☆レグルス戦記☆

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
101 / 130

号令

しおりを挟む
久しぶりに戻ってきた中央都市ナニワは活気を取り戻していた。

「治安維持に力を入れて、あっちこっちに商人の護衛に行ったからなぁ~」

前は大商人達が牛耳っており、表向きは平和で活気のある都市だったが、金儲けの為に間者を各地に放って戦争の火種を作り、武器や食料、傭兵の派遣などで莫大な財産を築いていた。

神炎騎士団がここを落としてから大陸の争い事は目に見えて減った。
だが、まだまだ盗賊や魔物の脅威が無くなった訳ではない。神炎騎士団は各地に新たに雇った傭兵達を使い、治安維持に力を入れて行動してきたのだ。

故に、少し前よりも商人達は安全に各地へ行商出来るようになったのだ。取引が活発になり、各地の物流も豊富になるのも無理はない。

援軍にきた亜人達も大陸の中央の大都市を観光しているようだった。
まぁ、僕も初めてきた時はおのぼりさんだったしね。

こうして平和な数日間が過ぎ、ついに号令が掛かった。

「みな、よく集まってくれた。これより【絶壁の砦】を攻略し、インペリアル大国を攻め落とす!特にインペリアル大国にはスケルトンを大規模に操る術を持っていると先日、南の亜人達の国で判明した。しかし、魔物として考えて戦えば数が多くても対処ができるとわかっている。油断はできないが、勝てない相手ではない!頼りになる亜人達の援軍もいる。各自奮闘して欲しい!」

「「はっ!!!」」

ビシッと敬礼をとり、レグルス達は前線基地へと出発した。

意外と思っていたより前線基地はしっかりした作りとなっており、見張り台や、簡単な小屋など作られていた。

「思っていたよりしっかりした作りになっていますね」
「当然だ。お前達がいない数ヶ月掛けて作ったんだからな」

確かに数万の兵士を常駐できる広さもある。ここを足掛かりに今まで一度も破られたことのない【絶壁の砦】を攻略するのか。

「今日はゆっくり休め!明日の早朝に総攻撃を開始する!」

ジャンヌ団長の掛け声で周囲の空気が張り付いた。各兵士は解散し、自分の武器の手入れをしたり食事をしたりと時間を使った。

そしてレグルス達幹部達は最後の作戦会議の為に残った。

「明日は敵が出て来なければ城門を魔法で攻撃し、壊せなければレグルスの神剣で斬って突入する事になる」

メビウスがこの作戦に珍しく意見を述べた。

「この作戦、正直無理があると思うがね。ジャンヌ団長も知っていよう。砦には魔術を防ぐ術が施されているのだが?」

ジャンヌは腕を組み換えながら答えた。

「ああ、無論知っている。だが、エルミアも魔術師だ。二人の魔法攻撃を城門に撃ち込めば、必ず多少は壊れるだろう。その綻びをレグルスの神剣で抉じ開けるのだ」

「なるほど。それなら可能だ」

エルミアも魔術師だったのか。
まぁ、魔術師は狙われやすいって聞くから普通は言わないわな。

それから大まかな兵士の運用について話し合い明日に備える事になった。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

私はあなたたちがお求めの聖女ではないので

黒木メイ
恋愛
今までガルディーニ王国で偽の聖女だとして酷い扱われ方をしてきたマリー・フィッツェ。自分でも自分のことを偽の聖女だとずっと思い込んでいた。周りからそう言われ続けてきたから。けれど、この世界の唯一神であるニュクス様の力によって前世の記憶を取り戻した時、その洗脳は解けた。そして、真実を知る。真実を知ったマリーの決断とは……。 ※設定はふわふわ。 ※予告なく修正、加筆する場合があります。 ※小説家になろう様からの転載。他サイトにも随時転載中。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

夜会の夜の赤い夢

豆狸
恋愛
……どうして? どうしてフリオ様はそこまで私を疎んでいるの? バスキス伯爵家の財産以外、私にはなにひとつ価値がないというの? 涙を堪えて立ち去ろうとした私の体は、だれかにぶつかって止まった。そこには、燃える炎のような赤い髪の──

処理中です...