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リタの説明は続いた。
「インペリアルの王妃は、スペクトル公爵の令嬢であり、インペリアル国では1、2を争う権力を持っています。しかし、側室達も、侯爵家、伯爵家と影響力のある家柄です。今回、側室達が手を組み、正妃に反抗した事で戦力と権力が拮抗したのです」
ここでレグルスが手を上げた。
「側室達が手を結んでも、どちらかの王子が王位を着く時に争いが起きるのでは?」
「そうだね。でも取り敢えず最大の障害である正妃を倒す事で一致したんだろうね。それぞれの側室達の権力や戦力など拮抗しているので、正妃を倒した後に何かしらの話を付けていると思われます」
ジャンヌは頷いて言った。
「正直、帝国に攻め込む口実としては、内乱を静める為に軍を派遣すると言うのはできる。しかし、戦力が足りない」
「ナニワに集まった傭兵団と神炎騎士団で5万は動員できますが、足りないのですか?」
ジャンヌは地図を広げて説明した。
「内乱で戦力が分散している今なら10万の大軍でも突破できる。しかし問題はその手前にある。【絶壁の砦】と呼ばれる場所だ」
東のインペリアル国に行くには大きな砦を突破しなければならなかった。左右には大きな断崖絶壁の山脈があり、とても大軍では越える事ができない。
故に、この絶壁の砦を攻略しなければならないのだ。
「ここは天然の要所に砦を建設しており、砦の扉にも対魔法防御結界が施されている。正直、レグルスの神剣でも切れるかどうかだな」
「それに、道幅も狭く大軍で攻めれないので、数が多くても意味がないのだよ」
困ったわのポーズでメビウスが言った。
「この内乱はすぐに終結しないだろう。そこで、南に目を向けた」
「南ですか?」
地図に目を落とした。
「南は亜人が多く住んでいる多民族国家が多い。亜人は肉体的や魔術的に特化した種族がいる。そこで援軍を求めて見ようと思う」
!?
ジャンヌの言葉に驚きの声が上がった。
「我々に協力してくれますか?南の戦乱はどうするんですか」
「なんだ?聞いていないのか?ナニワからの傭兵団が引いた事により、対立部族達の戦乱はこの1年で落ち着いてきたようだ」
「それは良かったですね。あっ、なるほど。それでこちらに協力して貰える可能性があるのですね」
「そうだ。正直、絶壁の砦を攻略するに当たって、弓矢の得意なエルフなど仲間にしたい。私はここから動けないので、レグルスを代表にして使節団と言う対面で向かって欲しい。失敗しても責めぬので、お前のやり方で頼んできて欲しいのだが、頼めるか?」
レグルスは敬礼を取って承った。
「はい!了解しました!」
こうしてレグルスは亜人の多く住む国へ向かう事になったのだった。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
誰も居なくなった会議室でジャンヌは1人、呟いた。
「ここまで順調だ。いや、順調過ぎる…………これは偶然なのか?」
ナニワの攻略にはもっと時間と被害が出ると思っていた。
蓋を開けば、大きな傭兵団は目の前の戦闘が激しくなり、動けずナニワの応援に来れなかった。
東の大国も、都合よく内乱が起こり、兵を起こせなかった。
これは偶然なのだろうか?
何か大きな力が働いているように感じるジャンヌだったが、今はまだ、この状況を利用するまでだと決意を胸に秘めるのだった。
「インペリアルの王妃は、スペクトル公爵の令嬢であり、インペリアル国では1、2を争う権力を持っています。しかし、側室達も、侯爵家、伯爵家と影響力のある家柄です。今回、側室達が手を組み、正妃に反抗した事で戦力と権力が拮抗したのです」
ここでレグルスが手を上げた。
「側室達が手を結んでも、どちらかの王子が王位を着く時に争いが起きるのでは?」
「そうだね。でも取り敢えず最大の障害である正妃を倒す事で一致したんだろうね。それぞれの側室達の権力や戦力など拮抗しているので、正妃を倒した後に何かしらの話を付けていると思われます」
ジャンヌは頷いて言った。
「正直、帝国に攻め込む口実としては、内乱を静める為に軍を派遣すると言うのはできる。しかし、戦力が足りない」
「ナニワに集まった傭兵団と神炎騎士団で5万は動員できますが、足りないのですか?」
ジャンヌは地図を広げて説明した。
「内乱で戦力が分散している今なら10万の大軍でも突破できる。しかし問題はその手前にある。【絶壁の砦】と呼ばれる場所だ」
東のインペリアル国に行くには大きな砦を突破しなければならなかった。左右には大きな断崖絶壁の山脈があり、とても大軍では越える事ができない。
故に、この絶壁の砦を攻略しなければならないのだ。
「ここは天然の要所に砦を建設しており、砦の扉にも対魔法防御結界が施されている。正直、レグルスの神剣でも切れるかどうかだな」
「それに、道幅も狭く大軍で攻めれないので、数が多くても意味がないのだよ」
困ったわのポーズでメビウスが言った。
「この内乱はすぐに終結しないだろう。そこで、南に目を向けた」
「南ですか?」
地図に目を落とした。
「南は亜人が多く住んでいる多民族国家が多い。亜人は肉体的や魔術的に特化した種族がいる。そこで援軍を求めて見ようと思う」
!?
ジャンヌの言葉に驚きの声が上がった。
「我々に協力してくれますか?南の戦乱はどうするんですか」
「なんだ?聞いていないのか?ナニワからの傭兵団が引いた事により、対立部族達の戦乱はこの1年で落ち着いてきたようだ」
「それは良かったですね。あっ、なるほど。それでこちらに協力して貰える可能性があるのですね」
「そうだ。正直、絶壁の砦を攻略するに当たって、弓矢の得意なエルフなど仲間にしたい。私はここから動けないので、レグルスを代表にして使節団と言う対面で向かって欲しい。失敗しても責めぬので、お前のやり方で頼んできて欲しいのだが、頼めるか?」
レグルスは敬礼を取って承った。
「はい!了解しました!」
こうしてレグルスは亜人の多く住む国へ向かう事になったのだった。
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誰も居なくなった会議室でジャンヌは1人、呟いた。
「ここまで順調だ。いや、順調過ぎる…………これは偶然なのか?」
ナニワの攻略にはもっと時間と被害が出ると思っていた。
蓋を開けば、大きな傭兵団は目の前の戦闘が激しくなり、動けずナニワの応援に来れなかった。
東の大国も、都合よく内乱が起こり、兵を起こせなかった。
これは偶然なのだろうか?
何か大きな力が働いているように感じるジャンヌだったが、今はまだ、この状況を利用するまでだと決意を胸に秘めるのだった。
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