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起章

000:『語り』

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    白を黒に染めるのは簡単だろう。
    黒は全てで、黒は何もない。
    黒は暗くて、黒は眩しい。

 俺は語らなくてはいけないだろう。
恐らく語り継がれる事はないであろうこの物語について。
 生きる者として。
また、消えゆく者として。
 正義として
 悪として
 光として
 闇として

 かつて【八百万】の神々が現れ日本という国を創造したという。
 その神々が現在の日本に再び姿を現す。

 【色】として。

 日本を創造したという神々がすでに存在する日本に現れ今度は何をしようというのか・・・

 【神】それはそこに有り、また何処にも無い。1であり、10である。
 人であり、人ではない
 光であり、闇でもある
 そんな存在
 そんな在り方

 真の平和。いつかたどり着くのか、そんなものは訪れないのか。
 そんな物語について。

 これはもう過ぎた話といえばそうなる。過ぎた話であり、行き過ぎた話である。

 【外れた】話である。

 物語の終焉しゅうえんが正しいのか、または間違っていたのか。
 誰一人として判断出来ない。
 話しの張本人である者ですら。

 普通に過ごし、普通に終わる。
 そんな普通の生活は俺には許されなかったのだ。
 交通事故の様な、自然災害の様な、そんな突然さはあったのだが、そんな偶然の様な出来事だと思っていたのだが、突然なんかではなく、偶然なんかでもない。
 これは、決まっていた事。
 あらかじめ、そう定められていた事なのだろう。
 摂理の様なものなのだろう。
 交通事故ならば、事故を未然に防ぐ様な対策で防げたかもしれない。
 自然災害ならば、予兆を見逃さない事で被害を受けずに済んだかもしれない。

 でも、俺の場合は違ったのだ。

 いくら万全の対策をしようが、予兆を見逃さなかろうが、俺のこの物語は俺だったから起きた物語であって、俺でなくてはいけなかった物語なのだ。
 もしかしたら、この為だけに俺は生まれたのかもしれない。そんな事すら考えてしまう。
 そもそも、こんな感じで終わって良かったのか、もしかしたらば、まだまだ終わってなどいないのかもしれないが。
 俺の終わりまでは俺の物語は終わらないのだから。

 物語を始めるならば、出来る事ならば、主人公最強みたいな、敵を自分の力でバッサバッサ倒していく様な、そんな気持ち良い物語が良かったのだが。

 まぁ、そんな風にいくわけもなく、せめて、こつこつと努力してレベルアップしながら強い敵との戦いに挑む的な事を願ったのだが、それすら俺には叶わないのだ。
 主人公最強とは程遠い、主人公最弱。それであった。

 前説はこれくらいにしよう。前説というよりは後説みたいになってしまった気も否めないが、まぁ、始めようじゃあないか。

 雨の後に虹が出るとは限らない。
 でも、雨が降らなくては虹は出ない。

 それでは語るとしよう、始まりと終わりの物語を。
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