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偵察

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次の日になり、ジーク達は獣人達に案内してもらいダンジョンの入口まで来ていた。

「さて、赤影頼めるか?」
「ああ、任せておけ」

狭いダンジョン内では斥候を先に行かせて罠の確認や魔物の把握などしてからパーティで入るのが理想的なのである。

「いつも通り1時間経っても出てこない場合は──」
「ああ、わかっている。気を付けてくれ」

赤影は不敵に笑うとシュッと消えるようにダンジョンに入って行った。

「まっ、信用しているからなお互いに」

ジークは手の空いている者に命じて周囲の探索もさせるのだった。あれだけ獣人の村を取り囲んでいた魔物達だ。ダンジョンから抜け出してこの森のどこかにゴブリンやオークなのど集落を作られるとマズイので見つけ次第叩くつもりだった。
こうして赤影が斥候から戻ってくるまでに周囲の魔物をある程度間引きすることで時間を潰したのだった。

「おーーーい、戻ったぞ!」

ちょうど1時間になろうとした頃、赤影が戻ってきた。

「大丈夫だった?」
「ふっ、俺を誰だと思っているんだ?」

怪我が無いことを見せてからさっそく情報を伝えた。

「どうやらこのダンジョンは最近できたばかりでそんなに階層はなさそうだった。1階は普通の迷宮で、地下2階は大広間になっていてゴブリンの集落があった。気配を消して奥に行ったが、重たい石の扉があった。おそらくダンジョンコアの部屋ではないかと思ったよ」

どうやら飼い慣らした魔物を外に出す為に罠もないようだった。

「ダンジョンとしては初心者向けだな。ただ──」

ジークは赤影に視線を送った。
まだ話していないことがあると気づいたからだ。

「それで、ゴブリンの数は?」

赤影はその質問を待ってましたという感じで話した。

「俺が確認できたのは地下2階の集落にいたゴブリンは、ホブゴブリンが100体ちょっとほど、ゴブリンシャーマンやゴブリンジェネラルは10体前後、そしてゴブリンキングが確認された」

!?

マリンとエリザは震えた。通常のゴブリンはザコと認識されていたが、成長したホブゴブリンは、オーガ並みに強いとされている。それが100体以上、そして進化して格段に強くなった魔法を使うゴブリンシャーマンにゴブリンジェネラルなど、一国の騎士団を投入して対処する魔物達である。


そしてそれを統括する【キング】の強さは知恵が回る分、龍より厄介だと言われている。
繁殖力の強いゴブリンは小規模のときに殲滅しておかなければ国が滅んでしまうほど危険な存在といえる。

赤影の報告を聞いたジークは今後の報告を話すのだった。


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