綺麗な薔薇には棘がある。

春血暫

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scene011

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　一歩一歩、二人で並んで歩く。
　隣にいる先生は、さっきよりスッキリした顔をしている。

――さっきのこと悩んでたんかな。

　僕も、恋愛感情で好きといったら、付き合いたいとか、そんな話だと思っていた。
　けど、きっとそれだけではなくて、付き合いたいとかないけど好きっていうのもある。
　そんな気がする。
　そうでないなら、僕が先生に向ける感情は、今の世界では言い表すことができない。

――先生も、そうなんかな。

　だとしても、僕に訊くのはどうかと思う。
　先生の伯父にでも訊いてから、僕に言ってほしい。
　反応に困るから。
　そう思っていたら、先生の家の前に到着した。

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