☆レグルス戦記☆

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
103 / 130

死霊騎士

しおりを挟む
砦の城壁の上にいたのはフルフェイスの兜を被ったスケルトン達だったようだ。

動いているのはわかっても、兜の中までは遠目では見分けがつかないのを敵は逆手に取ったようだった。

ガチャガチャと音を立てて砦からでてくるスケルトンの騎士を、隊列を組んでジャンヌ隊長が前線の軍を出した。

すでに魔術師のメビウス達小隊も後ろに下がっている。

「目的、スケルトンの騎士達を殲滅せよ!全員抜刀!掛かれーーーーーーー!!!!!」

前線の兵士達がスケルトン達に斬り掛かった。
あちこちで剣戟の音が鳴り響く。

すでにこのスケルトンの戦い方は共有されており、第一陣は優勢であった。

そんな時、砦からキーーーーンと言う耳鳴りにも似た音が響いた。

「なんだ?」
「レグルス、私は、全体を見ている。この音が何なのか気を付けろ。敵の攻撃かもしれん!」

戦争において些細な出来事でも戦局が変わってしまう事がある。それで敵の行動であれば警戒せればなるまい。

「なんでしょうね。この音は?」
「亜人の国では人を傀儡にする者がいたのであろう?まさか我が軍を弱体化させる何なのか?」

まさか下準備もなしにこんな大人数を操る術は流石にないと思うが、最悪の場合を考えて行動しなければならないだろう。

レグルスは側にあった見張り台に登ると上から戦場を見渡した。

!?

耳鳴りのような音はすでに止んだが、砦から出てくるスケルトン達の行動が変わっていたのだ。

最初に出てきた数千のスケルトン達は隊列もなく、ただ大人数で攻めてくるだけであった。

だが、今、出てくるスケルトン達は砦前に整列して陣形を組んでいる最中であったのだ。

「ジャンヌ隊長!砦前のスケルトン達が陣形を作っています!」

!?

「なに!?」

戦場の後方をみて驚きの顔をした。

「先程の音はスケルトンに指示を与えるものだったか。全軍に通達!後方より攻めてくるスケルトン達に注意せよ!」

素早く伝令が走り、各隊長達に指示が飛んだ。

スケルトン達は綺麗な長方形の列になると進み出した。

最初に飛び出してきたスケルトン達を半数以上倒した頃、後方から新手がやってきた。
機械のように同じ速度で同じ隊列でやってきた新手のスケルトン達は前線のスケルトンを無視して薙ぎ払いながら神炎騎士団に襲い掛かってきた。

「最初のスケルトンは捨て駒と言うことか!」

前線の部隊がぶつかった。二人一組で注意を引きつつ、もう1人が攻撃をするスタイルが破られた瞬間でもあった。

スケルトン達も隊列を組みつつ進軍し、隣のスケルトンを守るような行動を取ったのだ。
これにより、倒せない事はないが倒すのに時間が掛かるようになり、被害も増えていった。






しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

私はあなたたちがお求めの聖女ではないので

黒木メイ
恋愛
今までガルディーニ王国で偽の聖女だとして酷い扱われ方をしてきたマリー・フィッツェ。自分でも自分のことを偽の聖女だとずっと思い込んでいた。周りからそう言われ続けてきたから。けれど、この世界の唯一神であるニュクス様の力によって前世の記憶を取り戻した時、その洗脳は解けた。そして、真実を知る。真実を知ったマリーの決断とは……。 ※設定はふわふわ。 ※予告なく修正、加筆する場合があります。 ※小説家になろう様からの転載。他サイトにも随時転載中。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

夜会の夜の赤い夢

豆狸
恋愛
……どうして? どうしてフリオ様はそこまで私を疎んでいるの? バスキス伯爵家の財産以外、私にはなにひとつ価値がないというの? 涙を堪えて立ち去ろうとした私の体は、だれかにぶつかって止まった。そこには、燃える炎のような赤い髪の──

処理中です...