☆レグルス戦記☆

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ジャンヌは剣を鞘に入れるような仕草で、腰に剣を当てた。

ジャンヌはレグルスの方に視線をやった。
レグルスはジャンヌの邪魔をしそうな敵兵と戦っている。

本来であればレグルスがバサラと戦うはずであったが、状況が許す限り、バサラはジャンヌが対応すると出陣前に伝えたからだ。

レグルスに頼りっきりでは下の者が付いてこないと感じたのもあるが、ジャンヌにもこの年齢で団長にまで登り詰めたプライドもあった。

「ふぅ~」

ジャンヌは全神経をバサラに集中した。
だんだんと周囲の音が聞こえなくなる。

「何をしようとしても無駄だ!ワシの肉体の鎧は破れん!」

今度は両手でハルバードを振りかぶってきた。

「うおぉぉぉぉぉぉぉおお!!!!!」

バサラの渾身の一撃がジャンヌに襲い掛かる!

捉えた!

回避不可能な所までハルバードの刃が迫ったとき、ガギンッ!?とバサラのハルバードが弾き返えされた。

!?

まともに受ければ剣の方が折れてしまうはずなのに、一体なにが起きたのかバサラはわからなかった。

少しよろめきながらジャンヌを見るとジャンヌの剣が淡く光っていた。

何かのスキルか!?
バサラは警戒した。

「行くぞっ」

ジャンヌの猛攻が始まった。
な、なんだ!これは!?

ジャンヌの攻撃をハルバードで防ぐが、捌き切れない剣戟を身体に受けるが、その場所が傷ついて血が流れていた。

「なんなのだ!その光る剣は!?」
「さてな?私の切札とだけ言っておこう」

自分の切札の秘密を言う訳はないが、攻撃力が上がった事と以外に、筋力も上がった事が不思議で無かった。

まだ致命傷は受けていないが、滅多に傷を受けた事のないバサラも焦りが見え始めた。

『まずいな。痛みは兎も角、反撃の糸口が見えん!』

身体中に傷を付けながら反撃の糸口を探すバサラ。

体感的には1時間ほど経っているように感じるが、まだ5分も経っていない。
しかし、ジャンヌも見ると顔に大量の汗を浮かべており、息も上がっていた。

なるほど!
この驚異的な能力は長時間使えないとみた!

バサラは一瞬のスキを付いて後ろに大きく飛び去った。

ワシのスキルは長時間持つ!
ジャンヌは焦り、一気に勝負を着けようとするはずだ。その時がチャンス!
焦りは動きを単調にする。

バサラは目に鋭い殺気を乗せてジャンヌの勝負の一撃を待った。

一息置いた後、予想通りジャンヌが踏み出してきた。

これは外さん!

バサラは腰を低くしてハルバードを構えた。
そしてジャンヌの動きをよく見てハルバードを振るった。

「学習能力がないのか?」

!?

ジャンヌは剣を投げた!
前とは違い、ジャンヌの剣はバサラの胸に突き刺さった。

「ガハッ!?」
「終わりだ!バサラ団長!!!」

ジャンヌは勢いのまま、バサラに刺さった剣を拳で殴った!

剣はさらに奥へと刺さりバサラに致命傷を与えた。

「……………見事じゃ」

ドシンッ

バサラ団長はそのまま後ろへ倒れて絶命した。



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