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発展ですよ!

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あれから私達は正式な交流を結んだ。

私達の村からは大量生産できた『小麦』を砦に売りにいき、更になんでかうちの村の鍛治屋さんの武器がメチャクチャ性能が良いらしくて、砦の兵士さんが自分の給料で買ってくれて、隣国からはオシャレな衣類や生活物資を買い付けました。

「いやー、今までは、隣国まで買付しに行くのが大変だったから助かるな」
「そうですね。綺麗な洋服がたくさんで嬉しいですわ♪」

万年新婚夫婦は寄り添って惚気けていた。
甘くて吐きそうになるので、シオンはロイド王子の所へ出掛けました。

「こんにちは~」
「シオン、こんにちは。本当にすごいね。この還らずの森を突っ切る街道は!」

ロイド王子は興奮気味に話した。

「いやー!数年の年月が掛かったからね。エルフと獣人の村との交易も始まったんでしょう?」
「うん、エルフの工芸品は高値で取引されているよ。獣人達からは魔物の素材の売買だね。ダンジョンを管理しているなんてびっくりだよ」

シオンはダンジョンマスターになっていることを秘密にしているので、あはははっ………と乾いた声で笑った。

「あれから砦の騎士達にも魔力循環を教えて実践しているんだ。1ヶ月も続ければ魔力が上がった実感を感じたよ」
「最初はツライけど慣れてくると無意識に出来るようになるよ」

ぽよよーん!

シオンの頭にスラリンが乗っかった。

「うわっ!?シオン、大丈夫!?」
「うん、私の契約している従魔だから大丈夫。今日は暑いから氷の代わりに乗ってくれたのよ」

ぽよよーん!
ぷるぷるっ

ロイド王子がツンツン触るとプルンッと震えた。

「あはは、冷たいね」
「良いでしょう♪」

シオンとロイド王子は村の中を歩いて廻った。

「それにしても辺境とは思えない整った『街』なみだね」

綺麗に敷かれている石畳の通路と、美しいレンガの建物。木で出来ているとはいえ、ログハウス風の立派な家なみにロイド王子はキョロキョロと見渡した。

「ありがとう。こっちも、隣の砦から大量の日常品がまとめて買えて良かったです。でも大丈夫なんですか?」

シオンは防衛の砦が日常品や衣類を大量に買い占めてこちらに売る事が問題ないのか心配していた。

「それは大丈夫です。こちらの村から大量の魔物の素材を格安で売ってくれるので、逆にこちらが申し訳ないくらいですよ」

魔物の素材を国の然るべき所に卸すことで、想像以上の儲けが出ていた。

無論、換金した料金を領主であるシオンの父親に渡そうとしたが、使い道がないと一定額しか受け取らなかった。

ガーター辺境伯は、この村の異常差をいち早く気付いたので、最新の装備などこの村で受注する事で少しでも恩を売ろうと躍起になっていた。

「この村は何れなにか大きな事を起こす。その時は友軍であるべきだ」

ロイド王子にも言い含めて、視察に向かわせていた。

そしてその考えは的中する事になる。





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