☆レグルス戦記☆

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
67 / 130

予定通り

しおりを挟む
戦いの火蓋が落とされた。

最初こそはお互いの剣が交差し、激しい剣戟の音が鳴り響いた。

しかし、手練のジャンヌ団長を筆頭に、レグルスやバルド、そして、前回の戦闘から参加したサイファーなどが先陣を切って敵の傭兵団を圧倒した事ですぐに戦況が変わった。

傭兵とは、国の騎士と違い、国などに命を掛けたりしない。
無論、忠義に厚い傭兵団もいるだろう。
しかし、ナニワに集まった小規模な傭兵団は、金の為に集まった者達だった。

故に、敵が強大で強いとわかれば自分の命を優先するのは初めからわかっていた。

うわぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!


「つ、強い!?」
「に、逃げろっ!!!」

一度、敗走者が出てしまえば止める術はない。
ナニワの商人達は予想もしていなかった展開で、あっさりと勝敗が着いたのだった。

「逃げていく傭兵達は追わなくていい!金で雇われただけの奴らだ。それより、このままナニワへ進軍する!」

オオオォォォォォォ!!!!!!!!

逃げ出す傭兵団を余所に、後方の傭兵団は陣形を崩さす、そのまま静観していた。

「お前達はどうする?」

ジャンヌの問い掛けにリーガル傭兵団の副官が答えた。

「我々に戦意はありません。すでに団長が『貴方』の密偵から貰った密書の指示で動いております」

「ほぅ?うまく動いてくれたか。感謝する」

「団長~~~それは私に言って下さいよ~~~!」

後ろからリタがブーイングした。
そう、リードとブレークの前に現れたのは、黒いローブで姿を隠したリタだったのだ。

リタには斥候や密偵の他に暗殺者としての腕もあるのだが、そのスキルはまだ団長以外には秘密である。

「お前には何度も言っただろうが」

ジャンヌは苦笑いをしながら、どこか面白そうに言った。

「まぁまぁ、今回はリタのおかげで余計な犠牲者が出なくて良かったじゃないですか」

「そうだな。貴殿の傭兵団は逃げ出した傭兵団の監視と戻ってきた時の迎撃に当たって欲しい。頼めるか?」

「わかりました。御指示に従います。それと、ナニワに入られるなら、暗殺者には気を付けて下さい。大人数で入るより、50名ぐらいの人数で分散して入った方が安全です」

「ああ、わかった。助言感謝する」

副官の助言に従い、その通りにナニワへ入った。

「私などの言葉にも耳を貸して実行してくれるのか…………これは、神炎騎士団に付いて正解だったですね」

副官は神炎騎士団を見送りながら呟いた。
神炎騎士団一部の兵を念のために外に置いて、部隊を分けて突入した。

「我々の目指すのは商人議会堂だ!向こうから攻撃を仕掛けてくるまではこちらから手を出すな!今後の統治に響くからな!」

ジャンヌ達は真っ直ぐ商人議会堂を目指した。







しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

私はあなたたちがお求めの聖女ではないので

黒木メイ
恋愛
今までガルディーニ王国で偽の聖女だとして酷い扱われ方をしてきたマリー・フィッツェ。自分でも自分のことを偽の聖女だとずっと思い込んでいた。周りからそう言われ続けてきたから。けれど、この世界の唯一神であるニュクス様の力によって前世の記憶を取り戻した時、その洗脳は解けた。そして、真実を知る。真実を知ったマリーの決断とは……。 ※設定はふわふわ。 ※予告なく修正、加筆する場合があります。 ※小説家になろう様からの転載。他サイトにも随時転載中。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

夜会の夜の赤い夢

豆狸
恋愛
……どうして? どうしてフリオ様はそこまで私を疎んでいるの? バスキス伯爵家の財産以外、私にはなにひとつ価値がないというの? 涙を堪えて立ち去ろうとした私の体は、だれかにぶつかって止まった。そこには、燃える炎のような赤い髪の──

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...