41才の中学二年生(改訂版)

sky-high

文字の大きさ
上 下
8 / 96
1990年だと?

タイマンだ、コノヤロー!

しおりを挟む
遅刻寸前で学校に着いた。


何せ、27年も前だから、何処にあったっけ?なんて、ウロウロしているうちに見つかった。

ギリギリセーフだ。


(…あれ、待てよ?中2の時って、クラスはどこだったけ?)


肝心な事を忘れてた…


えぇ~っと、A組だっけ?いや…違う、違う。

それとも、B組?B組だったような…

いや、待てよ…C組じゃなかったか?


…あれ?解んなくなったぞ!


とりあえず、2年生の各教室を探していれば、出してくるだろ。


それにしても、懐かしいな…この校舎。


おーおー、どいつもこいつも、ウブな顔してやる。


えーっと、肝心のクラスは…


A組の教室を覗いてみた。

えぇっと、アイツ誰だっけ…あのイガグリ頭。

27年前の事だから、名前すら覚えてないヤツもいる。


でも、ここじゃなさそうだな。
それじゃB組は?


隣の教室を覗いた。


…サッパリ解んねえ!


あ、あの女子!えーっと、何だっけ?

…メガネかけて、随分と地味な女だなぁ。


あんなの、クラスにいたっけ?


いや…違うな、うん。



そうだ!オレC組だった、今思い出した!


C組の教室に入った。


おーおー!いるいる、同級生がw


あの頭の悪そうなヤツ、何つったっけ?


あ、あの女子!…確かハタチでデキ婚したはず。


「おい、智!」


ん?何だ、この声は?


「智!お前、今日の朝練サボったろ!」


朝練…朝練って何だよ?


「あぁ!」思わず声を上げた。


「な、何だよ?いきなり、でけー声出して!」


おぉ~、牛島!お前は牛島泰彦(うしじまやすひこ)懐かしいな、おいっ!


「いや~、久しぶりだな、おいっ!お前、確か家の仕事継いだんだよな?どうだ、景気は?」

コイツは自営業を営んでいる。と言っても、大人になってからだが。

「はぁ?何、ワケの解んない事言ってんだ?それよかお前、また朝練サボったろ!先生怒ってたぞ!」


何ださっきから朝練、朝練て。


「あぁっ!」


「さっきから何なんだよ、ウルセーなっ!」


そうだ!オレ、サッカー部だったんだ。


しかしまぁ、この教室の雰囲気…

まるで中学生に戻った気分だな…あ、そうか。オレ今、中2なんだっけ…


しかし、ホントに懐かしい!

あれ?教壇に腰かけてんの、確か田代じゃないか?


あどけないツラしてんなぁ。
でも確か、アイツ会社作ったのはいいが、不況で倒産したんだよな…

おまけに女房子供にも逃げられて…可哀想なヤツだったな、うん。


「おい、マーシー(田代のアダ名)借金ぐらいなんだ!お前の人生はこれからなんだぞ!いいか、決して負けんじゃねぇぞ!」


マーシーをガシッと抱き寄せ、ポンポンと叩いた。


「おい、何言ってんだお前?借金って何だよ?」


…あぁ、そうかそうか…この頃はただのアホだったからな、コイツは。


生徒1人1人見たけど、まだ顔と名前が一致しないな…


まぁ、そのうち慣れるだろう!


それで、1時限目は何だ?…その前に、今日って何曜日だ?
あの、茶髪のヤツに聞いてみよう。
何だアイツ?モロにヤンキーだな。

「おい、そこのヤンキー!今日何曜日だ?」


こんなガラの悪いヤツ、同じクラスにいたかなぁ?


「あぁ?何だテメー?」


ヤンキーが後ろを振り返った。


あれ?龍也!金澤龍也(かなざわりゅうや)じゃねえかよ!


随分とまぁ意気がってんな、コイツw


えーっと…確かコイツ、高校中退して19でデキ婚したんだよなw

「ギャハハハハ!そうかそうか、龍也だったか!お前ちゃんとゴム付けてりゃ、デキ婚なんてしなくてよかったものを…プッ、ギャハハハハ!」

あの時は大爆笑したもんだ。


「おい!テメー、随分チョーシこいてんじゃねえかよ?やんのか、コラァ!」


あり?怒らせた?


周囲がザワザワしてるし…


「おい、智!アイツ怒らせんなよ!ケンカ強いの知ってんだろ?」

泰彦が耳元で囁いた。
…あぁ、そうだ!コイツ何かにつけて、オレに因縁吹っ掛けてきやがったな、この頃は!


ん?心なしか女子が、オレに哀れみの表情をしている…何で?


「おい!テメー、何意味解んねえ事言ってんだよ?
お前ら!机全部後ろにどかせ!」


机?何だよ皆、机を後ろに詰めて?


「おい、山本!いい機会だ!テメーをこの場でボコボコにしてやらぁ!」


ははぁ…成る程。

コイツはイケメンだから、女子には人気あったんだよな、確か…

しかし、改めて見ると、大した事無いヤツだな。

何で皆、こんなヤツにビビってたんだろ。


確かコイツ…頭はスゲー、悪かったんだよな!


「プッ、クククッ…ギャハハハハハ~、あぁ笑いが止まんねえや、ダーッハッハッハッハ!」


そういや、オレとコイツでビリ争いしてたっけなw


「いや~…懐かしいな、おいっ!お前とオレでよくビリ争いしたな?オレも悪かったけど、お前も相当なバカだったしな、なぁ?」


シーン…


ん、何だ?場が凍りついた。皆、ドン引きしてる。

「おい!テメー、今何て言った?」


ありゃ?コイツ、怒り心頭って感じじゃないか。


「おいっ、今から誰も入らねえようにドア開けんじゃねえぞっ!」

龍也の声で、チビがさっとドアを閉めた。
…何だあのチビ、ドア閉めやがって!アイツ、何て名前だっけ?

っ!そうだ、チャッピーだ!

…あれ、チャッピーの名字何だっけ?…加藤…そうだ、加藤だ!

って言うか、何でチャッピーってアダ名になったんだっけ?

あれ、何だったけ?あ~、思い出せない!

まぁ、いいか。チビのクセに、よく意気がってたよな。
龍也の金魚のフンみたいにくっついて。


「今からテメーと、タイマンだ!」

タイマン?…随分と懐かしい言葉だ。
今時、タイマンなんて言う中坊っているんだろうか?


「は?タイマン?タイマンだってよ、タイマン…ダーッハッハッハッハ!」


「殺す!」

龍也の目が血走ってる。
ありゃ?余計怒らせちゃった?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

処理中です...