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家に向かいながら、そういえば、と思い出した。
皐月の家に行き、彼の服を何着か持っていってあげないと。
俺の服だと小さいだろうし、ずっと貸し続けるわけにもいかない。
数少ないし。
――ついでに水でももらおうかな。
まだ口内に残る彼女の指の味を、水で流してしまおうか、と考えながら歩き、皐月の家に到着する。
さて、と家のドアを開けようとしたとき、ガチャッと音共に、皐月が出てきた。
「え……?」
皐月は驚いた顔をした。
それに対し、俺も驚く。
「皐月、なんで……」
「服を取りに……。先生のやと、やっぱちっちゃくて」
困ったように笑う皐月に、俺は笑う。
「……悪かったな、それは」
「ええよ、別に」
それより、と皐月は俺に訊く。
「先生こそ、なんで?」
「いや、やっぱ服持ってった方がええかな、て」
「え?」
「サイズもやけど、ずっと俺の服を貸すわけにはいかんし」
「そっか」
「お前に取りに行かせるのもありやったけど、ほら、危ないやろ?」
「心配してくれてたん?」
「そりゃ、まあ」
「……ありがと。嬉しい」
皐月はニコッと笑った。
それに対するリアクションが判らず、俺もとりあえず笑っておいた。
皐月の家に行き、彼の服を何着か持っていってあげないと。
俺の服だと小さいだろうし、ずっと貸し続けるわけにもいかない。
数少ないし。
――ついでに水でももらおうかな。
まだ口内に残る彼女の指の味を、水で流してしまおうか、と考えながら歩き、皐月の家に到着する。
さて、と家のドアを開けようとしたとき、ガチャッと音共に、皐月が出てきた。
「え……?」
皐月は驚いた顔をした。
それに対し、俺も驚く。
「皐月、なんで……」
「服を取りに……。先生のやと、やっぱちっちゃくて」
困ったように笑う皐月に、俺は笑う。
「……悪かったな、それは」
「ええよ、別に」
それより、と皐月は俺に訊く。
「先生こそ、なんで?」
「いや、やっぱ服持ってった方がええかな、て」
「え?」
「サイズもやけど、ずっと俺の服を貸すわけにはいかんし」
「そっか」
「お前に取りに行かせるのもありやったけど、ほら、危ないやろ?」
「心配してくれてたん?」
「そりゃ、まあ」
「……ありがと。嬉しい」
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それに対するリアクションが判らず、俺もとりあえず笑っておいた。
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