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救援

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赤影は村から離れて、近隣の調査を行っていた。そんな時、村を襲撃した獣人達の実行犯と遭遇したのだった。

「先日はすまなかった!」

実行犯のリーダーは熊の獣人だった。一際大きい体格の持ち主だった。

「いや、構わない。こちらこそ、この森に『道』を作ったせいで、生態系が壊れてしまってすまない!」

お互いに頭を下げると、情報交換を行った。

「だいたいの話は別の獣人から聞いている。魔物に脅されているそうだな?どんな魔物なんだ?後、数も教えて欲しい」
「恥ずかしい話だが、その通りだ。獣人の村を取り囲まれ、食糧も少なく知恵のある魔物の提案に乗るしか無かった。 魔物のリーダーはゴブリンだった」

赤影は驚いた。進化したとはいえ下級魔物のゴブリンがそんなだいそれたことを出きるのかと。

「そんなにゴブリンなのに強いのか?」
「強さはわからん。ヤツ自身は戦っていない。しかし、他の魔物がそのゴブリンに従っているのだ。無論、他のゴブリンも多くいたがな」

う~む?
ゴブリンごときなら俺だけでもなんとかなるが………どうして獣人達は負けたんだ?

「問題の数はどのくらいだ?獣人達は何人いる?」
「俺達はだいたい千人ほどいる。戦える者は300人ほどだ。敵は3千を超えていた………」

!?

「バカな!?そんな数の魔物などどこにいるんだ!俺が探知できないはずはないのだが?」

赤影のサーチ能力では、そこまで魔物が集まっていればわかるはずなのに、わからなかったので驚いた。

「ヤツらは獣人の村の近くに現れたダンジョンからやってきたんだ」

「なっ!?この森の中にダンジョンができただと!?」

予想外な事に赤影は終始驚くばかりであった。

「なら、ダンジョンから出てきた魔物が、森の魔物を統括して組織だって獣人の村を襲ったというのか?」
「そうだ!何度も撃退したが、我々は疲弊していったが、ヤツらは数が減らないのだ!そして、限界がくる前に恥ずかしながら、ヤツらの軍門に下ったのだ…………」

よほど悔しかったのか、拳を握り締めて震えた。

「確かに、遅かったが俺たちを頼ってくれ。こちらには神獣ノヴァ様の子供と契約を交わしたものがいる。獣人達の助けに向かうと誓うよ」

「おおっ!確かに上空を龍が飛んで行ったときいている!まさかそのような人間がいるとは………恥を忍んでお願いする。どうか我々を助けて頂きたい!自分にできる事なら何でもしよう!」

赤影は獣人達と硬く握手を交わすと、すぐに救援隊を送ると言って戻っていった。

「本当に大丈夫でしょうか?」
「確かに人間は汚い生き物だ。しかし、今は信じるしかあるまい」

複雑な気持ちで獣人達は赤影の救援を待つのであった。



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