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相手は――保川邦春は、少し下がった眼鏡をくいっと上げ。
そして笑う。
「元気にしとるか、気になっただけやで」
「……なんも関係ないやろ、あんたとは」
「間接的には関係あるよ」
「間接的には……?」
「如月梟帥」
「!」
「彼のこと随分、気に入ってるみたいやね」
「何……?」
先生に何かするというなら。
今すぐにでも、ここから出て殺す。
先生は、僕と同じようにおかしいところはある。
けど、先生は僕と違い優しい人だから。
「せんせに指一本も触れさせん」
「なんやねん、それ。君らしくないやん」
「っ」
「それに、もう少し口の利き方とか気ぃつけてほしいんやけど?」
保川邦春の言葉に、僕はイラッとする。
「なんでやねん」
「なんで、て……。俺が色々話して、君を死刑やなく終身刑にしてもろたんやから」
「え」
「君にはまだ色々してもらおうか、思てるから。あんま下手なことせんといてな」
じゃ、と立ち去ろうとする保川邦春を、僕は止める。
「どうゆうことや」
「……それは今教えたらおもろくないやろ」
「教えろや」
「……知りたいなら、力ずくても良いから知ろうと行動せえ」
「っ、ほんまムカつく」
今すぐ殺してやりたい気持ちを、僕はぐっと堪える。
それを見た保川邦春は「へぇ」と言う。
「君も少し変わったんやね」
「何?」
「なんでも」
じゃあね、と保川邦春は帰っていった。
そして笑う。
「元気にしとるか、気になっただけやで」
「……なんも関係ないやろ、あんたとは」
「間接的には関係あるよ」
「間接的には……?」
「如月梟帥」
「!」
「彼のこと随分、気に入ってるみたいやね」
「何……?」
先生に何かするというなら。
今すぐにでも、ここから出て殺す。
先生は、僕と同じようにおかしいところはある。
けど、先生は僕と違い優しい人だから。
「せんせに指一本も触れさせん」
「なんやねん、それ。君らしくないやん」
「っ」
「それに、もう少し口の利き方とか気ぃつけてほしいんやけど?」
保川邦春の言葉に、僕はイラッとする。
「なんでやねん」
「なんで、て……。俺が色々話して、君を死刑やなく終身刑にしてもろたんやから」
「え」
「君にはまだ色々してもらおうか、思てるから。あんま下手なことせんといてな」
じゃ、と立ち去ろうとする保川邦春を、僕は止める。
「どうゆうことや」
「……それは今教えたらおもろくないやろ」
「教えろや」
「……知りたいなら、力ずくても良いから知ろうと行動せえ」
「っ、ほんまムカつく」
今すぐ殺してやりたい気持ちを、僕はぐっと堪える。
それを見た保川邦春は「へぇ」と言う。
「君も少し変わったんやね」
「何?」
「なんでも」
じゃあね、と保川邦春は帰っていった。
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