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出逢い!
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国境砦は総員で魔物の迎撃に当たった!
「我々、辺境軍の底力をみせてやれ!!!弓矢など惜しまずどんどん射掛けろ!!!」
ガーターはみずから前線にでて戦線を維持していた。
ザシュッ!!!!
「はぁはぁ、切りがないな」
幸い、小型の魔物ばかりで大型が少なかった為に、鉄の鎧兜をきた騎士団に犠牲者は出ていなかった。
森の木々がザワザワと音を立てていた。
「くっ、新手か!?」
別の部隊を当たらせようと指示を出そうとした時だった。
ざわざわ
ざわざわ
「なんだ!何があった!?」
騎士達がざわめいていた。ガーターは移動して何があったのか確かめると──
「な─!?」
ロイド王子が前線で戦っていたのだ。
10歳とは思えぬ太刀筋で、小回りのきく小柄らな身体で小型の魔物達を斬り伏せていた。
「ロイド王子!ここは我々が食い止めます!早くお戻り下さい!」
「いや、この事態は私のせいだ!せめて砦のみんなを守る為に私も戦う!」
ロイド王子の言葉に感銘を受ける辺境伯であったがすぐに我に返った。
『この御方をこんな所で死なせる訳にはいかない!』
ガーターは一端、砦に籠城するかどうかの判断に迫られた。
『どうする?どうすればいい?』
目の前の魔物を斬り伏せながら考えるが、すぐには良い考えが浮かばなかった。
そして戦いながら考えている時であった。
バッサ!!!
バッサ!!!
「なんだ!?」
深い森の木々に際切られて見えなかったのだ。空から巨大な龍が現れたのだった。
「バカな!龍だと!?全員、砦に退避しろーーーー!!!!!」
なんとか王子を守らなければとガーターは殿(しんがり)を務めようと足を止めると、白い龍は魔物を攻撃していた。
「なっ、なにが起こっている?」
目の前には信じられない光景が広がっていた。白い龍が魔物を蹴散らしていたのだ。
それだけではない。人前に滅多に姿を見せない上位精霊が何体も人の姿で現れて龍と一緒に魔物と戦っていた。
「ワシは夢でもみているのか?」
側には足を止めた仲間の騎士団やロイド王子までも呆然と見ているのだった。
龍や精霊達が圧倒的な強さで魔物を一掃すると上位精霊が話し掛けてきた。
『みなさん、大丈夫でしたか?』
「こ、言葉まで話せるのか。助けて頂きありがとうございました。なぜ、我々を助けてくれたのですか?」
『我が主の御命令で助けました。そちらの白龍のシルビアも主のペットなんですよ♪』
『精霊さん、ペットじゃないよ?パートナーだからね?』
「「「龍がしゃべった!?」」」
『それはしゃべるわよ?神獣ノヴァの子供ですから』
!?
北の山脈に住む龍族のトップではないか!?数年前に現れた邪龍討伐にも力を貸して頂いた神獣の子供とは!?
「失礼ですが、あなた方の主とは………?」
ロイド王子が尋ねた。
そうだ!王子の言う通り、この龍や上位精霊を従えている者がいると言うこと!?
目の前の光景に頭が廻らなかった辺境伯は、改めて恐怖した。これだけの者を従える者とは一体何者なのだろうか?
すでにこれだけで、一国の軍隊に匹敵するぞ!?
そこに間の抜けた声が響いた。
「お~い!大丈夫でした~?」
これがシオンとロイド王子の出逢いである。
「我々、辺境軍の底力をみせてやれ!!!弓矢など惜しまずどんどん射掛けろ!!!」
ガーターはみずから前線にでて戦線を維持していた。
ザシュッ!!!!
「はぁはぁ、切りがないな」
幸い、小型の魔物ばかりで大型が少なかった為に、鉄の鎧兜をきた騎士団に犠牲者は出ていなかった。
森の木々がザワザワと音を立てていた。
「くっ、新手か!?」
別の部隊を当たらせようと指示を出そうとした時だった。
ざわざわ
ざわざわ
「なんだ!何があった!?」
騎士達がざわめいていた。ガーターは移動して何があったのか確かめると──
「な─!?」
ロイド王子が前線で戦っていたのだ。
10歳とは思えぬ太刀筋で、小回りのきく小柄らな身体で小型の魔物達を斬り伏せていた。
「ロイド王子!ここは我々が食い止めます!早くお戻り下さい!」
「いや、この事態は私のせいだ!せめて砦のみんなを守る為に私も戦う!」
ロイド王子の言葉に感銘を受ける辺境伯であったがすぐに我に返った。
『この御方をこんな所で死なせる訳にはいかない!』
ガーターは一端、砦に籠城するかどうかの判断に迫られた。
『どうする?どうすればいい?』
目の前の魔物を斬り伏せながら考えるが、すぐには良い考えが浮かばなかった。
そして戦いながら考えている時であった。
バッサ!!!
バッサ!!!
「なんだ!?」
深い森の木々に際切られて見えなかったのだ。空から巨大な龍が現れたのだった。
「バカな!龍だと!?全員、砦に退避しろーーーー!!!!!」
なんとか王子を守らなければとガーターは殿(しんがり)を務めようと足を止めると、白い龍は魔物を攻撃していた。
「なっ、なにが起こっている?」
目の前には信じられない光景が広がっていた。白い龍が魔物を蹴散らしていたのだ。
それだけではない。人前に滅多に姿を見せない上位精霊が何体も人の姿で現れて龍と一緒に魔物と戦っていた。
「ワシは夢でもみているのか?」
側には足を止めた仲間の騎士団やロイド王子までも呆然と見ているのだった。
龍や精霊達が圧倒的な強さで魔物を一掃すると上位精霊が話し掛けてきた。
『みなさん、大丈夫でしたか?』
「こ、言葉まで話せるのか。助けて頂きありがとうございました。なぜ、我々を助けてくれたのですか?」
『我が主の御命令で助けました。そちらの白龍のシルビアも主のペットなんですよ♪』
『精霊さん、ペットじゃないよ?パートナーだからね?』
「「「龍がしゃべった!?」」」
『それはしゃべるわよ?神獣ノヴァの子供ですから』
!?
北の山脈に住む龍族のトップではないか!?数年前に現れた邪龍討伐にも力を貸して頂いた神獣の子供とは!?
「失礼ですが、あなた方の主とは………?」
ロイド王子が尋ねた。
そうだ!王子の言う通り、この龍や上位精霊を従えている者がいると言うこと!?
目の前の光景に頭が廻らなかった辺境伯は、改めて恐怖した。これだけの者を従える者とは一体何者なのだろうか?
すでにこれだけで、一国の軍隊に匹敵するぞ!?
そこに間の抜けた声が響いた。
「お~い!大丈夫でした~?」
これがシオンとロイド王子の出逢いである。
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