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第七話

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鶴姫は再び、湯船のあった部屋に女中たちに連れられた。
婚約の儀とはどういうものかしら。
鶴姫は女中たちを見回すとまだここに来たばかりに見える幼い女もいれば、女中頭のように威厳のある中年の女もいる。幼い女中を見ると目が輝いている。
「鶴姫様、婚約の儀の準備のため、ここで再びお清めをしていただきます。
今、湯船に新しい綺麗な湯をご用意して、婚約の儀のお召し物も準備しますので、それまでは隣の部屋に寝床をご用意いたしますのでゆっくりとお休みなさいませ。」

隣の部屋で鶴姫が横たわっていると、隣の部屋から小さく声が聞こえる。
幼い女中の声だ。女中頭に聞いているのだろうか。
「さよ様、私は未だここに奉公で入ったばかりなのですが、姫君の婚約の儀はどういうものなのですか。」
「はな、私の指示通り仕事をしていれば良い。婚約の儀は三日三晩続くから体力をつけておくように。」
「先ほどの諏訪様はどういうお方なのですか。」
「女中は余り詮索しないのが良い。ただ失礼があるといけないから話すと、経好様の父上様が特大三島神社に寄進をされた際、今の宮司の先代に、諏訪という易が得意な女占い師がいる。家の繁栄を望むなら紹介すると言われたらしいよ。
諏訪が占った易の結果に満足した父上様が諏訪様をここに連れてこられてからずっとこの屋敷に住まわれている。
特大三島神社は瀬戸内を守る神社。先代の宮司は市川家とも他の領主とも平等に付き合っておられたらしい。しかし今の宮司になって、市川家と敵対する大内家にすり寄って今では父上様は特大三島神社と疎遠になっておる。
経好様はその辺りはあまり気になされず、特大三島神社の御本尊にもお参りもされているらしい。」
「さよ様、諏訪様は、あまり経好様が結婚されるのを喜んでおられないような気がしました。父上様は諏訪様に心酔されておられるようですね。
何かお二人にあるのでしょうか。」
「はな、余計なことを言うのではい。
お清めの湯船の準備ができたようだ。鶴姫様をお連れしましょう。」

鶴姫は、さよという名前の女中頭と、はなと呼ばれる幼い女中のやり取りもっと聞きたかったが、どうやらその会話は終わったようだ。
諏訪は、経好の結婚を望んでいなさそう。何故?
イケメン大名が、私と結婚するためには赤龍の印がある宝珠、宝剣、勾玉の三種の神器が必要だから、私も付いて行って令和の知識を総動員して早く宝を見つけて玉の輿を実現しないと。

「鶴姫様、準備ができました。お清めの湯船に再度入って頂きます。」

鶴姫は、着ているものを床に脱ぎ、先ほどの樽の横に小さな踏み台を使って、それに乗って樽の風呂の湯船に浸かった。
湯加減も丁度いいし、極楽気分ね。再び和風ゴージャスホテルだわ。
「鶴姫様、湯船から立って、先ほどと同じく手を上にあげてください。
女中たちが、先ほどより更に入念に私の体を洗ってくれている。
塩のような、石鹸のような香草のようなもので何度も肌を擦っては湯で流し、また香草で肌を擦っては湯で流しを繰り返した。
「鶴姫様、湯船からでてまたあちらの寝床に仰向けになってください。」
湯船から降りると、高さの低いベッドのような寝床が用意されていて、そこに鶴姫と呼ばれた私は寝転がった。
先ほどより更に入念に、デリケートゾーンにも小刀が肌をなぞり、仕上げをして下半身もきれいにしてくれるようだ。
「次はうつ伏せになってください。」
先ほどと同じようにマッサージ風の施術が続き、気持ちよさが体全体に広がり、胸の突起が尖り、太ももの根元部分が先ほど以上に熱く疼く様になっていった。
何やらブーンとする音がなるひょうたんが視線にはいった。
背中の上から臀部までこのひょうたんを肌の表面にあてずらしていく。
振動が鶴姫の皮膚に伝わり、気持ちよさ感が増す。
これは何? 電動バイブのようだけれどこの時代には電気は無いはず。
背中から脇に、脇から臀部に、臀部から菊問を取って太ももへ、振動が快感に変わっていく。
思わず喘ぎ声が出そうだ。
まだ発声には至らないが、あまりの絶頂感に鶴姫の指は寝床の布を掴み、鶴姫の体がエビ反りになり痙攣した。

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