狂気繚乱

春血暫

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狂気繚乱

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 ギシッ
 ギジギシッ
 ベッドが軋み、ヌチャヌチャと水のような音が部屋に響く。
「ああ、これが! 俺の、欲しかった!!!」
 文弘は嬉しそうに優の一物モノを自身の孔に入れる。
「ぁんっ! ぅんっ」
「………なんか、めっちゃチンコに違和感が」
 優は、ぼんやりとする頭と視界に呟き、見ると。
 仰向けになっている自分(全裸)に、文弘が乗り、優の一物を挿入れて喘いでいた。
――な、なんだ!?
 ついに、自分は頭がおかしくなったと思って優が混乱していると。
 文弘は気づいたのか、くるりと体勢を変え優を見る。
「童貞じゃない?」
「……ええ、まあ。これでも、何人か彼女はいましたしね」
「そんとき、どんなことしたの?」
 例えば、と文弘は自身の孔から優の一物を抜いて咥える。
「こんなの?」
「はあ!? いや、ちょっと!! あんた、何してるんすか!?」
「佐々塚さんは、どんなエッチが好きなの? お口でされるのは嫌い?」
「……好きとか、嫌いとかじゃないですよ!!」
 てか、と優は言う。
「なんで、こうなったんですか!? 俺、覚えてない……てか、頭とかぼんやりするし……」
「酒飲ませて、酔わせて、眠らせて、脱がした」
 それで、と文弘は優に隣に座る。
「睡眠姦」
「寝込みを襲われたんですね、俺」
「だって、好きだから」
「は?」
「初めての時からかも。俺は、お前にめちゃくちゃにされたいって思ってたんだよ?」
 甘えたような声で、文弘は優の胸の方に手を伸ばす。
「ね、しようよ。俺となら、立場とか問題ないよ?」
「男同士でしょうが」
「良いよ。ただ、お前のそのふっとい肉棒を、俺の孔に挿入してさ、女のように扱えば良い」
「…………」
 まるで悪魔の甘言のように、文弘は優の胸を触りながら言う。
 その言い方や、仕草に優の中の何かがプツリと切れた。
 それは、きっと理性というものだろう。
 バッと、優は文弘を押し倒す。
 突然のことで、文弘はビックリしたが、嬉しそうに笑う。
「やりゃあ、できるじゃん」
「……おい、てめえ」
 優は、文弘の上半身を押さえつけて言う。
「この俺を下に見てるんじゃねえよ」
「……?」
「駄犬だな、俺様が躾してやる。感謝しろ」
「…………」
 文弘は、自分の妄想が現実になったような感覚になり、ニヤニヤした。
 優はそんな文弘が気に食わないらしく、顔面をグーで殴る。
「やめた。やっぱり、躾するのは趣味じゃない」
「え?」
「ね、めちゃくちゃにされたいんでしょ? どんな風に?」
「え?」
 さっきまでとは、全然態度が違う優に文弘は戸惑う。
 そして、戸惑いながら「好きなようにして」と言う。
「オナホ扱いで良いから」
「オナホなんて、俺の趣味じゃない」
 でも、と優は静かに笑う。
「好きなようにして、てなら。する」
 優は、文弘の首を思いっきり絞める。
「苦しい? 息できない?」
「っ」
「このまま窒息死してさ、僕が犯罪者で、君が被害者で」
 優はニコニコと笑いながら、絞める。
「僕のことを、何て言うのかな? 愉快犯? 気違い?」
 文弘は、自分がもうすぐ死ぬのだろうと思い。
 目を閉じる。
 しかし、そうした瞬間に首から手を離され、空気が一気に文弘の体内に入る。
「ゲホッ」
 と、咳き込むと優は笑う。
「死ぬって思わないでよ、つまんないじゃん」
「ゲホッ ゴホッ」
「でも、まだだよ。帰してあげない」
 優は、文弘の上に乗る。
「僕ぅ、こうやってぇ」
 と、言いながら、優は文弘の首筋を舐める。
「人の血を飲んだりぃ」
 ガブッと、噛みつき、血を飲む。
 文弘は痛みが急に来て、苦しむがそれは一瞬で。
 もう、後は快感となっていた。
「ふっ……、あっ。あんっ」
 と、喘ぐ文弘を無視して優は血を飲む。
「んっ、んっ」
 かなり飲んだ後、すっと優は文弘から降りた。
 文弘は、その優を自分のところに引き寄せようと手を伸ばすが、優はそれを弾く。
「もう充分飲んだから、いい」
「で、でもっ」
「……なに?」
「俺、まだ……」
「好きにして良いんでしょ? 僕が満足したら、終わり」
 じゃあね、と優はベッドから降りた。
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