綺麗な薔薇には棘がある。

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6

――あれは自覚しとるんやろか。

　最初の雰囲気と最後の雰囲気が、全く違った。
　最初は丁寧で、紳士的だった。
　一人称は私だったし。

　でも、最後の方はそんなことなくて。
　一人称は俺で。
　多少のＳっ気があった。

　見た感じ、本人に自覚はないようで。
　それはそれで、興味があった。

「不思議やな」

　去っていったら、顔も名前も忘れるくらい人に興味なんてないのに。
　如月梟帥だけは違う。
　整った顔。少し長い睫毛のつり目。
　くすんだ金髪？　で、短髪。
　声も、何もかも覚えている。

「ああ、本当に不思議や」

　できれば、ずっといたい。
　彼のあのＳっ気のある感じ。
　僕と同じ匂いのする、あの雰囲気を。
　もっと感じたい。

「あはは」

　お気に入り、見つけた。
　如月先生♡