68 / 130
商人達の終焉
しおりを挟む
道中、ナニワの中では襲撃は無かった。
殆どの商店街は閉まっており、家の中から神炎騎士団の進軍を見守るだけであった。
「つまらんな。我々を罵倒する者すら出てこないか」
ジャンヌ団長の呟きにレグルスは答えた。
「普通ではないですか。下手に逆らって殺されたりするのは恐いでしょうしね」
「普通に侵略された村や街なら、石を投げたり、武器を持って向かって来たりするものだ。それすら無いと言う事は、誰もこの街に愛着がないと言うこと。自分達の生活がそのままなら、トップが代わっても問題ないと考えているんだろう」
「なるほど。言い替えれば、良い条件を提示すれば簡単に裏切ると言う事ですね。まさに商人の街って訳だ」
「ふっ、レグルスも皮肉が言えるようになったではないか」
無駄口を話ながらも、警戒を解かずに進軍し、商人議会堂に到着した。
門にはすでにリード達の傭兵団が抑えていた。
「お待ちしておりました。すでに団長達が、主要な商人達を議会堂に閉じ込めております」
戦闘が始まる前に、ジャンヌの指示は議会堂にいる商人達を捕まえる事だった。
戦況が悪くなれば、流石の商人達も、荷物を置いて逃げ出すとわかっていたからだ。
ジャンヌ達は堂々と中に入っていった。
バンッ!!!
大きな扉が開かれると、中にいた商人達の視線がジャンヌに集中した。
「うむ、揃っているな?1番居て欲しかった人物もいるようだし、傭兵達は素晴らしい仕事をシテくれた」
ジャンヌは議長であり、町長でもあるカーネルを見据えていった。
「…………見事だ。ワシより一手先を読むとはな」
他の商人達と違い、状況をしっかりとハアクしているカーネルが言った。
「貴様には色々と聞きたい事がある。素直に答えてくれるか?」
「ふん、我々が大陸中で火種をばら撒いていた事か?それを知って、公開してどうなる?我々は傭兵団に仕事を与えていたに過ぎない」
「それがこの大陸で戦争が無くならない大きな理由の1つだ。私はこの大陸から戦争を無くす為に行動している」
カーネルは突然笑い出した。
「わっはははははっ!!!!大陸から、世界から戦争が無くなる事はない!そんな事もわからん小娘だったとは笑わせる!」
「いや、十分に知っているさ。この大陸を統一し、一時的でも戦争を無くす!また戦乱の世が訪れようとも、それは過去に大陸を統一し、戦乱の世を終わらせた者がいると言う道しるべになる。私は後の世の布石になれば良いのだ」
ジャンヌの言葉にカーネルは無言になった。
「…………その戦争を無くす為に、何万もの敵兵の命を奪う事になってもか?」
「その覚悟はとうに出来ている!」
「黙れ!貴様こそが、この大陸の秩序を乱す悪魔だと知れっ!」
これまで冷静だったカーネルが吠えた。
殆どの商店街は閉まっており、家の中から神炎騎士団の進軍を見守るだけであった。
「つまらんな。我々を罵倒する者すら出てこないか」
ジャンヌ団長の呟きにレグルスは答えた。
「普通ではないですか。下手に逆らって殺されたりするのは恐いでしょうしね」
「普通に侵略された村や街なら、石を投げたり、武器を持って向かって来たりするものだ。それすら無いと言う事は、誰もこの街に愛着がないと言うこと。自分達の生活がそのままなら、トップが代わっても問題ないと考えているんだろう」
「なるほど。言い替えれば、良い条件を提示すれば簡単に裏切ると言う事ですね。まさに商人の街って訳だ」
「ふっ、レグルスも皮肉が言えるようになったではないか」
無駄口を話ながらも、警戒を解かずに進軍し、商人議会堂に到着した。
門にはすでにリード達の傭兵団が抑えていた。
「お待ちしておりました。すでに団長達が、主要な商人達を議会堂に閉じ込めております」
戦闘が始まる前に、ジャンヌの指示は議会堂にいる商人達を捕まえる事だった。
戦況が悪くなれば、流石の商人達も、荷物を置いて逃げ出すとわかっていたからだ。
ジャンヌ達は堂々と中に入っていった。
バンッ!!!
大きな扉が開かれると、中にいた商人達の視線がジャンヌに集中した。
「うむ、揃っているな?1番居て欲しかった人物もいるようだし、傭兵達は素晴らしい仕事をシテくれた」
ジャンヌは議長であり、町長でもあるカーネルを見据えていった。
「…………見事だ。ワシより一手先を読むとはな」
他の商人達と違い、状況をしっかりとハアクしているカーネルが言った。
「貴様には色々と聞きたい事がある。素直に答えてくれるか?」
「ふん、我々が大陸中で火種をばら撒いていた事か?それを知って、公開してどうなる?我々は傭兵団に仕事を与えていたに過ぎない」
「それがこの大陸で戦争が無くならない大きな理由の1つだ。私はこの大陸から戦争を無くす為に行動している」
カーネルは突然笑い出した。
「わっはははははっ!!!!大陸から、世界から戦争が無くなる事はない!そんな事もわからん小娘だったとは笑わせる!」
「いや、十分に知っているさ。この大陸を統一し、一時的でも戦争を無くす!また戦乱の世が訪れようとも、それは過去に大陸を統一し、戦乱の世を終わらせた者がいると言う道しるべになる。私は後の世の布石になれば良いのだ」
ジャンヌの言葉にカーネルは無言になった。
「…………その戦争を無くす為に、何万もの敵兵の命を奪う事になってもか?」
「その覚悟はとうに出来ている!」
「黙れ!貴様こそが、この大陸の秩序を乱す悪魔だと知れっ!」
これまで冷静だったカーネルが吠えた。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

私はあなたたちがお求めの聖女ではないので
黒木メイ
恋愛
今までガルディーニ王国で偽の聖女だとして酷い扱われ方をしてきたマリー・フィッツェ。自分でも自分のことを偽の聖女だとずっと思い込んでいた。周りからそう言われ続けてきたから。けれど、この世界の唯一神であるニュクス様の力によって前世の記憶を取り戻した時、その洗脳は解けた。そして、真実を知る。真実を知ったマリーの決断とは……。
※設定はふわふわ。
※予告なく修正、加筆する場合があります。
※小説家になろう様からの転載。他サイトにも随時転載中。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる