☆レグルス戦記☆

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情報交換

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レグルスの質問にフェンリーが答えた。

「うむ、多少は情報収集をしているようだな。理由まではわからないが、女性ばかり狙われている」

「あのっ!獣人族の鼻でも追えないって言うのはどういう事なんですか?」

ミリアの質問に、フェンリーは壁を見るように促した。
壁には街の大きな地図が貼ってあり、多くの赤丸が付いていた。

「この赤丸が行方不明者の最後に確認できた場所だ。この黄色い丸は行方不明者の住んでいた場所で、数字は行方不明になった順番を印してある。誘拐の最初の頃は多少の前後はあるがな」

なるほど。
分かり易いな。

地図を見ると街中で、まんべんなく印が付けられていた。

「これは難しいですね。地域的に集中している訳でもないですし、特に順番も決まってなさそうだ」

「そうなのだ。我々の嗅覚を掻い潜って仲間を拐うなど普通はありえない。我々が感知できない【魔法】か【スキル】でも使わないとな」


なるほど。
それで魔力の高いエルフと言う種族を考えている訳だ。

「メビウス、そんな魔法ってあるのか?」

レグルスは魔術師のメビウスに尋ねたが、フェンリーは驚いた顔をして見た。

「どうかしたか?」
「い、いや。貴重な魔術師をこんな少数で連れて歩いているので驚いてな」

確かに、この世界では魔術師は少なく、1つの国に数名しかいないと聞いた。

「そういえばそうだね。神炎騎士団がおかしいんだよ。魔術師は戦争の切札になるから、普通は連れて歩かないよ」

「えっ、だってジャンヌ団長は──」

メビウスはうんうんと頷きながら言った。

「本当に我が団長様は人使いが荒くて困る。本来ならお城で優雅な暮らしをしながら、必要な時に手を貸すのが普通の国のやり方なのだがね。まぁ、団長様の事を気に入っているから気にしてはいないけど」

そういえば、魔術師には高い地位が与えられるって最初に聞いたな。

「戦力を削るには魔術師を狙えばいいって事だね。レグルス殿、私を守ってくれたまえよ」

なんかその言い方だとやる気が削がれるのだけどな………

「フフフッ、信頼されているのだな」
「そんなことはないと思うけどね。おっと、話が脱線してしまった。すまない。メビウスどうなんだ?」

メビウスは顎に手を置き、考えながら言った。

「スキルはわからないのだが、少なくとも魔法では姿を隠す呪文はあるのだよ。だが──」

含みを持つ言い方で言葉を区切った。







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