41才の中学二年生(改訂版)

sky-high

文字の大きさ
上 下
77 / 96
梅が教師

テスト前日

しおりを挟む
翌日の昼休み、梅を屋上へ連れて話をした。

「お前の件、ポメ夫が神様にお願いしたみたいだぞ」

「ウソっ!で、神様は何て…?」

「クラスの過半数がボーダーライン越えたら願いを叶えてやるってさ」

過半数って事は、ウチのクラスは42人だから、最低でも22人が90点を取らなきゃならない。


「過半数かぁ…男子全員でも1人足りないなぁ」

「お前、男子には人気あるけど、女子には全く人気無いからな」

「えーっ、私同性にも好かれたいんだけどなぁ」

「お前の格好見て、女子が嫌悪感示してるの解らないのかよ?」

今日はへそ出しルックだ。

へそ出す教師なんてどこにもいないぞ!


「だってぇ、こういうギャル系の服装が好きなんだもん、仕方ないじゃん!」

…お前、ギャルって年齢じゃないだろ。
どっちかと言えば、熟女の部類に入るぞ。


「そういうのは外で着るもんだろ!何で学校にそんな格好で来るんだよ!」

「私は学校でもこういう服装でいたいの!」

「アホか!」

先生が生徒に服装の事で注意されるって…
フツーは逆だろ!


「私、ホントは男子よりも女子に好かれたいんだよね~…どうやったら女子に好かれるんだろ」

「だったら、先生らしい格好しろよ」

「それだけはイヤ!」

コイツの頭の中はどうなってるんだ?

「じゃあ、お前は佐伯が戻ってきたら終わりだな」

「それもイヤ!」

ワガママなヤツだ。

「お前さぁ、今そんな事言ってる場合じゃないだろ?どうやったらクラスの半数以上がボーダーライン越えるかどうかの瀬戸際なんだぞ。せめてテスト終わるまではそういう格好を控えるとか、少しは考えたらどうなんだよ」


「どうしても、この格好はダメ?」


「ダメに決まってるだろ!」


「…」


「じゃあ、お前にとって、クラスの過半数が90点以上取れるのと、その服装をするの、どっちが大切なんだよ?」

「両方!」

コイツは子供以下だな!

段々腹が立ってくるぞ、ったく!


「じゃあ、その格好で女子と仲良くなれるのかよ?」


「何で、この格好がダメなんだろ?女子なら理解してくれると思ったのに」


「お前が教師という立場じゃなかったら、好かれるだろうけどな」

「教師って立場も楽じゃないわよね」

お前は楽そうに見えるけどな…


「で、どうすんだ?こうなったら、何がなんでも半数以上が90点取るようにヤル気を起させるしかないだろ」


「うん…」

そこまで重要なのかよ、そのファッションが!


「オレもお前に教師を続けて欲しいけど、その為には男子だけじゃなく、女子にも協力してもらわないと無理だぞ。それに、このままじゃお前が原因でクラスが2つに割れてしまうんだぞ、それでもいいのか?」

せっかくいい雰囲気だったのに、これでまたバラバラになったら…


「要はギャルみたいな格好がダメって事でしょ?なら、大人なファッションなら大丈夫って事なのかな」


えーっと、何かイヤな予感がするんだが…

「お前の言う、大人な格好ってどんな格好だよ?」

「んーと、セクシーなファッションかなぁ」

…いっその事、佐伯に入れ替わってもらおう。


「大人なファッションでも構わないけど、刺激が強い格好だけは止めろよな」

「刺激が強いって、どんな格好よ」

解らないのか、コイツは。

「身体のラインを強調するような服装に決まってるだろ!大人なファッションなら、何もそんな身体のライン強調しなくても、雰囲気で醸し出す事だってあるだろうが」

あー、成程という表情を浮かべた。

「それも大人なファッションだよね?なぁんだ、そういう事か!それじゃ、今度からそういう格好にしよっと」

精神年齢はギャル以下だな…


「とにかく、明日はテストだ。これから授業だろ?その格好止めて、今すぐに着替えて来いよ」

「…この服しか無いんだけど」

はぁ…ダメだ、コイツ!

「ジャージに着替えろ!」

「う、うん!」

そう言うと、梅は急いで着替えに行った。



しかし、ジャージに着替えたのはいいが、そのジャージは黒にゴールドのラインと背中にバラのプリントがしてあるオラオラ系なジャージだった…

こりゃ、ダメかもな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

そして俺は召喚士に

ふぃる
ファンタジー
新生活で待ち受けていたものは、ファンタジーだった。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...