綺麗な薔薇には棘がある。

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3

　刺殺した後に、わざわざ首を絞める、という。
　犯人には、どのような意図があるのか。
　似たような殺人鬼である彼ならわかるかもしれない、と。

　彼は笑顔のまま俺の話を聞き、相づちを打ったり、問いに答えたりした。

　笑顔のまま。

　ということがなければ、特に変わったことはなかった。
　本当に何もおかしな点はない。

――そういや、こいつの動機はなんやろ。

　彼のルールというのも、いつ、どのタイミングで決まったのか。
　それを知れば、今回の事件の犯人についてわかる気がした。

　そう思い、訊いてみると。
　返ってきた答えは、あまりにも普通で。
　どこかガッカリした。

　目的がはっきりとあり、そのための手段がそれしかないなら、それをするのは当たり前だろう。

――つまんな。

　そう思って、ため息を吐く俺を。
　彼は引きつった笑みで見る。

　その目には、どこか恐怖と期待があり、少し面白いと思った。
　少しだけど、彼に興味を抱いた。

――知りたい。

　なぜ俺をそんな目で見るのか。
　そう思っていると、彼も俺に興味があるらしく、笑いそうになった。

　そして「また今度」と別れた。