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【番外編2】嵐との出会い
第23の嵐 下された辞令
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こんな時ばかりは、ウイングの行動の早さと奴の親がもつ権力の大きさに感心する。
案の定、おれの噂は光速並みの勢いで軍内に広がっていき、三日後の夜にはおれへの辞令を引っ提げたウイングが押しかけてきたのだ。
「へへっ、どうだ?」
「………」
ウイングにその場で辞令を読むことを強要され、おれは仕方なく、紙面に綴られた文字を目で追った。
まあ、辞令の内容は予想と完全に一致していたわけで、驚くことも何もないのだが。
おれは、ちらりとウイングを見やる。
おれが取り乱すことを期待しているのか、ウイングは上機嫌でおれの様子を窺っている。
今頃、こいつの頭の中はおれへの罵倒やら嫌味やらでいっぱいなのだろう。
多分、今後はこいつと顔を合わせることもほとんどないだろうし、今さら空気を読む必要もないか。
そう判断したおれは読み終えた辞令を折り畳み、封筒の中に戻した。
「ありがとうございます。こんな辞令一つのために、わざわざ走ってきたんですか? 荷造りの時間が増えたんで助かりますよ。」
笑って言ってやると、肩を上下させて呼吸を整えていたウイングが、ぐっと言葉に詰まった。
「くっ……こ、後悔したって遅いんだからな! お前の顔を見なくて済むようになって清々したぜ!!」
喚きながら去っていくウイングを、これも最後だと思い、丁寧に見送ってやる。
「ほんと、型にはまったようなセリフしか言えないんだね、あの人。つまんないの。」
「うおっ!?」
後ろからぬっとジョーが姿を現し、周囲に気を配っていなかったおれは、思わず飛び上がってしまった。
「お前、いつからそこに……」
「ウイング先輩がスキップしながら騒いでたから、どうせミゲルの所に行くんだろうなって思って尾けてきたの。渡されたのって、それ?」
「おう。」
ジョーに封筒を渡し、おれは一人でさっさと部屋に戻る。
ジョーは中身を改めながら、当然のように部屋の中に入ってきた。
「なるほどねー。ここ最近すごい変な噂が吹き荒れまくってたけど、ミゲル何やったのさ?」
「何も? 強いて言うなら、ただ傍観してた。」
「ははっ、なるほど。何があったのかは察しがついたや。」
ジョーは苦笑し、辞令を机の上に置いた。
そして、複雑な視線をおれへと向ける。
「大丈夫? 後悔してない?」
「してるように見えるか?」
おれは間髪入れずに返した。
「なんでだろうな。今まで積み上げてきたもんをぶっ壊したって感じだけど、不思議と気分がいいんだ。」
嘘のない本心だった。
自分の心に何が起こったのかは、昼間より幾分か落ち着いた今でもよく分かっていない。
だが、今のおれには、このすっきりとした心だけで十分だった。
「ミゲル……笑うの何年ぶり?」
ジョーが大きく目を見開く。
まるで、奇妙なものを見るような顔だ。
「知らね。笑えてた記憶すらほとんどねぇから。」
物心ついた時には、すでに荒れまくっていた家庭だ。
おれが笑ったことなど、数える程度しかないんじゃないかと思う。
そこで、おれはまた新たな発見をする。
これまでのおれは、お袋や過去の自分について思い返さないようにするので必死だった。
自分の心の平静を保つためには、思い出さないことが一番だったから。
だが今は、こうして昔のことを思い返しても、少しも苦しいとは思わないのだ。
「本当に後悔してないんだね。そんなにすっきりした顔は初めて見たよ。これなら、僕も僕の判断を正解だと思えるかな。」
「ん?」
首を傾げるおれに、ジョーは表情を輝かせて笑う。
そして、ずっと小脇に抱えていた封筒を両手に持った。
「これ、なんだと思う?」
「?」
想像もつかないので、視線だけで先を促す。
すると、ジョーは笑顔をどこか悪戯っぽくして封筒を開き、その中に入った紙の上部分だけをおれに見せた。
そこにあったのは〝異動願〟の文字。
「はあっ!?」
そんな、ひっくり返った声しか出なかった。
「え…? お前、なんで…? そんなことして大丈夫なのか? よくよく考えろよ?」
たじろいでしまい、おれはよく分からない焦りを感じながら、ジョーをなだめにかかった。
待て待て待て。
ちょっと待ってくれ。
おれが知っているジョーじゃないんだが?
ディアラントは、よりにもよって総督部を敵に回しているんだぞ?
そんなディアラント側につくことで途絶えてしまう情報源だってあるだろう。
それは、情報主義のこいつにとって都合が悪いはずだ。
「よくよく考えろって言うけど……」
ジョーはいやに機嫌よく呟き、一部だけ見せていた書類の全てを封筒から引き出した。
「もう受領済みでーす♪」
全容が露わになった異動願。
その下部にはジョーの言うとおり、参謀局第一部隊の受領印とドラゴン殲滅部隊の受領印がしっかりと捺されている。
「はっ!? それ……ええ!?」
「ちなみに、配属日はミゲルと同じ日ね。」
「な…っ!? ……ってことはお前、おれに辞令が出たことを誰よりも先に知ってやがったな!?」
「んふふ、当然。僕の情報網と情報量を甘く見てもらっちゃ困るな。色んな人の色んな弱みを、これでもかってくらい握ってるんだから。」
ジョーは隠すこともなく、己の本性を大暴露。
「な、なんで……」
「なんでだと思う? やっぱり、親友が心配だからかな。」
「いや、お前に限ってそれだけはない!」
長い付き合いだからこそ分かる。
こいつほど利己的で、自分最優先で動く人間などいない。
別に情に薄いというわけでも、卑怯な手を使うというわけでもないが、ジョーは自分と他人の人生をきっちりと分けて考えるタイプの人間。
公私混同などありえない、はず……
「なんだ、よく分かってるじゃない。」
「分かってるから分かんねぇんだよ!!」
ドラゴン殲滅部隊に異動したところで、この男には何のメリットもないではないか。
それなのに、一体何故…?
「理由なんて単純だよ。」
ジョーはにやりと口の端を上げる。
「こっちの方が面白そうだから。言っとくけど、僕は今まで、これ以外の理由で動いたことはないよ?」
「面白そうだからって……じゃあ、剣と無縁な進学校から軍事大学に入ったのも、そのまま国防軍に入ったのも、全部ただの気まぐれだったってのか!?」
「うん、そうだよ?」
「そうだよって、お前……」
とうとうおれは、二の句を告げなくなってしまう。
おれはジョーのことを理解しているつもりで、根本的なところを誤解していたらしい。
用意周到な計算タイプだと思っていたのに、ただの自由人じゃないか。
「あれ…? おれの周りって、なんか変人だらけじゃないか?」
危機管理能力ゼロのディアラントに、気まぐれだけで異動願まで出したジョー。
加えて、今のドラゴン殲滅部隊では、常に胃痛と戦っているアイロスまで待っているわけだ。
この時点で、おれの気苦労は軽く臨界点を超える見込みなんだが……
「あはは、ようやく気付いたの? ツッコミ役は任せたからね。」
「やめろよ、お前……」
おれは額に手をやる。
やれやれ、前途多難だ。
でも……
「ここまで来たら、なんでも来いってんだ。まったく……」
やっぱり、おれの胸は清々しかった。
今ならきっと、今までの自分にケリをつけられる。
自然にそう思えた。
「ジョー。お前、しばらく黙ってろよ。」
一言釘を刺して、おれは机の上に置いてあった携帯電話に手を伸ばす。
いつもは重く感じて仕方なかった電話番号をしばし見つめ、深く呼吸をしてダイヤルボタンを押した。
「―――ああ、お袋? ちょっと、報告があるんだけど……」
案の定、おれの噂は光速並みの勢いで軍内に広がっていき、三日後の夜にはおれへの辞令を引っ提げたウイングが押しかけてきたのだ。
「へへっ、どうだ?」
「………」
ウイングにその場で辞令を読むことを強要され、おれは仕方なく、紙面に綴られた文字を目で追った。
まあ、辞令の内容は予想と完全に一致していたわけで、驚くことも何もないのだが。
おれは、ちらりとウイングを見やる。
おれが取り乱すことを期待しているのか、ウイングは上機嫌でおれの様子を窺っている。
今頃、こいつの頭の中はおれへの罵倒やら嫌味やらでいっぱいなのだろう。
多分、今後はこいつと顔を合わせることもほとんどないだろうし、今さら空気を読む必要もないか。
そう判断したおれは読み終えた辞令を折り畳み、封筒の中に戻した。
「ありがとうございます。こんな辞令一つのために、わざわざ走ってきたんですか? 荷造りの時間が増えたんで助かりますよ。」
笑って言ってやると、肩を上下させて呼吸を整えていたウイングが、ぐっと言葉に詰まった。
「くっ……こ、後悔したって遅いんだからな! お前の顔を見なくて済むようになって清々したぜ!!」
喚きながら去っていくウイングを、これも最後だと思い、丁寧に見送ってやる。
「ほんと、型にはまったようなセリフしか言えないんだね、あの人。つまんないの。」
「うおっ!?」
後ろからぬっとジョーが姿を現し、周囲に気を配っていなかったおれは、思わず飛び上がってしまった。
「お前、いつからそこに……」
「ウイング先輩がスキップしながら騒いでたから、どうせミゲルの所に行くんだろうなって思って尾けてきたの。渡されたのって、それ?」
「おう。」
ジョーに封筒を渡し、おれは一人でさっさと部屋に戻る。
ジョーは中身を改めながら、当然のように部屋の中に入ってきた。
「なるほどねー。ここ最近すごい変な噂が吹き荒れまくってたけど、ミゲル何やったのさ?」
「何も? 強いて言うなら、ただ傍観してた。」
「ははっ、なるほど。何があったのかは察しがついたや。」
ジョーは苦笑し、辞令を机の上に置いた。
そして、複雑な視線をおれへと向ける。
「大丈夫? 後悔してない?」
「してるように見えるか?」
おれは間髪入れずに返した。
「なんでだろうな。今まで積み上げてきたもんをぶっ壊したって感じだけど、不思議と気分がいいんだ。」
嘘のない本心だった。
自分の心に何が起こったのかは、昼間より幾分か落ち着いた今でもよく分かっていない。
だが、今のおれには、このすっきりとした心だけで十分だった。
「ミゲル……笑うの何年ぶり?」
ジョーが大きく目を見開く。
まるで、奇妙なものを見るような顔だ。
「知らね。笑えてた記憶すらほとんどねぇから。」
物心ついた時には、すでに荒れまくっていた家庭だ。
おれが笑ったことなど、数える程度しかないんじゃないかと思う。
そこで、おれはまた新たな発見をする。
これまでのおれは、お袋や過去の自分について思い返さないようにするので必死だった。
自分の心の平静を保つためには、思い出さないことが一番だったから。
だが今は、こうして昔のことを思い返しても、少しも苦しいとは思わないのだ。
「本当に後悔してないんだね。そんなにすっきりした顔は初めて見たよ。これなら、僕も僕の判断を正解だと思えるかな。」
「ん?」
首を傾げるおれに、ジョーは表情を輝かせて笑う。
そして、ずっと小脇に抱えていた封筒を両手に持った。
「これ、なんだと思う?」
「?」
想像もつかないので、視線だけで先を促す。
すると、ジョーは笑顔をどこか悪戯っぽくして封筒を開き、その中に入った紙の上部分だけをおれに見せた。
そこにあったのは〝異動願〟の文字。
「はあっ!?」
そんな、ひっくり返った声しか出なかった。
「え…? お前、なんで…? そんなことして大丈夫なのか? よくよく考えろよ?」
たじろいでしまい、おれはよく分からない焦りを感じながら、ジョーをなだめにかかった。
待て待て待て。
ちょっと待ってくれ。
おれが知っているジョーじゃないんだが?
ディアラントは、よりにもよって総督部を敵に回しているんだぞ?
そんなディアラント側につくことで途絶えてしまう情報源だってあるだろう。
それは、情報主義のこいつにとって都合が悪いはずだ。
「よくよく考えろって言うけど……」
ジョーはいやに機嫌よく呟き、一部だけ見せていた書類の全てを封筒から引き出した。
「もう受領済みでーす♪」
全容が露わになった異動願。
その下部にはジョーの言うとおり、参謀局第一部隊の受領印とドラゴン殲滅部隊の受領印がしっかりと捺されている。
「はっ!? それ……ええ!?」
「ちなみに、配属日はミゲルと同じ日ね。」
「な…っ!? ……ってことはお前、おれに辞令が出たことを誰よりも先に知ってやがったな!?」
「んふふ、当然。僕の情報網と情報量を甘く見てもらっちゃ困るな。色んな人の色んな弱みを、これでもかってくらい握ってるんだから。」
ジョーは隠すこともなく、己の本性を大暴露。
「な、なんで……」
「なんでだと思う? やっぱり、親友が心配だからかな。」
「いや、お前に限ってそれだけはない!」
長い付き合いだからこそ分かる。
こいつほど利己的で、自分最優先で動く人間などいない。
別に情に薄いというわけでも、卑怯な手を使うというわけでもないが、ジョーは自分と他人の人生をきっちりと分けて考えるタイプの人間。
公私混同などありえない、はず……
「なんだ、よく分かってるじゃない。」
「分かってるから分かんねぇんだよ!!」
ドラゴン殲滅部隊に異動したところで、この男には何のメリットもないではないか。
それなのに、一体何故…?
「理由なんて単純だよ。」
ジョーはにやりと口の端を上げる。
「こっちの方が面白そうだから。言っとくけど、僕は今まで、これ以外の理由で動いたことはないよ?」
「面白そうだからって……じゃあ、剣と無縁な進学校から軍事大学に入ったのも、そのまま国防軍に入ったのも、全部ただの気まぐれだったってのか!?」
「うん、そうだよ?」
「そうだよって、お前……」
とうとうおれは、二の句を告げなくなってしまう。
おれはジョーのことを理解しているつもりで、根本的なところを誤解していたらしい。
用意周到な計算タイプだと思っていたのに、ただの自由人じゃないか。
「あれ…? おれの周りって、なんか変人だらけじゃないか?」
危機管理能力ゼロのディアラントに、気まぐれだけで異動願まで出したジョー。
加えて、今のドラゴン殲滅部隊では、常に胃痛と戦っているアイロスまで待っているわけだ。
この時点で、おれの気苦労は軽く臨界点を超える見込みなんだが……
「あはは、ようやく気付いたの? ツッコミ役は任せたからね。」
「やめろよ、お前……」
おれは額に手をやる。
やれやれ、前途多難だ。
でも……
「ここまで来たら、なんでも来いってんだ。まったく……」
やっぱり、おれの胸は清々しかった。
今ならきっと、今までの自分にケリをつけられる。
自然にそう思えた。
「ジョー。お前、しばらく黙ってろよ。」
一言釘を刺して、おれは机の上に置いてあった携帯電話に手を伸ばす。
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