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どうする?

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ジークは赤影に尋ねた。

「それでどうしていきなり攻撃を仕掛けてくるんだ?」
「まぁ、待て。最後まで聞け。ここから本題なのだが、獣人の村が魔物に支配されているようなんだ」

!?

「なんだと?」

ジークは低い声で言い返した。

「正確には、村を襲わない為にここを攻めるように脅されていると言った方が正しいな。なんでも、シオンちゃんが『道』を作り初めて、生活圏を奪われた魔物達の中に上位種に『進化』した個体が産まれたみたいだ。その上位種が近隣の魔物を従えて獣人達の村を襲ったらしい。何とか退けたが、次の襲撃に対応できなく、その時に交渉を持ち掛けられたらしい」

赤影の状態は詳しかった。いや、詳し過ぎるだろう!

「詳しいな。すでに獣人達と話をしたのか?」
「まぁな。交渉と情報収集は得意なのは知っているだろう?獣人達の不幸は北の方角にあった事だな。もしかしたらエルフの里もこうなったかも知れないしな」

赤影の働きについては感服するしかなかった。この短期間よくここまで原因を突き止めたものだ。

しかし──

「シオンには言い辛いな」
「確かに、村を発展させようと頑張ってくれているのだから、シオンを責めるのは御門違いだろう」

今まで沈黙していたエリザは赤影に尋ねた。

「すみません。魔物はどうしてこちらの城壁を壊すように命令したのでしょうか?」
「多分、今まで城壁がなかった時は、麦畑になっている平野部にも魔物が良く出て来ていたからな。多分、上位種はこの森をでて人間の街を攻めたいのじゃないか?」

!?

「それは大変です!ちょっとしたスタンピード(魔物の氾濫)じゃないですか!」
「じゃないではないよ。まさにスタンピードが発生しようとしているんだ」

ジークは赤影に依頼した。

「赤影、上位種の魔物に付いて調べてくれるか?オレは村人を集めて事情を話し合う。そして、魔物の種類や数がわかり次第、討伐する!」

ギランッと目付きが変わったジークにビクリッとマリンとエリザは身体を震わせた。

「了解だ!お前の様子からエルフの方は上手く言ったんだろう?そちらの話も聞かせてくれ。同じ境遇のエルフ達にどう立ち回ったのか分かれば、獣人達の交渉に役立つ」

「ああ、実は──」

ジークはエルフの里への話しを終えると赤影は笑いだした。

「うははははっ!流石はシオンお嬢ちゃんだな!こちらの予想を軽く超えていきやがる!」

赤影は笑ったが、エリザとマリンは茫然としていた。

「シオンってやっぱり規格外ですね」
「うん、あの子が怒ったら国が滅びると思うわ。大事にしましょう」


二人はこの後、シオンが何をやらかすのか心配するのだった。

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