☆レグルス戦記☆

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復活と裏切り

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レグルスは反射的に声に従った。
飛び出して一気に地面の魔法陣に神剣ダインスレイヴを突き刺した。

ゴゴゴゴッと地面に複数の亀裂が走り、魔力が周囲に溢れ出した。

「これは?」

凄まじい揺れが起こり、立って居られないほどだった。

「レグルス!1度戻れっ!」

ジャンヌの指示に、よろけながらも後ろに下がった。
目の前の神器が黒い光りに消えてゆき、だんだんと人影の様なものが見えてきた。

「あれが邪神なのか?間に合わなかった!?」

他の仲間達も息を呑んで見つめていた。
唯一、ブラドだけ邪神復活に歓喜の声を上げていた。

そして遂に、魔力の奔流が止み魔法陣の中心からソレは現れた。

その人物は背中に翼が4枚あり、綺麗な金色の長い髪を靡かせてエメラルドの瞳でこちらを見つめていた。

「はっ?」

レグルスは現れた人物に間の抜けた声を上げた。

「女神ミネルヴァ様…………?」

邪神の使徒であるブラドが声上げた。

「き、貴様は誰だ!!!邪神様はどうしたと言うのだ!?」

1番動揺していたのはブラドだった。
明らかに、聖なる波動を発している目の前の人物が邪神とは思えなかったからだ。

『私は女神ミネルヴァ…………』

まだ視点が定まっていないのか、どこかぼんやりしている女神ミネルヴァが声を出した。

「オイッ!私の質問に答えろ!邪神様はどうしたのだっ!」

ミネルヴァに近付き焦った声で問い掛けた。

「邪神様なら目の前にいるでしょう?」

ザシュッ!!!

ブラドが後ろから剣で突き刺された。

「ゴフッ…………貴様、なんのつもり………だ」

バタンッ

ブラドはそのまま地面に倒れた。

「そんな…………どういう事だ?」

ブラドを刺した人物にジャンヌ達は目が離せなかった。

「どうしたのかな?敵を殺しただけだよ?」

ブラドを刺したのは、医療師のカーラ・シンシアだった。





確かにカーラの言う通りなのだが、違和感が拭え無かった。

「まぁ、ここまで来たしもう隠さなくていいか。ジャンヌ団長達の考えの通りだよ。私もブラッド・サクリファイスの1人なんだ」

!?

「嘘だろ………?」

いつもミリアと一緒に神炎騎士団の仲間を助けてくれていたカーラが裏切り者など考えたくも無かった。

「ウソです!カーラさんが敵だなんて信じません!」

カーラと同じ医療班で仲の良かったミリアが否定の声を上げるのだった。











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