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この世界の実情!☆
しおりを挟むジャンヌがこの世界について語った。
「この大陸は『イーグル大陸』と言う。形が大鷲が翼を広げているような形をしている。そしてここは大陸の西方に位置する宗教国家『アストライア聖王国』と言う場所だ。地図では一つの国となっているが、この周囲には小さな国や、独立都市が多数あり、その纏め役の盟主として成り立っている。西の盟主国と言う時もある」
ジャンヌは地図に手を置いた。
「そしてこの北にはかつて大陸を追放された蛮族が統治する国『ヴァイキング』があり最近、北にある国境砦が蛮族に落とされてしまった。そのせいで蛮族どもが定期的に略奪しに襲ってくる。私達は蛮族どもを殲滅し、北の砦を奪取するために遠征にきているのだ」
なるほど。
ならこの騎士団に協力することが女神様の力を取り戻す近道になるかも知れないな。
ここで回復魔法を使ったミリアが細く事項を伝えた。
「私達は聖王国にある騎士団の1つで神炎騎士団と呼ばれています。主に神敵を討伐する為に存在する騎士団ですね」
神敵と言葉を濁しているが、この国を狙う敵国の侵攻も兼ねているのかも知れないな。
「略奪とは酷いですね………」
「ああ、奴らは略奪民族だ。和解など不可能に近い。故に、討伐せねばならない。無惨に殺された村人達の為にもな!」
ジャンヌは感情を露わにして憤った。
「それで、ものは相談なのだが?蛮族討伐に協力して貰えないだろうか?少ないながらも報酬も出そう。どうだろうか?」
「はい。僕の目的の為にも蛮族討伐は必要です。ぜひお願いします!」
ジャンヌは微笑みながら礼を言った。
「助かる。神託の通り、貴殿の剣の腕は素晴らしかったからな。蛮族討伐が楽になるよ」
「そう言えば神託があったと聞きました。誰が神託を聞いたのですか?」
ジャンヌは一瞬、言葉を飲み込んだがそのまま話した。
「………聖王国を統治しているのは聖王と呼ばれるアストライア教のトップが国を治めている。その下には枢機卿と呼ばれる大臣のような役職の奴らが何人かいるのだが、その重鎮『以外』の聖職者達全員が聞いたのだ」
うん???
国のトップ達を除いた聖職者達が神託を聞いたのか?
「お前の疑問は最もだ。だが宗教のトップ達が除かれたのは当然なのだ。今のトップ達は腐って金儲けしか考えていないのだから」
手を強く握りしめて怒りに震えた。
「この遠征が終わったら、その功績を持って聖王達を更迭してやるつもりだ。奴らは害悪にしかならん」
どうやら聖王国もきな臭い状態みたいだな。
「周辺の国の説明はまた今度にしよう。今は蛮族を殲滅することに集中して欲しい」
「わかりました。それと──」
レグルスは自分の事をジャンヌ達に説明した。
説明を聞いた周囲の騎士団達は驚きを隠せなかった。
「まさか邪神まで存在するとは。神がいるのなら当然なのか………」
考える素振りをしてからジャンヌは尋ねた。
「これからは邪神も襲ってくるのだろうか?」
「それはわかりません。でも神の力を秘めた神器を集めれば女神様から啓示があるかも知れませんが……」
「そうか、それではしばらくは蛮族討伐に集中するとしよう」
こうして当面の方針が決まり、レグルス達は北の国境砦を目指す事になる。
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