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第2章 何が正しいこと?
遠のいていく世界
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ドラゴンとの戦闘が始まって数時間。
状況は予想どおりで、戦いは困難を極めていた。
その大きな要因はドラゴンの大きさというよりは、建物が立ち並ぶ町中という環境の方にあった。
爆撃や斬撃を受ける度にドラゴンは暴れ、近くの建物を破壊していく。
その都度上から降ってくる瓦礫を避ける必要があるため、ドラゴンを倒すことだけに集中できないのだ。
ドラゴンの体力が衰える様子も今のところはなく、防戦重視の戦いを余儀なくされていた。
「キー坊、一旦引いてくれ!」
イヤホンから響く、切羽詰った様子のミゲルの声。
それを聞いて、キリハは竜騎士隊の面々と目配せし合ってから最前線を離れた。
自分の代わりを埋めるようにドラゴンの方へ走っていく人々を見送りながら、キリハは後方で別部隊に指示を飛ばしているミゲルの元へと向かう。
「かなり厳しい状況だ。あれだけ弾薬撃っといてあんなに動けるって、体力ありすぎんだろ……」
自分が傍に来るなり、ミゲルは険しく表情を歪めた。
どこかすがるような光を宿した彼の目が、こちらに向けられる。
何を言われるかは分かっていた。
「キー坊……例のこと、頼んでもいいか?」
「………」
すぐには答えられなかった。
戦いが始まってすぐ、いずれこうなることは分かっていたし、こう言われることも覚悟していたはずなのに……
「キー坊?」
「あ……いや、大丈夫。」
キリハはとっさに笑みを浮かべて、すぐにミゲルに背を向けた。
ざっと周囲を見渡し、ドラゴンの後ろに出るルートに検討をつける。
「五分、耐えられそう?」
「それくらいなら、意地でも耐えてやるよ。」
「分かった。後のタイミングは任せて。………それじゃ。」
ミゲルの返事を待たないまま、キリハはすぐそこの脇道へと身を隠した。
全力でミゲルたちから離れ、家々の隙間から見えるドラゴンの姿を確認しながら走る。
その最中、持っていた対ドラゴン用の剣をしまい、代わりに《焔乱舞》を抜き払う。
躊躇ってはだめだ。
今躊躇えば、持ちこたえてくれているミゲルたちを危険にさらすことになる。
聴覚いっぱいに、自分の呼吸音と足音。
今は一人だ。
誰も《焔乱舞》を持つ自分の姿を見ていない。
だから―――
走りながらも呼吸を整え、《焔乱舞》に意識を傾ける。
途端に勢いを増していく炎を、できるだけ抑えるようにする。
このまま炎が大きくなりすぎては、背後を取る前にドラゴンに気づかれてしまうからだ。
(大丈夫……迷うな。迷うな!)
一生懸命自分に言い聞かせる。
そうでもしないと、足が止まってしまいそうだった。
徐々にドラゴンの姿が後ろへと流れていく。
あともう少しで、予定していた場所につくはずだ。
終わらせないといけない。
暴れそうになる《焔乱舞》を全神経を使って制御し、キリハは速度を上げて家の間を駆け抜けた。
ドラゴンに近づくにつれ、壊れた建物が増えていく。
その陰を少しずつ移動しながら、とうとうドラゴンの背後に出た。
「みん―――」
無線で呼びかけようとして、キリハは目を見開いた。
大きく振りかざされたドラゴンの腕。
それが、すぐそこのアパートに直撃する。
コンクリート造りのアパートはまるでおもちゃのように簡単に壊れ、いくつものコンクリートの塊を地面へ落とした。
だが、キリハが意識を持っていかれたのはそこではない。
キリハが見つめていたのは、ドラゴンの目だった。
爬虫類を思わせるような青い目は、己が破壊したアパートなど一切見ていなかったのだ。
その目は、まっすぐに地上の人間たちに向けられている。
そこにあるのは―――獰猛な狩人の目。
「―――っ!!」
この時覚えたのは戦慄と、本能的な危機感。
(ここからじゃだめだ!)
無意識のうちに地面を蹴って、予定とは違う行動に移っていた。
脳内でけたたましく鳴り響く警鐘が、嫌な予感となって全身を急かしている。
早く、早く―――早く!!
ドラゴンはひたすらに、近くの建物を破壊することを繰り返している。
この行動の意図が自分の思うようなものだったとしたら、この後に待っているのは直視できるような光景じゃない。
「みんな、今すぐそいつから離れて!! 危ない!!」
祈る気持ちで叫んだ。
地面に落ちる瓦礫が上げる砂埃のせいで、ここからは他の人々の姿は見えない。
この砂埃に紛れて、どうにかドラゴンの視界から外れてくれているといいのだが。
キリハはドラゴンの尻尾に沿って走り抜け、足と尻尾の隙間からドラゴンの腹の真下に出る。
そこで立ち止まると、抑えていた《焔乱舞》の炎を解放して、《焔乱舞》を思い切りドラゴンの腹に突き刺した。
刀身の全てが埋まるまで深く《焔乱舞》を突き刺し、すぐにそこから手を離してまた地面を蹴る。
―――――――ッ
ドラゴンの体が瞬く間に炎に包まれ、その口腔から絶叫がほとばしる。
だが、少し遅かった。
ドラゴンの右腕が大きく振り上がる。
その腕が狙っているのは自分ではない。
腕が狙う先を見ると、薄くなってきた砂埃の中に数人の姿がほんやりと見える。
目を潰すようなこの土埃とドラゴンとの距離のせいで、逃げるに逃げられなかったのだろう。
一番前にいたのは―――
「ルカ!!」
叫んだキリハは、必死に走る。
迫るドラゴンの爪と自分。
果たして、どっちが早いだろうか。
(お願い…。間に合って!!)
キリハの呼び声に、ルカが微かに目を開いた。
声の方向を探ったルカと、ルカ目がけて走るキリハの目が瞬間的に合う。
(間に……合う!)
「とにかく、みんな早く後退して!」
大声を張りながら、キリハは意地でスピードを上げて、めいいっぱいの力でルカを突き飛ばした。
数秒遅れて、背後をドラゴンの腕が右から左へすり抜けていく。
しかし。
「―――っ!?」
背中を、全く予期していなかった方向から衝撃が襲った。
ドラゴンが振りかぶったのは、右腕だけではなかったのだ。
ほとんど間を置かずに上から下に向かって左腕が振り下ろされていて、その爪がキリハの背を捉えたのである。
背中で《焔乱舞》の炎の熱と、それをはるかに上回る別の灼熱が爆発する。
意識とは関係なく膝が砕け、勝手に体が前に傾いだ。
その先には、蒼白な顔で大きく目を見開くルカの姿。
(ああ……馬鹿だ……)
遠のいていく世界の中、ぽつりと思った。
何をやっているのだろう。
ルカにこんな顔をさせるつもりなどなかったのに。
こんなこと、望んでいなかった。
全部、フールの言ったとおりじゃないか。
失ってからでは、何もかもが遅いのに……
「キリハ!!」
「キー坊!!」
サーシャとミゲルの叫び声が聞こえる。
それを最後に、意識は完全に途切れてしまった。
状況は予想どおりで、戦いは困難を極めていた。
その大きな要因はドラゴンの大きさというよりは、建物が立ち並ぶ町中という環境の方にあった。
爆撃や斬撃を受ける度にドラゴンは暴れ、近くの建物を破壊していく。
その都度上から降ってくる瓦礫を避ける必要があるため、ドラゴンを倒すことだけに集中できないのだ。
ドラゴンの体力が衰える様子も今のところはなく、防戦重視の戦いを余儀なくされていた。
「キー坊、一旦引いてくれ!」
イヤホンから響く、切羽詰った様子のミゲルの声。
それを聞いて、キリハは竜騎士隊の面々と目配せし合ってから最前線を離れた。
自分の代わりを埋めるようにドラゴンの方へ走っていく人々を見送りながら、キリハは後方で別部隊に指示を飛ばしているミゲルの元へと向かう。
「かなり厳しい状況だ。あれだけ弾薬撃っといてあんなに動けるって、体力ありすぎんだろ……」
自分が傍に来るなり、ミゲルは険しく表情を歪めた。
どこかすがるような光を宿した彼の目が、こちらに向けられる。
何を言われるかは分かっていた。
「キー坊……例のこと、頼んでもいいか?」
「………」
すぐには答えられなかった。
戦いが始まってすぐ、いずれこうなることは分かっていたし、こう言われることも覚悟していたはずなのに……
「キー坊?」
「あ……いや、大丈夫。」
キリハはとっさに笑みを浮かべて、すぐにミゲルに背を向けた。
ざっと周囲を見渡し、ドラゴンの後ろに出るルートに検討をつける。
「五分、耐えられそう?」
「それくらいなら、意地でも耐えてやるよ。」
「分かった。後のタイミングは任せて。………それじゃ。」
ミゲルの返事を待たないまま、キリハはすぐそこの脇道へと身を隠した。
全力でミゲルたちから離れ、家々の隙間から見えるドラゴンの姿を確認しながら走る。
その最中、持っていた対ドラゴン用の剣をしまい、代わりに《焔乱舞》を抜き払う。
躊躇ってはだめだ。
今躊躇えば、持ちこたえてくれているミゲルたちを危険にさらすことになる。
聴覚いっぱいに、自分の呼吸音と足音。
今は一人だ。
誰も《焔乱舞》を持つ自分の姿を見ていない。
だから―――
走りながらも呼吸を整え、《焔乱舞》に意識を傾ける。
途端に勢いを増していく炎を、できるだけ抑えるようにする。
このまま炎が大きくなりすぎては、背後を取る前にドラゴンに気づかれてしまうからだ。
(大丈夫……迷うな。迷うな!)
一生懸命自分に言い聞かせる。
そうでもしないと、足が止まってしまいそうだった。
徐々にドラゴンの姿が後ろへと流れていく。
あともう少しで、予定していた場所につくはずだ。
終わらせないといけない。
暴れそうになる《焔乱舞》を全神経を使って制御し、キリハは速度を上げて家の間を駆け抜けた。
ドラゴンに近づくにつれ、壊れた建物が増えていく。
その陰を少しずつ移動しながら、とうとうドラゴンの背後に出た。
「みん―――」
無線で呼びかけようとして、キリハは目を見開いた。
大きく振りかざされたドラゴンの腕。
それが、すぐそこのアパートに直撃する。
コンクリート造りのアパートはまるでおもちゃのように簡単に壊れ、いくつものコンクリートの塊を地面へ落とした。
だが、キリハが意識を持っていかれたのはそこではない。
キリハが見つめていたのは、ドラゴンの目だった。
爬虫類を思わせるような青い目は、己が破壊したアパートなど一切見ていなかったのだ。
その目は、まっすぐに地上の人間たちに向けられている。
そこにあるのは―――獰猛な狩人の目。
「―――っ!!」
この時覚えたのは戦慄と、本能的な危機感。
(ここからじゃだめだ!)
無意識のうちに地面を蹴って、予定とは違う行動に移っていた。
脳内でけたたましく鳴り響く警鐘が、嫌な予感となって全身を急かしている。
早く、早く―――早く!!
ドラゴンはひたすらに、近くの建物を破壊することを繰り返している。
この行動の意図が自分の思うようなものだったとしたら、この後に待っているのは直視できるような光景じゃない。
「みんな、今すぐそいつから離れて!! 危ない!!」
祈る気持ちで叫んだ。
地面に落ちる瓦礫が上げる砂埃のせいで、ここからは他の人々の姿は見えない。
この砂埃に紛れて、どうにかドラゴンの視界から外れてくれているといいのだが。
キリハはドラゴンの尻尾に沿って走り抜け、足と尻尾の隙間からドラゴンの腹の真下に出る。
そこで立ち止まると、抑えていた《焔乱舞》の炎を解放して、《焔乱舞》を思い切りドラゴンの腹に突き刺した。
刀身の全てが埋まるまで深く《焔乱舞》を突き刺し、すぐにそこから手を離してまた地面を蹴る。
―――――――ッ
ドラゴンの体が瞬く間に炎に包まれ、その口腔から絶叫がほとばしる。
だが、少し遅かった。
ドラゴンの右腕が大きく振り上がる。
その腕が狙っているのは自分ではない。
腕が狙う先を見ると、薄くなってきた砂埃の中に数人の姿がほんやりと見える。
目を潰すようなこの土埃とドラゴンとの距離のせいで、逃げるに逃げられなかったのだろう。
一番前にいたのは―――
「ルカ!!」
叫んだキリハは、必死に走る。
迫るドラゴンの爪と自分。
果たして、どっちが早いだろうか。
(お願い…。間に合って!!)
キリハの呼び声に、ルカが微かに目を開いた。
声の方向を探ったルカと、ルカ目がけて走るキリハの目が瞬間的に合う。
(間に……合う!)
「とにかく、みんな早く後退して!」
大声を張りながら、キリハは意地でスピードを上げて、めいいっぱいの力でルカを突き飛ばした。
数秒遅れて、背後をドラゴンの腕が右から左へすり抜けていく。
しかし。
「―――っ!?」
背中を、全く予期していなかった方向から衝撃が襲った。
ドラゴンが振りかぶったのは、右腕だけではなかったのだ。
ほとんど間を置かずに上から下に向かって左腕が振り下ろされていて、その爪がキリハの背を捉えたのである。
背中で《焔乱舞》の炎の熱と、それをはるかに上回る別の灼熱が爆発する。
意識とは関係なく膝が砕け、勝手に体が前に傾いだ。
その先には、蒼白な顔で大きく目を見開くルカの姿。
(ああ……馬鹿だ……)
遠のいていく世界の中、ぽつりと思った。
何をやっているのだろう。
ルカにこんな顔をさせるつもりなどなかったのに。
こんなこと、望んでいなかった。
全部、フールの言ったとおりじゃないか。
失ってからでは、何もかもが遅いのに……
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サーシャとミゲルの叫び声が聞こえる。
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