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第1話 新しい世界

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第1話
   新しい自分




























 ……………




 なんだ……………



 体が動かない…声も出せない……



 僕はあの本を読んでいて…それから……





 そうだ! あの本が突然光りだして

 それから…それから…

 その後のことは覚えていない。

 どうして僕はこんなことに…


 そう考えているうちに最後の記憶を思い出していた。

 あの本の終わり、最後のページが破られていたが、またその先、『私の宝物を頼む』となぐり書きのように書かれていた。

 あれはどういうことだ…

 



 それから何日か、何週間か、何年かわからないがたった精神はもうひどい状態だった……


 その間に最後記憶の不思議な点について気がついた事がある。



なぜ、僕はあの本を手に取ったのだろう

 僕はいつも、もっと手に取りやすい小さい本を読んでいたはずだ
 
 さらに、あの場所は近くを通るだけでまず手に取ろうなどとは考えない。そして、あの本のの外見は異質だった。まるで時代が違うようだった。本物の皮があしらわれ、紙は古く汚れていた。内容もやけに現実的で狼もスケッチのように体毛や牙など… 
 



 どれもこれもまるで仕向けられてあるみたいだ。

 そう考えると怖くなる。


 これからどうなるのだろうか






 ん?
 感覚を感じたなにか聞こえるが
 それどころではない


 動ける!!


 そう思ったが対して動けなかった。感覚はあるが目を開けられない。音も自分の心臓の音なのか聞こえる。それが新鮮だった。とはいえまだ全く自分の状況がわからない。

 だが、嬉しいことには変わりない




 それからまた長い時間たった頃、動きがあった。やけに騒がしいなと思っていたが、突然光を感じた。息ができる。

 やったぞー!あの地獄から開放されたー!

 思わず声を出してしまった

「ゔギャーうギャーー」

 とても近くから子供の声がする。

 子どもの泣き声!?

 びっくりしたのもつかの間
 田舎の看護師だろうか見慣れない女性に抱えられていた。横で隣の患者だろうかベットにいる女性が泣きながらこっちを見ている。

 どういう状況?

 部屋の外では宴会だろうか大きい声の男が喜んでいる。

 窓を見てハッとした。そこには自分が反射し、自分の姿が映るはずだが自分の姿が赤ちゃんなのだ。

 なぜ!?

 そして、照明があるはずのところに見たこともない結晶が輝いている。

 よく見れば部屋もまるで木をくり抜いたような…

 困惑していると、さっき騒いでた男が入ってきて僕を持ち上げ言った。

「産まれてきてくれてありがとう」
「今日からお前はリンデン、リンデン リシュリューだ。」








 ここでようやく理解した。












 僕は異世界転生したようだ。
























 お読みいただきありがとうございます
 当初は生まれてから記憶があるようにしていく予定があれよあれよゆうまに母の胎内の描写を書いてしまいました💧それと助産師さんも当初では長年のおばちゃんのような感じになる予定でしたがそれを嫌がる描写を書きたくなかったため変更いたしました。母の描写が少ないですが、生まれたあとそこまではっきりわかるのか、母だとわかるのか、父親が大声を出して近づけばそっちに目をやるのではなどと考えに考え抜いた結果、外見だけに捕らわれたとなりました。また、最後の言葉は実際に子供が聞いたわけではなくそう言っていたのだろうという仮想です。

 気に入っていただけましたら「お気に入り」にしていただけると幸いです
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