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蹂躙☆
しおりを挟む砦の城門が慌ただしくなり、他の所でも城門が気になり、攻める手が止まった。
「オイッ!どうなっているんだ!何が起きているんだ!?」
城門付近にいたグールやリードは伝令を飛ばした。
「主力のジャンヌ団長以外にも、腕の立つヤツがいるのか?」
まだ城門の中で石像が動いているのが見えていないので、状況確認を優先させた。
「大変です!」
伝令が飛び込んできた。
「おうっ!城門の中で何が起きていた?」
慌てた口調で伝令は報告した。
「も、申し上げます!砦の城門の内にて、石の巨人が起き上がり我々の重装歩兵を踏み潰しております!」
その報告を聞いた団長達は、はぁ?と言う顔になった。
「ただ事ではないようだな。すぐに兵を引かせろ!兵が引き次第、精鋭部隊で突入する!」
実に早い決断だった。
グール達が急ぎ突入の準備をしていたとき、また伝令が飛び込んできた。
「た、大変です!外に飛び出した敵の騎馬隊が止まりません!すでに後方部隊が崩され、混乱しております!」
!?
「バカな!たった500の騎馬をどうして止められない!?迎撃部隊はどうした!」
万単位の部隊が包囲している状態で、僅か500の騎兵など通常であれば敵ではないはずだ。
「2千の部隊を向かわせたのですが、止める事が出来ず、無防備な城塞攻略部隊が背後を襲われました!」
「何をやっているんだ!それで、ヤツらはこちらに戻ってくるのか?」
「いえ!騎馬隊は東の部隊を徹底的に削るみたいで、縦横無尽に駆け回っています!」
グールに限らず、リードさえ悪態を付いた。
そもそも、今の場所からジャンヌ達は見えないのだ。
砦
□←ジャンヌ
↑
敵
ジャンヌ達は城門を出て正面の敵の司令部を狙った。しかし、トップ居なく、空振りに終わったので東に向かった。
そこが1番敵が多かったからだ。
そして、迎撃部隊を粉砕し、城壁に注意の向いている部隊を背後から襲ったのだった。
「クソッ!どうすればいい?」
揃った団長の1人であるリードが言った。
「グール、済まないが騎馬隊の方をお願いできるか?今、被害に合っているのは俺達の部隊だ。救い出してから、この借りを返したい」
リードにそう言われては断れず、頷くグールだった。
「俺も一緒に行こう。石の巨人とは…………面白い!」
ブレークはバトルジャンキーなのだ。未知の敵に心が踊っていた。
「敵の隠し玉を倒して、そのまま砦を制圧する!グールは敵の主力部隊を戻って来れないよう足留めを頼む。いや、そのまま倒してくれ!」
「ふん、俺も奴らには借りがある!ぶっ殺してやるよっ!」
部隊を分けた各団長達は再突撃を敢行するのだった。
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