☆レグルス戦記☆

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戦闘

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リケイトの丘は盆地になっているが、無理に高台になっている所まで進まなくとも、ほぼ平地になっている場所で陣形を組み、各部隊が突撃を敢行した。

「中央は私とレグルスが受け持つ!左翼は副団長のクレアの指示に従え!左翼はそのまま現状を維持しながら戦況を見極めろ!」

「「了承!!!」」

お互いの兵士達がぶつかり合った。
雄叫びと共に、各地で剣戟の音が鳴り響く!

「うおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

レグルスは正面の敵の主力部隊・重装歩兵に斬り掛かった。
鉄の剣を弾き返す重装歩兵の盾を簡単に切り裂き、隊列の乱れた所をジャンヌが突撃した。

「進めーーーーー!!!!!正義は我らにあり!!!!」

ジャンヌは仲間を鼓舞しながら突き進んだ。
しかし敵の部隊の壁は厚く、中々前に進めなかった。

「ジャンヌ隊長!前に出過ぎです!このままでは取り囲まれます!」

レグルスは単騎で動き周り、撹乱を担当していた為に、周囲の動きに敏感だった。

「大丈夫だ!この戦闘を短期で終わらせる為、多少の無茶は覚悟の上だ!同じ国に仕える騎士同士が戦うなど無駄な事はないからな!」

レグルスはジャンヌの意図に気付いた。
同じ国の騎士団が無闇に死なないように短期で終わらせようとしている事に。
レグルスはジャンヌの隣で剣を振るった。

息が切れてきた頃、装備の色の違う部隊が出てきた。

「ハァハァ、ついに敵の精鋭部隊が出てきたぞ。あれは『黒の騎士団』だ。神盾騎士団の近衛部隊だ」

真っ黒い重装備に、手にはランスを持っていた。

「動きは遅そうですが、やはり硬そうですね」
「油断するな!奴らの突撃は速いぞっ!」

えっ?

レグルスはジャンヌの言葉を理解する前に、黒の騎士団は突撃してきた。

!?

ジェット噴射…………この世界にそんな物があるかは知らないが、具足から白い煙が出たと思ったら急スピードで突進してきた!?

レグルスは突き出されたランスを何とか避けたが、体当たりされてそのまま吹き飛ばされた。

「グハッ!?」

レグルスは運良く、後方にいた仲間の兵士に受け止められて、ダメージは少なかった。

「大丈夫ですか!?」
「ああ………何とか」

あれは何なんだ!?

「詳しい原理は知らん!だが、動きの襲い重装歩兵の問題を解決しようと考えられたのがあの【瞬足】と呼ばれるギミックだ。瞬間的な突撃はヤバイぞ!だが、一度使うとしばらくは使えないのが弱点だ!急旋回も出来ないから前方に仲間がいると使えない」

ジャンヌはそう言うと駆け出した!
そうか!
敵の懐に入れば使えない。逆にこのまま離れて距離を開けていると格好の餌食になってしまう。

レグルスも痛む身体にムチ打ってジャンヌに続いた。






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