【連載版】異世界に転生した少女は異世界を満喫する

成れの果て…………

幽霊のような青白い顔をした者が襲ってきた。
ヽ(ヽﾟﾛﾟ)ﾋｲｨｨｨ!

「何あれ！？」

魔物は平気でも、幽霊は苦手なシオンであった。

「アンデット系なら任せて！『浄化の光を』！」

聖女であるお母さんの浄化魔法が正体不明の幽霊に炸裂した。

「お゛おおぉぉぉぉ…………………」

幽霊は立ち止まったが、ダメージはなさそうだった。

「うそっ！？アンデットじゃない？」

幽霊はその場で怨嗟の雄叫びを上げた。

『お゛オオオオォォォォ！！！！！』

大地を震わすほどの振動が周囲を襲った。

「ぐぅぅぅ…………」
「頭が痛い！！！！！」

「せ、聖なる光を、我らを守りたまえ！」

お母さんが何とか張った結界のお陰で助かりました。

「これは振動波？」
「振動波……？ああ、超音波のことね！」

あの程度の音で頭が割れるくらい痛かったのは超音波の影響だったのね。この世界では言葉が違うらしい。

「はぁはぁ、しかしこれでは近付けないな」

軽く頭を振って剣を構えるお父さんがどうするかと考えていた。

「あれ？」

そんな時、シオンが何かに気づいた。

「どうしたのシオン？」
「なんかあの幽霊…………知っている感じがする……」

なんだろう？知っているというより、気配がなんか………？
う～む？なんだろうか？後少しで思い出せそうなんだけど………？

気配？
魔力？
容姿？

う～ん…………もうちょい………もう………ぐぅ…………

・
・
・
・

はっ！？
寝てないから！？

誰に弁解しているんだろう私。

「シオン？」
「えっ！あっ…………わかった！」

名前を呼ばれてようやくピンッときました。

「精霊さん達の気配に似ているんだよ！」

！？

「せ……いれい？」
「あれがか！？」

シオンに視線が集中したが、シオンは弁解した。

「いや、似ているかなってだけで確証はないよ？そうだ！誰か出て来てーーーー！！！！！」

シオンの叫びと当時に4体の人形(ひとがた)の上位精霊が現れた。

『はい、シオン呼んだ？』
『さっきは大丈夫だった？』
『…………大丈夫？』

色々と呼ばれたがシオンはすぐに幽霊を方を指差した。

「あれがなんだかわかる？」

精霊達は幽霊を見ると雰囲気が変わった。

『あれは精霊の成れの果てです………』

「精霊の………成れの果て？どういうことですか！？」

悲痛そうな顔で言った。

『長年、何かしらの原因で狂気に堕ちた精霊の事です』
「何とかならないの？」

幽霊のような精霊はお母さんの張った結界をガンガンッと叩いていた。

めっちゃ怖いよ！？サ◯子！？

『………自我さえ壊れて無くなっては、浄化させるしか方法はありません』
「それって………」

つまり殺せってこと！？

「アイツを殺せば良いのか？」

お父さんが聞いていて言ってきました。

「待ってよ！あの幽霊………精霊さん泣いてるんだよ！何とかならないの！？」

シオンの声に唯一、お母さんだけ同意してくれた。

「わかったわ。やるだけやってみましょう！取り敢えずあの子を動けなくするわ」

お母さんが呪文を唱えた。