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反旗を翻すぞ!△
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『不動のバサラ』
レグルスは詳しい話を聞いた。
「それで、そのバサラと言う人物について詳しく教えて下さい」
「ああ、聖王国で最強の武人だ。特に、スキルの『絶対防御』は、魔法でも剣戟でもほぼ無キズで防いでしまうのだ。しかも、本人もかなりの剛力の持ち主で、昔の戦争で部隊は全滅しても、たった1人で千人の敵部隊を足留めした武勇は有名だ。指揮官としての能力もある」
マジか!?
そんな人物がいたとは。
「ただ、もう60歳を超えた老人で、今は余り戦闘のない首都の警備騎士団に在席している。人望はあるが、全盛期の力は無いだろう」
なるほど。油断しなければ大丈夫そうだな。
「それに防御力を最大限あるとしても、レグルスの神剣なら倒せると思っているしな」
「了承です!頑張ります!」
ジャンヌはリタを呼んだ。
「はーい!何でしょうか?」
「わかっているだろう?斥候として、新盾騎士団が何処まで来ているか調べて欲しい。出来れば神罰騎士団もだ」
「人使い荒くないですかー?」
「適材適所だよ。別にお前の代わりに私が斥候に出ても良いぞ?そのかわり、リタがバサラと戦ってもら──」
「はいっ!行ってきます!!!」
ジャンヌが言い切る前に飛び出していった。
「リタは元気だなぁ~」
「ああ、リタはムードメイカーだからな。アイツがいると隊が明るくなる」
「私としてはもう少し規則を守って欲しいのですがねっ!」
マジメな副団長さんはご立腹だ。
「まぁ、今は目を瞑ってくれ。それよりバルド殿が動けない数日内に準備を整えていつでも出発できるようにしておくぞ国境砦には神炎騎士団と傭兵団を含めて3千置いていく」
「バルド族とは概ね対等の契約を結んだのに3千も置いて行くのですか?」
「元々、国境砦は巨大で、常時1万の兵士が常住していたのだ。砦の掃除や整備、近隣の村の巡回もある。3千でも少ないくらいだ」
そうか、近隣の治安維持も兼ねていたのか。
「幸い、バルド殿が連れてきた傭兵団もいる。数日の小競り合いで少なくなった騎士団の補充としては十分賄える」
最初の1万とほぼ変わらない兵力と言う事か。敵は最低2万以上、蛮族と戦うより劣勢のような?
「レグルスの思っている事を言うが、平地で戦えるのであれば、実力者の揃っているこちらが有利だ。S級スキル持ちのガルム殿がいるからな」
!?
そうだった!
広範囲の味方を強化できるスキル持ちがいれば十分に戦える!
「確かにそうですね!必ず聖王を倒して真っ当な国にしましょう!」
「当然だ。レグルス、こちらも神器探しを手伝うし、給料も弾むからな。頼りにしているぞ」
レグルスとジャンヌはガシッと固く握手するのだった。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
???
『少し予想外でしたね』
とある人物は何もない闇夜の中で呟いた。
『本来であれば蛮族と神炎騎士団の総力戦を期待していたのですが』
闇夜の人物は口元に手をやりまた呟く。
もっと大量の血を流してもらわなければ困るのよ。
『まさか蛮族の長を仲間にするとは本当に予想外です』
クスクスッと笑った。
予想外なのに不快そうではない笑いだった。
『レグルス、このまま戦乱に身を投じなさい。それが貴方の使命なのだから…………そしてもっと………』
闇夜に映る影はそう呟くと、レグルスの姿映る水晶球に視線を落とし笑みを浮べながら見守るのだった。
レグルスは詳しい話を聞いた。
「それで、そのバサラと言う人物について詳しく教えて下さい」
「ああ、聖王国で最強の武人だ。特に、スキルの『絶対防御』は、魔法でも剣戟でもほぼ無キズで防いでしまうのだ。しかも、本人もかなりの剛力の持ち主で、昔の戦争で部隊は全滅しても、たった1人で千人の敵部隊を足留めした武勇は有名だ。指揮官としての能力もある」
マジか!?
そんな人物がいたとは。
「ただ、もう60歳を超えた老人で、今は余り戦闘のない首都の警備騎士団に在席している。人望はあるが、全盛期の力は無いだろう」
なるほど。油断しなければ大丈夫そうだな。
「それに防御力を最大限あるとしても、レグルスの神剣なら倒せると思っているしな」
「了承です!頑張ります!」
ジャンヌはリタを呼んだ。
「はーい!何でしょうか?」
「わかっているだろう?斥候として、新盾騎士団が何処まで来ているか調べて欲しい。出来れば神罰騎士団もだ」
「人使い荒くないですかー?」
「適材適所だよ。別にお前の代わりに私が斥候に出ても良いぞ?そのかわり、リタがバサラと戦ってもら──」
「はいっ!行ってきます!!!」
ジャンヌが言い切る前に飛び出していった。
「リタは元気だなぁ~」
「ああ、リタはムードメイカーだからな。アイツがいると隊が明るくなる」
「私としてはもう少し規則を守って欲しいのですがねっ!」
マジメな副団長さんはご立腹だ。
「まぁ、今は目を瞑ってくれ。それよりバルド殿が動けない数日内に準備を整えていつでも出発できるようにしておくぞ国境砦には神炎騎士団と傭兵団を含めて3千置いていく」
「バルド族とは概ね対等の契約を結んだのに3千も置いて行くのですか?」
「元々、国境砦は巨大で、常時1万の兵士が常住していたのだ。砦の掃除や整備、近隣の村の巡回もある。3千でも少ないくらいだ」
そうか、近隣の治安維持も兼ねていたのか。
「幸い、バルド殿が連れてきた傭兵団もいる。数日の小競り合いで少なくなった騎士団の補充としては十分賄える」
最初の1万とほぼ変わらない兵力と言う事か。敵は最低2万以上、蛮族と戦うより劣勢のような?
「レグルスの思っている事を言うが、平地で戦えるのであれば、実力者の揃っているこちらが有利だ。S級スキル持ちのガルム殿がいるからな」
!?
そうだった!
広範囲の味方を強化できるスキル持ちがいれば十分に戦える!
「確かにそうですね!必ず聖王を倒して真っ当な国にしましょう!」
「当然だ。レグルス、こちらも神器探しを手伝うし、給料も弾むからな。頼りにしているぞ」
レグルスとジャンヌはガシッと固く握手するのだった。
・
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・
???
『少し予想外でしたね』
とある人物は何もない闇夜の中で呟いた。
『本来であれば蛮族と神炎騎士団の総力戦を期待していたのですが』
闇夜の人物は口元に手をやりまた呟く。
もっと大量の血を流してもらわなければ困るのよ。
『まさか蛮族の長を仲間にするとは本当に予想外です』
クスクスッと笑った。
予想外なのに不快そうではない笑いだった。
『レグルス、このまま戦乱に身を投じなさい。それが貴方の使命なのだから…………そしてもっと………』
闇夜に映る影はそう呟くと、レグルスの姿映る水晶球に視線を落とし笑みを浮べながら見守るのだった。
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