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第2章
早く戻りたいっ!
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「あの娘、テレビに出てた頃と比べると、随分と太ったわよね」
「ノヮッ!」
いつの間にか、梅が横にいた。
「ビックリするだろ!急に横に現れるんじゃないっ!」
「あら、それは失礼。それよりも、あの娘は仕事が無いから焦ってるんじゃないかしら」
そうなのかもしれない。
子役の時に売れたせいで、イメージがいつまでも子役の頃のままというのは、本人にとって辛いのかも。
「だからといって、気の緩みなのか、あんなに太ったら、仕事なんて来ないわよ。その点、私なんか常にこのプロポーションを保ってるのよ。どう、このクビレ?」
セクシーポーズでクビレを強調している。
「そのスタイル、運動とかでキープしてるんじゃないよな?どうせ、エステとかで痩身術を施してるんだろ?」
コイツは全身をイジってるに違いない。
「な、何を言ってるの!これは節制の賜物よ!」
…ウソくせぇ!
月にかなりの金額を掛けて、メンテナンスしてるんだろうが。
「そんな事より、自主性に任せると言ったが、何を伸ばせば元の世界に戻れるんだ?」
「だから、それはあなたがよく考えて行動すればいいのよ」
「任せるって事は、何でもいいんだな?」
それなら、自分の長所を生かせばいいって事なんだろ。
「悪い事はダメだからね。人間は日々成長するの。あなたも何かを成長させなきゃね」
エラソーに…
「解ったよ。じゃあ、オレは長所を伸ばす事に決めた」
「いいけど…ところであなたの長所って、何?」
ん?オレの長所…
何だっけ?
えーっと…逃げ足が速い。
ゲームが上手い。
後は…って、長所無いじゃん!!
「ほらね~、長所なんて無いじゃない。短所だらけで、良いとこが何一つ無いじゃないの、あっはっはっはっ!」
「うるせーっ!いいか、オレはこれでも結婚して子供も出来て、マイホームを買ったんだ!良きパパとして家庭を築いたんだから、それも長所じゃないのか!」
ザワザワザワザワ…
『また、一人で喚いているよ』
『ホント、いい加減にして欲しいよ』
『定期的に何か見えるのだろうか?』
『アイツ、特殊な学校に行った方がいいんじゃね?』
いかん!つい、興奮してしまった…
梅は見えないから、オレ1人で騒いでいると思われてる。
「せいぜい、その長所とやらを伸ばして1日も早く帰らないとね。じゃなきゃ、あなたの妻や娘とは一生会えなくなるかもしれないから。それじゃ、またね~」
憎たらしいヤツだ!
あんな、全身整形じゃなく、もっとマシなヤツを寄越してくれってんだ!
しかし、オレの長所か…
ホントに何も無いな。
人を思いやる気持ちや、真面目で実直。
人を上に立って、自ら行動する統率力。
…どれもこれも、オレには当てはまらない。
あ"ぁ~、何でこうも、オレは欠点だらけなんだ!
欠点なら、いくらでもあるのに!
ん?欠点…欠点を無くせばいいのか。
欠点が即ち、長所になる。
為せば成る、成さねばならぬ、やってみよう。
難しいが、これを克服出来れば、道は拓ける。
険しい道のりだが、やるしかない。
【踏み出せば、その1歩が道となり、その1歩が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ ありがとうっ!!】
そうだ、これだっ!
道を切り拓くしか無いんだ!
よし、決めた!
ならば、最後にキメの言葉を!
「行くぞ~っ!!1,2,3,ダーッ!!」
よし、決まった。
【バッチーン!!】
「痛えっ!」
「何やってんだ、授業中に!!お前は授業を妨害するのかっ!!」
え?…あ"ぁ~っ!!
また、やっちまった…
自分の世界に入りすぎて、つい授業中だって事を忘れていた。
『やっぱ、ヤバいよ!』
『段々と狂ってきたな、アイツ』
『そのうち犯罪起こしそうだな』
『何か、コワイよ!』
…また、皆から変な目で…
これも、短所だよな?
よし、先ず手始めに1人で騒ぐのを止めよう!
これなら、何とか克服出来そうだな。
しかし、思いっきりビンタ食らったな…
まだ頬が痛い!
「ノヮッ!」
いつの間にか、梅が横にいた。
「ビックリするだろ!急に横に現れるんじゃないっ!」
「あら、それは失礼。それよりも、あの娘は仕事が無いから焦ってるんじゃないかしら」
そうなのかもしれない。
子役の時に売れたせいで、イメージがいつまでも子役の頃のままというのは、本人にとって辛いのかも。
「だからといって、気の緩みなのか、あんなに太ったら、仕事なんて来ないわよ。その点、私なんか常にこのプロポーションを保ってるのよ。どう、このクビレ?」
セクシーポーズでクビレを強調している。
「そのスタイル、運動とかでキープしてるんじゃないよな?どうせ、エステとかで痩身術を施してるんだろ?」
コイツは全身をイジってるに違いない。
「な、何を言ってるの!これは節制の賜物よ!」
…ウソくせぇ!
月にかなりの金額を掛けて、メンテナンスしてるんだろうが。
「そんな事より、自主性に任せると言ったが、何を伸ばせば元の世界に戻れるんだ?」
「だから、それはあなたがよく考えて行動すればいいのよ」
「任せるって事は、何でもいいんだな?」
それなら、自分の長所を生かせばいいって事なんだろ。
「悪い事はダメだからね。人間は日々成長するの。あなたも何かを成長させなきゃね」
エラソーに…
「解ったよ。じゃあ、オレは長所を伸ばす事に決めた」
「いいけど…ところであなたの長所って、何?」
ん?オレの長所…
何だっけ?
えーっと…逃げ足が速い。
ゲームが上手い。
後は…って、長所無いじゃん!!
「ほらね~、長所なんて無いじゃない。短所だらけで、良いとこが何一つ無いじゃないの、あっはっはっはっ!」
「うるせーっ!いいか、オレはこれでも結婚して子供も出来て、マイホームを買ったんだ!良きパパとして家庭を築いたんだから、それも長所じゃないのか!」
ザワザワザワザワ…
『また、一人で喚いているよ』
『ホント、いい加減にして欲しいよ』
『定期的に何か見えるのだろうか?』
『アイツ、特殊な学校に行った方がいいんじゃね?』
いかん!つい、興奮してしまった…
梅は見えないから、オレ1人で騒いでいると思われてる。
「せいぜい、その長所とやらを伸ばして1日も早く帰らないとね。じゃなきゃ、あなたの妻や娘とは一生会えなくなるかもしれないから。それじゃ、またね~」
憎たらしいヤツだ!
あんな、全身整形じゃなく、もっとマシなヤツを寄越してくれってんだ!
しかし、オレの長所か…
ホントに何も無いな。
人を思いやる気持ちや、真面目で実直。
人を上に立って、自ら行動する統率力。
…どれもこれも、オレには当てはまらない。
あ"ぁ~、何でこうも、オレは欠点だらけなんだ!
欠点なら、いくらでもあるのに!
ん?欠点…欠点を無くせばいいのか。
欠点が即ち、長所になる。
為せば成る、成さねばならぬ、やってみよう。
難しいが、これを克服出来れば、道は拓ける。
険しい道のりだが、やるしかない。
【踏み出せば、その1歩が道となり、その1歩が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ ありがとうっ!!】
そうだ、これだっ!
道を切り拓くしか無いんだ!
よし、決めた!
ならば、最後にキメの言葉を!
「行くぞ~っ!!1,2,3,ダーッ!!」
よし、決まった。
【バッチーン!!】
「痛えっ!」
「何やってんだ、授業中に!!お前は授業を妨害するのかっ!!」
え?…あ"ぁ~っ!!
また、やっちまった…
自分の世界に入りすぎて、つい授業中だって事を忘れていた。
『やっぱ、ヤバいよ!』
『段々と狂ってきたな、アイツ』
『そのうち犯罪起こしそうだな』
『何か、コワイよ!』
…また、皆から変な目で…
これも、短所だよな?
よし、先ず手始めに1人で騒ぐのを止めよう!
これなら、何とか克服出来そうだな。
しかし、思いっきりビンタ食らったな…
まだ頬が痛い!
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