☆レグルス戦記☆

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レグルスの客将という言葉にジャンヌが説明した。

「レグルス、この世界では【魔法使い】は珍しくて数が少ないのだ。故に、産まれてから魔法の素質のある者は親から引き離され、中央の北にある【聖地】に送られ育てられる。そこで魔法の英才教育を施されるのだ。そして、【賢者の塔】と呼ばれる魔術学院を【卒業】した者は晴れて【魔導師】と名乗れる。そして、各国に【送られる】のだ」

レグルスは最後の送られると言う言葉に引っ掛かった。

「聖地にある【賢者の塔】は一国に魔導師が多く集まると、世界の軍事バランスの均衡が崩れるとして、大陸に均等に割り振る役目を負っている。卒業した魔導師は本人の希望と教団意向により、各国へ送られ国の重鎮としての地位を与えられ、必ず仕えなければならないのだ」

「なるほど。魔導師は派遣されているだけなので【客将】扱いになるのですね」

レグルスの言葉にメビウスは苦笑いをした。

「レグルスよ、余り間に受けないでくれたまえ。『賢者の塔』の規定で各国に派遣されるが、多くの魔導師は派遣された主君に忠誠を誓い生涯を共にするのだ。無論、結婚なども自由だ。逆に子供に遺伝する事が多いので仕えた国で結婚することを推奨しているくらいだ。余程の協定違反をしない限りは強制送還はできないから、客将と言うのは団長殿の嫌味だよ。まっ、団長殿とは長い付き合いだし気にしてないがね」

ジャンヌ団長を見ながらカラカラと笑った。

「………メビウスの魔導師の腕は信用している。限られた者にしか与えられない二つ名持ちだからな。だか、普段の不真面目な態度が気に入らん!何度注意しても直らんからなっ!」

レグルスはこの二人は水と油なのだと思った。そして二つ名に付いて尋ねた。

「二つ名とはなんですか?」

「おっ!聞いちゃう?ならば聞かせてしんぜよう!『爆炎の支配者メビウス』とは我の事よ!愚民どもよ!ひれ伏すがよい!!!」

ババッと決めポーズを取った。

爆炎の支配者…………何故かレグルスは『中二病』と言う言葉が頭をよぎった。

「…………なんか恥かしいですね」
「だよな?私もそう思う」

レグルスとジャンヌは腕を組んでうんうんと頷き、同意した。

「おいっ!カッコいいではないか!?」

メビウスは反論し、ジャンヌはため息を付いた。

「賢者の塔にいるヤツらはみんなこうなんだ。洗脳とは恐ろしいな」
「ですね~」

二人の言葉にムキーと地団駄を踏むメビウスであった。

パンパンッ!!!

「団長もそれぐらいに。カーラ、自己紹介を頼む」

副団長のクレアが手を叩き場を仕切った。






「ようやく私の番ね。私はカーラ・シンシア。みんなからはドクターと呼ばれているわ。医療師よ。よろしくね」

「よろしくです!」

治癒師と医療師って何が違うんだ?

レグルスの疑問にミリアが横から話した。

「私は魔法で傷を癒やしますが、カーラさんはポーションを調合して傷を癒やす薬師さんなのです。治療班同士で仲がいいんですよ♪」

なるほど錬金術師と言う訳か。

あっ!そういえば………

「そういえばミリアも魔法が使えるよね?賢者の塔出身なの?」
「えっ?…………あはははっ!まっさかー!?」

ミリアは腹を抱えて笑った。

「魔法の才能のある者は2つに分類されるんです。幼い頃、必ず受ける鑑定によって魔導師の才能のある者は赤色に光り、治癒の才能のある者は青く光るんです。そして、治癒の才能のある者はこの国の『大聖堂』に………【教会】の預かりとなり勉強をするんです。後は賢者の塔と同じようなシステムで各地に派遣しますね」

なるほど。上手く住み分けられているのか。
教会が頭の痛い集団教育をしていなくて良かったな。

こうして各自の自己紹介が終了した。





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