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なんとっ!

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シオンとの会話に疑問を感じた赤影がダンジョン・コアに視線を向けた。

奥に鎮座してあったダンジョン・コアは薄い紫色のクリスタルの形をしていた。

「あれがシオンを呼んだとでも言うのか?」
「まだわからん。注意するしかないな」

シオンも赤影とジークの視線の先にあるダンジョン・コアを見つめた。

「あれがダンジョン・コアなの?」

シオンが呟くとダンジョン・コアが光りだした。

「気を付けろ!」

ババッと臨戦態勢をとる一同だったが予想外な事が起きた。

『待っていました。マイマスター!』

目の前にアゲハ蝶の羽根を持つ小さな妖精が現れた。

「貴女は?」
『私はダンジョン・コアの分身体です。貴女が来るのを待ってました』

シオンの周りを飛び回りながら話してきた。

「ちょっと待て。どうしてシオンの事を知っている」

ジークは尋ねたが、意外な返答が返ってきた。

『森中の精霊がシオンの事を噂しているもの♪シオンの魔力ってとっても甘くって美味しいってね♪』

「ええっ!?そうなの?」

小さい頃から精霊に好かれているシオンだったが、食料として好かれていたのだ!?

『いえ、食料として好かれている訳ではありません。変なナレーションは止めて下さい』

ここでお馴染みの女性型の上位精霊達が現れた。

『確かにシオンの魔力は美味しいけど、シオンと居ると楽しいから一緒にいるのよ?』

うんうんと他の精霊も同意した。

『で、話を戻すと自我の芽生えたダンジョン・コアはシオンにマスターになって欲しくって、昔からあった小さなダンジョンに魔力を蓄えて、大きくして気付いてもらおうとしたのよ。
まぁ、結果的に魔物が増えてダンジョンを乗っとられちゃったけどね。…………テヘッ♪』

「なんて、はた迷惑な…………」

ダンジョン・コアと人間では感覚が違うらしい。シオンや周囲の人間はガクッと脱力した。
今回は獣人族に被害が出ているのだ。真面目に対処しなければならない。

「え~と、ダンジョンマスターになったらどうなるの?」
『よくぞ聞いてくれました!なんと!ダンジョンを好きに築造できます!』

シオンはよくわかっておらず、フムフムと聞いていたが、周囲から驚きの声が上がった。

「うわっ!?どうしたのみんな?」
「シオンお嬢ちゃん、これは凄いことなんだよ!ダンジョンを創れるってことは、希少な鉱石が採れるダンジョンや、食料になる魔物など徘徊するダンジョンを自由に創れるってことだ!」

珍しく興奮している赤影がシオンに説明した。

!?

「それは凄いよ!」

シオンはワンテンポ遅れて驚くのでした。



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