狂気繚乱

春血暫

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狂気繚乱

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「はあ……はあ……」
 息を切らし、ガタガタと震え、男は目の前の現実から逃避する方法を考える。
 なぜ、こうなってしまったか。
 どうすればよいのか。
 男は、脳をフル回転させ考えたが、どうすることもできないと知り。
 目をそらす。

 男の目の前には、裸で血まみれになっている女がいた。
 女は左胸にナイフが突き刺さったまま死んでいる。
 男は「私ではない」と繰り返し呟く。
「こうなったのは、私のせいではないのだ」
 しかし、そうは言っても証拠はない。
 男は、困り果て。
 悩んだ末に思い付いた。
 いっそ、この事を隠してしまえば良い。

 男は、元々人肉には興味があった。
 今日だって、女とヤりながら幾度も女を喰いちぎり、己の血肉にする妄想をしていた。
 実際に噛んで、喰いちぎり、咀嚼したことだってある。
 そう思うと、途端に女が欲しくて仕方がなくなった。
「ああ、そうだ。こうすれば良いのだ」
 男は、ニヤリと笑い死んだ女を見つめる。
 どこから、食べようかを考え。
 男は、悩みながらも女の脚から食べることにした。
 刺さっているナイフを抜いて、それで脚を付け根から切り、さらに食べやすいように細かく切る。男は、丁寧に女の裸体からだを切り刻み、一つ一つ丁寧に食べ進んだ。

 数分も経てば、もう、そこには血痕しかない。
 男は、その血痕を綺麗に拭き取った。
 しかし、少しは残ってしまう。
 それを警察に見つかれば、男の人生は終わりである。
 男は、床に流れ、残る血痕を舌で舐めとり、血の味を確かめ。
 どうしても残るところは、すべて舐めた。
「血も素晴らしい味をする」
 そう言って、男は部屋を後にした。
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