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エルフと会談☆
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それからレグルス達は5人で一組のグループを作って、毎日街へ繰り出した。
この街の構造を知る為と、街の人々に顔を覚えてもらうのが目的だった。
「失礼します。聖王の遣いで来ました。エルフの責任者の方にお目通りお願い致します」
レグルス達は3日経ちエルフの屋敷を再度訪問していた。
「お待ちしておりました。どうぞ」
門番から中へ案内されると応接室へ通された。
中に入ると青紫色の髪のエルフが待っていた。
「初めまして。私はこの地域のエルフを取り仕切っているハイエルフの【エルミア】だ。女神が遣わした勇者殿」
コソッ
「レグルス君、ハイエルフは純血種とも呼ばれている数少ないエルフの一族です。場合によってはエルフの王族と言っても良いかも知れませんよ」
ミリアの助言にゴクリッと喉を鳴らすと、レグルスも丁寧に挨拶をした。
「ご丁寧にありがとうございます。しかし、僕が勇者とはどこでお聞きに?」
すでに探り合いは始まっているのだ。言葉の隅々にまで神経を尖らせて集中して聞いている。
「フッ、この世界で女神ミネルヴァ様を信仰しているのは人族だけではないと言うことだ。女神様の神託は我々にも降ってことよ」
「それは…………エルフ族には何と言う神託が降りたのですか?」
エルミアはレグルスを真っ直ぐ見つめて言った。
「この街でエルフが拐われる事件が起きる。その黒幕は獣人族である。勇者と共に事件を解決し、解決した後は勇者に協力せよと」
!?
女神様が協力してくれているのか!?
「すでに我々も調査をしている。誘拐犯は人族を使い、希少種である亜人達を拐っている事まで掴めた。だが、まだ黒幕までたどり着いていない。勇者殿!この事件が解決したら我々エルフは貴方に協力すると誓う。だから力を貸して欲しい」
レグルスはミリアや仲間を見渡して頷いた。
「わかりました。ぜひ、事件解決に尽力すると約束します」
「感謝する。実は私の知人も先日、拐われてしまい犯人を追って郊外に出ていたの」
「それで、見つかったのですか?」
エルミアは俯いて言った。
「ええ、無事に保護はできた。しかし、留守にしている間に、5名ものエルフが拐われた」
「まさか、陽動だったと?」
「恐らくね。最近では複数人で出掛ける様に指示を出していたが、兵士であるエルフが逆に狙われた」
エルミアの言葉にレグルス達も動揺の顔をしてしまった。
兵士を狙うとは、余程腕の立つ実行犯と言うことだな。レグルスはもっと詳しい話をエルミアから聞くことにするのだった。
この街の構造を知る為と、街の人々に顔を覚えてもらうのが目的だった。
「失礼します。聖王の遣いで来ました。エルフの責任者の方にお目通りお願い致します」
レグルス達は3日経ちエルフの屋敷を再度訪問していた。
「お待ちしておりました。どうぞ」
門番から中へ案内されると応接室へ通された。
中に入ると青紫色の髪のエルフが待っていた。
「初めまして。私はこの地域のエルフを取り仕切っているハイエルフの【エルミア】だ。女神が遣わした勇者殿」
コソッ
「レグルス君、ハイエルフは純血種とも呼ばれている数少ないエルフの一族です。場合によってはエルフの王族と言っても良いかも知れませんよ」
ミリアの助言にゴクリッと喉を鳴らすと、レグルスも丁寧に挨拶をした。
「ご丁寧にありがとうございます。しかし、僕が勇者とはどこでお聞きに?」
すでに探り合いは始まっているのだ。言葉の隅々にまで神経を尖らせて集中して聞いている。
「フッ、この世界で女神ミネルヴァ様を信仰しているのは人族だけではないと言うことだ。女神様の神託は我々にも降ってことよ」
「それは…………エルフ族には何と言う神託が降りたのですか?」
エルミアはレグルスを真っ直ぐ見つめて言った。
「この街でエルフが拐われる事件が起きる。その黒幕は獣人族である。勇者と共に事件を解決し、解決した後は勇者に協力せよと」
!?
女神様が協力してくれているのか!?
「すでに我々も調査をしている。誘拐犯は人族を使い、希少種である亜人達を拐っている事まで掴めた。だが、まだ黒幕までたどり着いていない。勇者殿!この事件が解決したら我々エルフは貴方に協力すると誓う。だから力を貸して欲しい」
レグルスはミリアや仲間を見渡して頷いた。
「わかりました。ぜひ、事件解決に尽力すると約束します」
「感謝する。実は私の知人も先日、拐われてしまい犯人を追って郊外に出ていたの」
「それで、見つかったのですか?」
エルミアは俯いて言った。
「ええ、無事に保護はできた。しかし、留守にしている間に、5名ものエルフが拐われた」
「まさか、陽動だったと?」
「恐らくね。最近では複数人で出掛ける様に指示を出していたが、兵士であるエルフが逆に狙われた」
エルミアの言葉にレグルス達も動揺の顔をしてしまった。
兵士を狙うとは、余程腕の立つ実行犯と言うことだな。レグルスはもっと詳しい話をエルミアから聞くことにするのだった。
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