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奇襲
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翌日
蛮族は神炎騎士団とぶつかった。
前日よりは激しい戦闘ではなかったが、ただでさえ神炎騎士団は蛮族より数が少なく、さらに後方に2千の兵士を迎撃に向かわせた為に人数が減っていたので防戦に徹した。
人数の少ない神炎騎士団ではあったが、蛮族も本気で攻めてきていなかったので、それなりに戦いは拮抗していた。
「やはり蛮族も本気で攻めてきてないな」
「はい。あちらもまだ、後方からの奇襲がある事に、我々が気付いているとは思っていないでしょう」
副団長のクレアは指揮を取りながら、できる限り被害を出さないように采配していた。
「ここで致命的な被害を出せば、後方を何とかしても正面から押し切られるからな。団長を信じるしかないか」
クレアは後ろを振り向いて頼みますと呟いた。
その頃後方では──
「ぐわぁぁぁっ!!!!!」
奇襲を受けたバルドを始め、傭兵団は浮足立った。
「バカなっ!どうして俺達の事がバレたんだ!?」
教皇の提案とバルドからの契約金に神炎騎士団を裏切った傭兵団の団長ベイルは、声を上げて仲間達に陣形を組むよう指示を飛ばした。
街道を進んでいた時、林になっていた場所から騎馬隊が突撃してきたのだ。騎馬隊は傭兵団を駆け抜けると、旋回してさらに突撃してきた。
「進めーーーーー!!!!!奴らに態勢を整えさせるなーーーー!!!!!」
騎馬隊500を突撃させて、敵の陣形が崩れた所に歩兵部隊も突撃してきた。
「今がチャンスだ!一気に殲滅するぞ!!!!」
バルドは舌打ちをして、周囲の部下に指示をだした。傭兵団は3千いたが、蛮族の部下は500人ほどいたのだ。神炎騎士団の騎馬隊500に歩兵部隊1500人の計2000人。
数の面では1500ほど少ない。
しかし、奇襲が成功し浮足立った敵とは十分に戦える数であった。
歩兵として突撃した中にはレグルスもいた。
「ぐわっ!?」
「な、なんだコイツ!強いぞ!!!」
神炎騎士団と一緒に斬り込んでいた。
「このまま行きます!」
「「おうっ!!!」」
前方の戦線が崩れ掛けていた時、忠誠心に厚い蛮族の兵士が出てきた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!!」
雄叫びを上げながら神炎騎士団を迎撃していった。
「ベイル殿!我々がしばらく抑える!今の内に態勢を整えろ!」
まさか援軍にきた自分達が守られる立場になる事に傭兵団を纏めるベイルは歯ぎしりした。
「お前ら!ベイル傭兵団の意地を見せろ!こんな事は今までもあっただろうがっ!」
この蛮族に味方した傭兵団も聖王からの契約金が良かったので話に乗っただけで、真っ当な傭兵団であった。
今回は聖王と神炎騎士団のイザコザに巻き込まれただけであり、悪とは呼べない者達である。
ベイルの指示に鉄の大盾を持った者達が騎馬隊の前に立ち塞がった。
ヒヒィィン!!!!
「くっ!?対処が早い!一筋縄では行かないか」
3度目の突撃が阻まれ、騎馬隊の足が止まった。ジャンヌはすぐに騎馬隊を旋回させて歩兵部隊の所まで戻る事にした。
騎馬隊が戻る頃には前線も拮抗して、神炎騎士団の勢いもなくなっていた。
蛮族は神炎騎士団とぶつかった。
前日よりは激しい戦闘ではなかったが、ただでさえ神炎騎士団は蛮族より数が少なく、さらに後方に2千の兵士を迎撃に向かわせた為に人数が減っていたので防戦に徹した。
人数の少ない神炎騎士団ではあったが、蛮族も本気で攻めてきていなかったので、それなりに戦いは拮抗していた。
「やはり蛮族も本気で攻めてきてないな」
「はい。あちらもまだ、後方からの奇襲がある事に、我々が気付いているとは思っていないでしょう」
副団長のクレアは指揮を取りながら、できる限り被害を出さないように采配していた。
「ここで致命的な被害を出せば、後方を何とかしても正面から押し切られるからな。団長を信じるしかないか」
クレアは後ろを振り向いて頼みますと呟いた。
その頃後方では──
「ぐわぁぁぁっ!!!!!」
奇襲を受けたバルドを始め、傭兵団は浮足立った。
「バカなっ!どうして俺達の事がバレたんだ!?」
教皇の提案とバルドからの契約金に神炎騎士団を裏切った傭兵団の団長ベイルは、声を上げて仲間達に陣形を組むよう指示を飛ばした。
街道を進んでいた時、林になっていた場所から騎馬隊が突撃してきたのだ。騎馬隊は傭兵団を駆け抜けると、旋回してさらに突撃してきた。
「進めーーーーー!!!!!奴らに態勢を整えさせるなーーーー!!!!!」
騎馬隊500を突撃させて、敵の陣形が崩れた所に歩兵部隊も突撃してきた。
「今がチャンスだ!一気に殲滅するぞ!!!!」
バルドは舌打ちをして、周囲の部下に指示をだした。傭兵団は3千いたが、蛮族の部下は500人ほどいたのだ。神炎騎士団の騎馬隊500に歩兵部隊1500人の計2000人。
数の面では1500ほど少ない。
しかし、奇襲が成功し浮足立った敵とは十分に戦える数であった。
歩兵として突撃した中にはレグルスもいた。
「ぐわっ!?」
「な、なんだコイツ!強いぞ!!!」
神炎騎士団と一緒に斬り込んでいた。
「このまま行きます!」
「「おうっ!!!」」
前方の戦線が崩れ掛けていた時、忠誠心に厚い蛮族の兵士が出てきた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!!」
雄叫びを上げながら神炎騎士団を迎撃していった。
「ベイル殿!我々がしばらく抑える!今の内に態勢を整えろ!」
まさか援軍にきた自分達が守られる立場になる事に傭兵団を纏めるベイルは歯ぎしりした。
「お前ら!ベイル傭兵団の意地を見せろ!こんな事は今までもあっただろうがっ!」
この蛮族に味方した傭兵団も聖王からの契約金が良かったので話に乗っただけで、真っ当な傭兵団であった。
今回は聖王と神炎騎士団のイザコザに巻き込まれただけであり、悪とは呼べない者達である。
ベイルの指示に鉄の大盾を持った者達が騎馬隊の前に立ち塞がった。
ヒヒィィン!!!!
「くっ!?対処が早い!一筋縄では行かないか」
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