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図書室の霊
005
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「私、天宮城愛弥。あんたたち、ここで何をしてるの?」
愛弥は千歳と奈穂を睨むように見る。
「あ、てか、私はユーレーとかじゃないからね? そーゆー噂あるけど」
「え?」
奈穂は愛弥に訊く。
「だって、制服違うし。見たことないし……」
「そりゃ、そうよ。これは姉のお下がり。で、色々あって図書室登校してるの。保健室ではなくね」
「は、はあ……。あ、僕は新沢奈穂。こっちは佐伯千歳」
「どうも」
千歳は警戒しながら、会釈をする。
それを見て、愛弥は「ふーん」と二人に近寄る。
「新沢くんと佐伯くんね。よろしく」
「よろしく」
「よろしく」
千歳と奈穂がお辞儀をすると、愛弥は少し笑って二人の手を引く。
「暇なら、私と一緒に時間を潰そう」
「え、ちょっ」
「うわっ」
二人は転びそうになったが、何とか転ばずに、図書室の中に入った。
愛弥は千歳と奈穂を睨むように見る。
「あ、てか、私はユーレーとかじゃないからね? そーゆー噂あるけど」
「え?」
奈穂は愛弥に訊く。
「だって、制服違うし。見たことないし……」
「そりゃ、そうよ。これは姉のお下がり。で、色々あって図書室登校してるの。保健室ではなくね」
「は、はあ……。あ、僕は新沢奈穂。こっちは佐伯千歳」
「どうも」
千歳は警戒しながら、会釈をする。
それを見て、愛弥は「ふーん」と二人に近寄る。
「新沢くんと佐伯くんね。よろしく」
「よろしく」
「よろしく」
千歳と奈穂がお辞儀をすると、愛弥は少し笑って二人の手を引く。
「暇なら、私と一緒に時間を潰そう」
「え、ちょっ」
「うわっ」
二人は転びそうになったが、何とか転ばずに、図書室の中に入った。
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