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7.サマースクール
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「では、明日から夏休みです。宿題の外郎売は毎日やること。では解散!」
「お疲れ様でした、ありがとうございました」
クラスの子達も一段と声がはずんでる。ワイワイガヤガヤ。そりゃそうだ。養成所は明日から夏休みだからだ。約一ヶ月の休み。バイトに明け暮れる子、実家に帰る子、花火大会にいく子、青春満喫してんなー。
職員室に帰ると、はいとプリントを渡された。サマースクールスケジュール表と書いてある。
そう、生徒は休みだが講師には休みはない。休みの期間にサマースクールといって、学生を中心に体験レッスンを開催してるのである。直美が話しかけてきた。
「ねえ、サマースクールはどっち?」
「第2土曜日の午後、直美は?」
「第2日曜日の午前」
「ユキはお盆は福岡帰るの?」
「ううん、この間出張で帰ったから東京にいるけど。」
「ホント、じゃあサマースクール終わったらまたご飯いこうよ。」
「行こう行こう」
サマースクール当日。
私は誰もいない教室で一人瞑想していた。
「よし、行くか」
教室には20人ほどの学生(ほとんど高校生)。よし、声優になりたいという第1歩。よくぞ来た。今日はおもいっきり楽しんでね。
高校生が多いので体を名いっぱい使ったゲームなどをやった。最初は緊張で動きが小さめな子も、だんだんと
動きが大きくなっていく。
もちろん、あーあー発声や早口言葉もしっかり。それにしても、笑顔がキラキラしてんなー。
あっという間に時間は過ぎ、最後は質問コーナーの時間になった。毎年、質問というよりはお悩み相談になっている。実はこれが一番頭をつかうのだ。
「はい」
「では、中村くん。」
少年がすくと立ち上がる。
「あのー。親が声優になるというのを反対してるんです。」
はい、来たー。この質問は毎年くる。更に
「親は大学に行ってほしいといってるんです。」
まあ、そうだろうな。
「中村君は大学には行くの?」
「いえ、大学は行きたくなくって。高校卒業したらバイトしながら声優の学校に行くつもりです。」
そっかあ、うん分かった。うんうんとうなづきながらこう答えた。
「私はね、大学に行った方がいいと思う。理由はね・・・、あーあ、こんなことなら大学に行っとけばよかったと言ってる人が本当に多いのよ。大学に行かずに後悔してる人が本当に多い、これが現実なの。」
みんなさっきまでの笑顔が消え、表情が固くなる。
「更にね、後悔してる人は人のせいにしてる人がホントに多いのよ。こんなことになったのは養成所のせいだとかね。」
ここで一呼吸。
「好きなことやっていいよ。でも人のせいにはしちゃ駄目よ。だから、大学には行った方がいいと思う。まあ、みんなの人生だけどね。もう一度よく考えてみて。」
シーン。静まり返る教室。
「他に質問は?」
誰も手を上げない。
「分かった。では、これで今日のサマースクールは終わりです。お疲れ様でした。」
「お疲れさまでした。」
はあー終わった終わった。さっきの話しは本当で、同期の子でも大学行っとけば良かったと言ってる人は多いのだ。えっ?私? 実は私は偉そうなこと言ってるが大学には行ってないのだ。大学に行きたいとは一ミリも思わず親とは大喧嘩の末に、養成所には入ったのだ。
ちなみに、元々勉強は全く出来なかったので大学に行かなかったことについては後悔はない。ただ、養成所のせいばかりにしている人をみるとカッコ悪いなと思う。
少なくとも、今日レッスンに来てくれた子にはそうなってほしくない。
まあ、その人の人生だから行っても行かなくてもいいけど、願わくば来年はうちの養成所に来てくれたらいいな。
「お疲れ様でした、ありがとうございました」
クラスの子達も一段と声がはずんでる。ワイワイガヤガヤ。そりゃそうだ。養成所は明日から夏休みだからだ。約一ヶ月の休み。バイトに明け暮れる子、実家に帰る子、花火大会にいく子、青春満喫してんなー。
職員室に帰ると、はいとプリントを渡された。サマースクールスケジュール表と書いてある。
そう、生徒は休みだが講師には休みはない。休みの期間にサマースクールといって、学生を中心に体験レッスンを開催してるのである。直美が話しかけてきた。
「ねえ、サマースクールはどっち?」
「第2土曜日の午後、直美は?」
「第2日曜日の午前」
「ユキはお盆は福岡帰るの?」
「ううん、この間出張で帰ったから東京にいるけど。」
「ホント、じゃあサマースクール終わったらまたご飯いこうよ。」
「行こう行こう」
サマースクール当日。
私は誰もいない教室で一人瞑想していた。
「よし、行くか」
教室には20人ほどの学生(ほとんど高校生)。よし、声優になりたいという第1歩。よくぞ来た。今日はおもいっきり楽しんでね。
高校生が多いので体を名いっぱい使ったゲームなどをやった。最初は緊張で動きが小さめな子も、だんだんと
動きが大きくなっていく。
もちろん、あーあー発声や早口言葉もしっかり。それにしても、笑顔がキラキラしてんなー。
あっという間に時間は過ぎ、最後は質問コーナーの時間になった。毎年、質問というよりはお悩み相談になっている。実はこれが一番頭をつかうのだ。
「はい」
「では、中村くん。」
少年がすくと立ち上がる。
「あのー。親が声優になるというのを反対してるんです。」
はい、来たー。この質問は毎年くる。更に
「親は大学に行ってほしいといってるんです。」
まあ、そうだろうな。
「中村君は大学には行くの?」
「いえ、大学は行きたくなくって。高校卒業したらバイトしながら声優の学校に行くつもりです。」
そっかあ、うん分かった。うんうんとうなづきながらこう答えた。
「私はね、大学に行った方がいいと思う。理由はね・・・、あーあ、こんなことなら大学に行っとけばよかったと言ってる人が本当に多いのよ。大学に行かずに後悔してる人が本当に多い、これが現実なの。」
みんなさっきまでの笑顔が消え、表情が固くなる。
「更にね、後悔してる人は人のせいにしてる人がホントに多いのよ。こんなことになったのは養成所のせいだとかね。」
ここで一呼吸。
「好きなことやっていいよ。でも人のせいにはしちゃ駄目よ。だから、大学には行った方がいいと思う。まあ、みんなの人生だけどね。もう一度よく考えてみて。」
シーン。静まり返る教室。
「他に質問は?」
誰も手を上げない。
「分かった。では、これで今日のサマースクールは終わりです。お疲れ様でした。」
「お疲れさまでした。」
はあー終わった終わった。さっきの話しは本当で、同期の子でも大学行っとけば良かったと言ってる人は多いのだ。えっ?私? 実は私は偉そうなこと言ってるが大学には行ってないのだ。大学に行きたいとは一ミリも思わず親とは大喧嘩の末に、養成所には入ったのだ。
ちなみに、元々勉強は全く出来なかったので大学に行かなかったことについては後悔はない。ただ、養成所のせいばかりにしている人をみるとカッコ悪いなと思う。
少なくとも、今日レッスンに来てくれた子にはそうなってほしくない。
まあ、その人の人生だから行っても行かなくてもいいけど、願わくば来年はうちの養成所に来てくれたらいいな。
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