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奇跡
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シオンは精霊の孤独と言う気持ちに触れて、涙が止まらなかった。
「シオン!大丈夫か!?くそっ!やっぱり今すぐ倒さないと!」
父親が剣を握ろうとしたとき、シオンがしがみついた。
「止めて!あの精霊は長年、誰もこない泉で孤独だっただけなの!ただ寂しいだけなのよ!」
「………シオン?」
必死に訴えるシオンに、どうすればいいのか動揺する。
「あなた、大丈夫よ。シオンに任せましょう」
お母さんの言葉に、シオンは安心して、再度精霊に気持ちを同期させた。
『もう大丈夫よ。私が一緒にいるから大丈夫』
『うぁぁぁぁ……』
精霊はうめき声を上げるだけで、自我の反応は無かった。シオンは根気よく何度も話し掛けた。
いったいどれだけの時間が過ぎただろうか?
シオンだけではなく、協力していた上位精霊達も、想うところがあったのか、シオンと一緒に心の中で語り掛けた。
『わ……たし、1人…………じゃ……………ない』
!?
『うん!ここに貴女を見ている人達いるわ!もう大丈夫よ!』
遂に自我が戻り掛けてきた。
『戻ってきて!』
シオンの祈りに、幽霊精霊が、いや『死の泉』全体が光輝いた!
「これはっ!?」
「眩しい!」
光りは約5分ほど輝いた。
シオン達が光が収まり、目を開けると周囲の景色が変わっていた。
「えっ?何これ?」
「これは……本当にさっきまでの死の泉なのか?」
周囲の毒の霧が晴れて、『死の泉』は太陽の光りを反射する『光の泉』へと変わっていた。
そして──
「あれ?この子は………」
シオンの腕の中には5歳ぐらいの金髪の髪の長い子供が眠っていた。
「さっきまでは成人した女性っぽい外見だったのに」
「これがこの子の本来の姿だったのね」
お母さんが優しく頭を撫でた。
『まさか、ここまでの事をしてくれるとは思っていませんでした』
!?
「誰だ!」
お父さんが警戒するが、シオンが手で制した。
「エルフの村を守護する水の精霊だよ」
エルフの湖で見た水の精霊が現れた。
「この堕ちた精霊に触れてわかったわ。貴女が死の泉とエルフの泉を繋げたのね?」
!?
「どういうことですか!?」
エレンが戸惑いの声を上げた。
「水の精霊さんは、この子を救って欲しかったんだよね?」
シオンの言葉に水の精霊は頷いた。
『はい、この地方に産まれたこの子は、私と同じ流れをくむ姉妹の様なもの。私はエルフに信仰されることで力を得ましたが、エルフの泉から動くことが出来ませんでした。水を通じてこの子が孤独に苛まれている事を感じ、泉の力を死の泉に伸ばして行きましたが、時間が掛かり、この子は狂ってしまった。正直、この子を救ってくれる事を望んでいました』
水の精霊の救うとは消滅させる事を意味していた。しかし、シオンのやったことは水の精霊を超える成果をだしたのだ。
『あなた達にお願いして本当に良かった』
水の精霊は愛おしいようにお母さんのように、眠っている精霊の頭を撫でた。
とりあえずよかったよ♪
「シオン!大丈夫か!?くそっ!やっぱり今すぐ倒さないと!」
父親が剣を握ろうとしたとき、シオンがしがみついた。
「止めて!あの精霊は長年、誰もこない泉で孤独だっただけなの!ただ寂しいだけなのよ!」
「………シオン?」
必死に訴えるシオンに、どうすればいいのか動揺する。
「あなた、大丈夫よ。シオンに任せましょう」
お母さんの言葉に、シオンは安心して、再度精霊に気持ちを同期させた。
『もう大丈夫よ。私が一緒にいるから大丈夫』
『うぁぁぁぁ……』
精霊はうめき声を上げるだけで、自我の反応は無かった。シオンは根気よく何度も話し掛けた。
いったいどれだけの時間が過ぎただろうか?
シオンだけではなく、協力していた上位精霊達も、想うところがあったのか、シオンと一緒に心の中で語り掛けた。
『わ……たし、1人…………じゃ……………ない』
!?
『うん!ここに貴女を見ている人達いるわ!もう大丈夫よ!』
遂に自我が戻り掛けてきた。
『戻ってきて!』
シオンの祈りに、幽霊精霊が、いや『死の泉』全体が光輝いた!
「これはっ!?」
「眩しい!」
光りは約5分ほど輝いた。
シオン達が光が収まり、目を開けると周囲の景色が変わっていた。
「えっ?何これ?」
「これは……本当にさっきまでの死の泉なのか?」
周囲の毒の霧が晴れて、『死の泉』は太陽の光りを反射する『光の泉』へと変わっていた。
そして──
「あれ?この子は………」
シオンの腕の中には5歳ぐらいの金髪の髪の長い子供が眠っていた。
「さっきまでは成人した女性っぽい外見だったのに」
「これがこの子の本来の姿だったのね」
お母さんが優しく頭を撫でた。
『まさか、ここまでの事をしてくれるとは思っていませんでした』
!?
「誰だ!」
お父さんが警戒するが、シオンが手で制した。
「エルフの村を守護する水の精霊だよ」
エルフの湖で見た水の精霊が現れた。
「この堕ちた精霊に触れてわかったわ。貴女が死の泉とエルフの泉を繋げたのね?」
!?
「どういうことですか!?」
エレンが戸惑いの声を上げた。
「水の精霊さんは、この子を救って欲しかったんだよね?」
シオンの言葉に水の精霊は頷いた。
『はい、この地方に産まれたこの子は、私と同じ流れをくむ姉妹の様なもの。私はエルフに信仰されることで力を得ましたが、エルフの泉から動くことが出来ませんでした。水を通じてこの子が孤独に苛まれている事を感じ、泉の力を死の泉に伸ばして行きましたが、時間が掛かり、この子は狂ってしまった。正直、この子を救ってくれる事を望んでいました』
水の精霊の救うとは消滅させる事を意味していた。しかし、シオンのやったことは水の精霊を超える成果をだしたのだ。
『あなた達にお願いして本当に良かった』
水の精霊は愛おしいようにお母さんのように、眠っている精霊の頭を撫でた。
とりあえずよかったよ♪
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