだ、すっかり忘れてた…
さっき黒板に【金澤龍也VS山本智、敗者坊主頭デスマッチ】って書いたのを、すっかり忘れてた!
「これ、書いたのは誰ですか…?何なの、敗者坊主頭って?」
誰ですか?って言いながら、オレを険しい顔つきで見てませんか?…しかも、わなわなと手が震えてるし。
「あれ、金澤くんは?金澤くん!今日休みじゃないわよね?何処にいるの?」
「あ"ぁっ!」
やべっ!龍也、大の字で倒れたまま誰も起こしてねえよっ!
「何なの?さっきから、ああっ!って?山本くん、これ書いたの貴方でしょ?それと金澤くん!何処へ行ったの?いないの!」
誰か起こしてやれよ!アイツ、ずっと床でぶっ倒れたまんまじゃん!
すると、先生が後ろに行き、龍也の目の前で仁王立ちした。
「ちょっと金澤くん!何で、そんな所で寝てるのっ!」
龍也が寝ていると勘違いして、出席簿で頭をパンパンと叩いて起こした。
「金澤くん!起きなさいっ!何だって、そんな所で寝ているの?早く起きて、席に着きなさいっ!」
龍也はようやく、意識を取り戻した。
「ん…何だ?何でオレ、こんなとこで寝てんだ?」
本人は何が起こったのか、全く解らない。
何せ気づいたら、床に倒れているんだし。
「金澤くん…何で、そんな所で寝てたのかしら?しかも、おでこに落書きなんかして…」
…先生、授業をする気が失せたんだろうな。
『プッ、クスクスクス』
『おでこに肉だってよw』
『キン肉マンかよ、アイツは』
「…何だ、これ?誰だ!オレのおでこに、こんな事書いたヤツはっ!」
手鏡で額を見ると、龍也は大声で叫んだ。
『ギャハハハハハ』
皆、大爆笑してやがるw
オレは指差してゲラゲラ笑ってやった!ザマーミロ、バカが!
ウワハハハハハハハハハ!
「もう!…何なの、あなたたちは!窓ガラスが割れてるわ、落書きするわ、金澤くんは寝て、おでこに落書きしてるわで…そんなに、先生の授業を受けたくないのですかっ!」
あちゃ~、完全に怒らせちゃった…
先生は黒板に【自習】と大きく書いた。
「金澤くん、山本くん!今から職員室に来なさいっ!それと加藤くんっ!あなたも来なさいっ!」
職員室に呼び出しかよ…オレ、中2になってるけど、実年齢は41だぞ?
まさか、この年で職員室に呼び出しって…
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