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scene010
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――危ない。
素は出さないように、日々気をつけていたはずだった。
だが、どういうわけか、皐月の前だと、気が抜けてしまう。
というか、俺の素を見ても、こいつは変わらないのは、なぜだろう。
それも、これから接してくうちに解るのだろうか。
――何楽しみにしとるんやろ、俺。
心の中で呟き、チラリと皐月を見る。
少し疲れたように見える彼に、俺は言う。
「少し休んどくか。すぐに動くのは無理やろ」
座っとき、と俺が続けると。
皐月は地面に座り、建物の壁に凭れ、少し息を吐く。
「せんせ、優しいね」
「そうでもない」
「あるよ。僕なんか放って、逃げればええのに」
「怪我人放っていけんわ」
よっこらせ、と俺は皐月の隣に座り、同じように壁に凭れる。
「それに、皐月は俺を助けようとしてくれたやんか。そんな人に対して、冷たい対応はできん」
「そうゆうのをさ、優しい、て言うんやないの?」
「当たり前のことやと思うけど」
違うんかな、と思いながら言うと、皐月は少し笑う。
「当たり前やないよ」
素は出さないように、日々気をつけていたはずだった。
だが、どういうわけか、皐月の前だと、気が抜けてしまう。
というか、俺の素を見ても、こいつは変わらないのは、なぜだろう。
それも、これから接してくうちに解るのだろうか。
――何楽しみにしとるんやろ、俺。
心の中で呟き、チラリと皐月を見る。
少し疲れたように見える彼に、俺は言う。
「少し休んどくか。すぐに動くのは無理やろ」
座っとき、と俺が続けると。
皐月は地面に座り、建物の壁に凭れ、少し息を吐く。
「せんせ、優しいね」
「そうでもない」
「あるよ。僕なんか放って、逃げればええのに」
「怪我人放っていけんわ」
よっこらせ、と俺は皐月の隣に座り、同じように壁に凭れる。
「それに、皐月は俺を助けようとしてくれたやんか。そんな人に対して、冷たい対応はできん」
「そうゆうのをさ、優しい、て言うんやないの?」
「当たり前のことやと思うけど」
違うんかな、と思いながら言うと、皐月は少し笑う。
「当たり前やないよ」
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