41才の中学二年生(改訂版)

sky-high

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1991年

そろそろ戻りたい

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「あぁ~、それにしてもヒマだ。何か面白い事は無いかなぁ」

オレは退屈していた。


いや、やる事はそれなりにある。

だが、気持ち的にはヒマだ。



何だろう、このもどかしさは。





「山本智さん、気の緩みは心の緩みです!」


「うわっ!ビックリすんな!何だよ、いきなり」


コイツもオレの心を読んだのか。


「私わかります(^-^)」

「何がわかるんだよ」


また、ろくでもない事を言い出すんだろ。


「綾野先生はもう、人間になりました」


あぁ…梅はとうとう人間になったのか。


「でも、見た目は全くわからないけど、どこが違うんだ?」


「天界から下界の住人になると、今までの記憶は全て無くなるんです(^-^)
そういう事です!」


「記憶が無くなるのか、ふーん」


ん?


「と言う事は、オレとの出来事も…か?」


「私わかります(^-^)」


いい、わからなくていいよ、もう!


「山本智さんはお正月に綾野先生の家に行った事は記憶に残ってません!ち!」


「ち!って何だよ」

「気にしなくていいです(^-^)
単なる語尾ですち!」


何だかなぁ~…


でも、梅はあの事を覚えてないというのは、オレにとってはラッキーだ。


まさか梅と…


いやいや、それはもう忘れよう!


あれは夢だ!夢なんだ!










その後は何事も無く過ごした。



しかし、オレのヒマな気持ちは変わらない。



こんな事をしながらいつになったら元に戻れるのだろう。

そんな事ばかりを考えていた。





学校では皆と仲良くやっているし、部活もそれなりに頑張ってレギュラーを獲れた。

それでも気持ちは変わらず。





はぁ…もうイヤだ。





帰りたいよ~っ!!!











「おい」


「ん?何だ、バカ犬」


オレは部屋でボケーっとしていた。




「元に戻りたいかポメ?」


「何だ、急に」


「いや、そろそろお前を元の世界に戻そうかと思ってるんだがポメ」


何っ!


「だったら、早く戻してくれよ!もう、中2はいい!早く戻りたい~っ!」



「うむ、ならばあちきがミッションを与えようポメ」


「ミッションだと?」


何だよ、まさかとんでもない事をミッションにするつもりじゃないだろうな。



「ミッションとは」

「…ミッションとは?」



「次の期末テストで全科目90点以上取ったら元の世界に戻してやろうポメ」



「えーっ!全科目90点以上だと!」


いや、それはさすがに無理があるような。



「何だ、自信が無いのかポメ?」


「せめて、70点以上にしてくれないかな?」


「そんな簡単なミッションなら、お前じゃなくても出来るポメ!」


「90点かよ…」


期末テストまで約1ヶ月。


今から猛勉強してもどうだか。



「別にイヤなら構わないポメ」


どうせダメでもやってみるしかないかも。



「…よし、じゃあやってやる!」


「頑張るんだポメ」



オレはその日から机に向かい、ひたすら勉強をした。
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