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第6章 軋んでいく心
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自分の平穏を脅かす、手紙の向こうにいる誰か。
メイアたちの一件から、その趣向がまた変わった。
『キリハ兄ちゃーん。なんか、キリハ兄ちゃんのファンだって人から、手紙もらったよー。』
ショッピングモールで合流したメイアたちから渡された手紙。
メイアたちはラブレターだとひやかしたが、こっちはそれどころじゃない。
〈あなたの演技力には感服しましたよ。あの子たちには、これ以上手を出さないとお約束しましょう。〉
帰ってから手紙にしたためられていたメッセージを読んで、全身の血がどこかへ消えていくような気分に陥った。
タイミングよくメイアたちに手紙を渡せたことからしても、このメッセージからしても、犯人が自分を監視していることは明らか。
そして、自分の行動によってはメイアたちが危なかったことも、これではっきりとした。
ひとまずはメイアたちから危険を遠ざけられたことに安堵すると同時に、レクトのアドバイスのありがたみを痛感した。
〈ここからは、二人だけで楽しみましょうか。〉
その後に記されていたのは、次なる呼び出しの日時と場所。
また、自分が休みに予定している日と一致していた。
普段なら、こんな呼び出しには応じなかっただろう。
しかし、一度こんな経験をした後だ。
従う以外に、選べる道などなかった。
しかし、二ヶ月あまりが経過した今も、犯人と対面することは叶っていない。
呼び出し先にあるのはいつも、次の指示が書かれた手紙だけだ。
まるで、滑稽な操り人形にでもなった気分。
そう思う反面、犯人の要求が次の段階へ進んだことに、どこかで救われている気もする。
あれからシアノも含めて、自分が知る誰かがこの手紙に関わることはなくなった。
事件や事故に巻き込まれたという報告もない。
少なくとも自分が黙って従っていれば、これ以上は誰も巻き込まずに済むのだ。
それに、呼び出されて一人になっている時は、この苦しさを我慢せずに表に出せる。
これでいい。
これでいいのだ。
そうは思っていても、日々追い詰められていく心の逃がし所は、どうしたって必要で……
メイアたちの一件から、その趣向がまた変わった。
『キリハ兄ちゃーん。なんか、キリハ兄ちゃんのファンだって人から、手紙もらったよー。』
ショッピングモールで合流したメイアたちから渡された手紙。
メイアたちはラブレターだとひやかしたが、こっちはそれどころじゃない。
〈あなたの演技力には感服しましたよ。あの子たちには、これ以上手を出さないとお約束しましょう。〉
帰ってから手紙にしたためられていたメッセージを読んで、全身の血がどこかへ消えていくような気分に陥った。
タイミングよくメイアたちに手紙を渡せたことからしても、このメッセージからしても、犯人が自分を監視していることは明らか。
そして、自分の行動によってはメイアたちが危なかったことも、これではっきりとした。
ひとまずはメイアたちから危険を遠ざけられたことに安堵すると同時に、レクトのアドバイスのありがたみを痛感した。
〈ここからは、二人だけで楽しみましょうか。〉
その後に記されていたのは、次なる呼び出しの日時と場所。
また、自分が休みに予定している日と一致していた。
普段なら、こんな呼び出しには応じなかっただろう。
しかし、一度こんな経験をした後だ。
従う以外に、選べる道などなかった。
しかし、二ヶ月あまりが経過した今も、犯人と対面することは叶っていない。
呼び出し先にあるのはいつも、次の指示が書かれた手紙だけだ。
まるで、滑稽な操り人形にでもなった気分。
そう思う反面、犯人の要求が次の段階へ進んだことに、どこかで救われている気もする。
あれからシアノも含めて、自分が知る誰かがこの手紙に関わることはなくなった。
事件や事故に巻き込まれたという報告もない。
少なくとも自分が黙って従っていれば、これ以上は誰も巻き込まずに済むのだ。
それに、呼び出されて一人になっている時は、この苦しさを我慢せずに表に出せる。
これでいい。
これでいいのだ。
そうは思っていても、日々追い詰められていく心の逃がし所は、どうしたって必要で……
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