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行動開始!
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ジャンヌの言葉に一部の仲間は驚いた。
向かってくる敵兵力を退け、ナニワから賠償金と優先的な契約を結ぶ程度だと思っていたからだ。
「ジャンヌ団長!それは危険です!もし、大陸中の傭兵団が集まったら5万は超えますよっ!?それに、東の大国も黙っていないでしょう!どうするおつもりですか!?」
酷い剣幕でドンッとテーブルに手を置きながらジャンヌに詰め寄る副団長のクレアは言った。
「無論、理解した上での立案だ。大陸から争いを無くす為に、ナニワは必ず占拠しなければならない」
ジャンヌはテーブルに地図を広げた。
「商人の都市ナニワは昔からではあったが、最近になって露骨に武具の販売に力を注いでいる。レグルス、この意味がわかるか?」
レグルスは少し考えてから話した。
「何処かで大きな戦が起こるとか?」
「少し違うな。確かに各地の動向は調べているだろうがな。現在、大陸各地で起こっている戦争は裏でナニワが引き起こしているのだ」
!?
「なんだって!?」
ジャンヌの言葉に一同が驚いた。
ジャンヌは聖王の執務室に隠してあった重要書類を出した。
「これは聖王の日記の様なものだ。無論、それだけではないがな。ここにはナニワが、盗賊に武器を流して敵対する各国々の商人を襲っていると書いてある。それだけではない。地域的な小競り合いを誘導し、戦争が起こるように裏で手を廻しているとも書いてある」
「ば、バカな!そんな事をしてなんの得が…………あっ!?」
そういう事か!
「戦争が起これば武器が売れる!それに伴う、食料や薬など商人に取って、大儲けできるって訳だ!普段は敵対商人を潰しておけば、ライバルも少なくなる!?」
執務室が一瞬、静寂が支配した。
「ほ、本当なのですか?本当にそんな事をナニワが行っていると?聖王の妄言では…………」
にわかに信じられない話に、クレアは言葉に詰まった。
「私も前々からすこし疑問に思っていたんだ。前に国境近くの盗賊討伐のさいに、盗賊に似合わない良い装備をしていたのをな。それに押収した盗賊のアジトから指令書のような物を押収した。狙う商人のリストだった。しかし、いつの間にか聖王に没収され、調査出来なくなっていた。ここには、ナニワと聖王で交わした密約の書類も挟まっていた」
羊の皮で作られた立派な用紙に、聖王の名前と誰かの名前が書かれていた。
「これは…………間違いなくナニワとの密約の契約書ですね。まぁ、聖王は腐っていましたが、これには、西側の商人はなるべく襲わないこと。この事実を秘匿する代わりに、個人的な取引は割増でする事とありますね。せめて、国の交易の口添えなどにして、国を潤す契約なら救いがあったのに」
自分の利益しか考えてないのかよ!あのクソジジめ!
「聖王がナニワの弱味を握ったが、やり過ぎると命を狙われるので、武具製造に必要な鉱石を割引価格で融通するとも書いてあった。そのしわ寄せは蛮族………バルド族に行っていた訳だがな」
ここまで聞いて部屋にいたメンバーの意思は固まった。
「幸い、資金に余裕ができた。西側の周辺国の援助もある!急ぎ、大陸中央側の国境に騎士団を派遣する!各自、出発の準備をしてくれ。すでに軍の遠征準備をしてある。明日の朝、出発するぞ!」
「「「了解しました!!!」」」
レグルス達は急ぎ準備に取り掛かった。
向かってくる敵兵力を退け、ナニワから賠償金と優先的な契約を結ぶ程度だと思っていたからだ。
「ジャンヌ団長!それは危険です!もし、大陸中の傭兵団が集まったら5万は超えますよっ!?それに、東の大国も黙っていないでしょう!どうするおつもりですか!?」
酷い剣幕でドンッとテーブルに手を置きながらジャンヌに詰め寄る副団長のクレアは言った。
「無論、理解した上での立案だ。大陸から争いを無くす為に、ナニワは必ず占拠しなければならない」
ジャンヌはテーブルに地図を広げた。
「商人の都市ナニワは昔からではあったが、最近になって露骨に武具の販売に力を注いでいる。レグルス、この意味がわかるか?」
レグルスは少し考えてから話した。
「何処かで大きな戦が起こるとか?」
「少し違うな。確かに各地の動向は調べているだろうがな。現在、大陸各地で起こっている戦争は裏でナニワが引き起こしているのだ」
!?
「なんだって!?」
ジャンヌの言葉に一同が驚いた。
ジャンヌは聖王の執務室に隠してあった重要書類を出した。
「これは聖王の日記の様なものだ。無論、それだけではないがな。ここにはナニワが、盗賊に武器を流して敵対する各国々の商人を襲っていると書いてある。それだけではない。地域的な小競り合いを誘導し、戦争が起こるように裏で手を廻しているとも書いてある」
「ば、バカな!そんな事をしてなんの得が…………あっ!?」
そういう事か!
「戦争が起これば武器が売れる!それに伴う、食料や薬など商人に取って、大儲けできるって訳だ!普段は敵対商人を潰しておけば、ライバルも少なくなる!?」
執務室が一瞬、静寂が支配した。
「ほ、本当なのですか?本当にそんな事をナニワが行っていると?聖王の妄言では…………」
にわかに信じられない話に、クレアは言葉に詰まった。
「私も前々からすこし疑問に思っていたんだ。前に国境近くの盗賊討伐のさいに、盗賊に似合わない良い装備をしていたのをな。それに押収した盗賊のアジトから指令書のような物を押収した。狙う商人のリストだった。しかし、いつの間にか聖王に没収され、調査出来なくなっていた。ここには、ナニワと聖王で交わした密約の書類も挟まっていた」
羊の皮で作られた立派な用紙に、聖王の名前と誰かの名前が書かれていた。
「これは…………間違いなくナニワとの密約の契約書ですね。まぁ、聖王は腐っていましたが、これには、西側の商人はなるべく襲わないこと。この事実を秘匿する代わりに、個人的な取引は割増でする事とありますね。せめて、国の交易の口添えなどにして、国を潤す契約なら救いがあったのに」
自分の利益しか考えてないのかよ!あのクソジジめ!
「聖王がナニワの弱味を握ったが、やり過ぎると命を狙われるので、武具製造に必要な鉱石を割引価格で融通するとも書いてあった。そのしわ寄せは蛮族………バルド族に行っていた訳だがな」
ここまで聞いて部屋にいたメンバーの意思は固まった。
「幸い、資金に余裕ができた。西側の周辺国の援助もある!急ぎ、大陸中央側の国境に騎士団を派遣する!各自、出発の準備をしてくれ。すでに軍の遠征準備をしてある。明日の朝、出発するぞ!」
「「「了解しました!!!」」」
レグルス達は急ぎ準備に取り掛かった。
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