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6章:スタンピード!
前哨戦なのです!
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遂に土龍が城塞都市に近付いてきた。
「城壁から見ても壮観だな……」
「ああ、アレを相手にするのか」
「軽く死ぬぞ?」
相手は体長20メートルはある巨体である。しかも岩の様に硬い鱗で覆われていて、同じ龍でも最高クラスの防御力を持っている。ダメージを与えるだけでも一苦労なのだ。
『妙じゃな?ここまで接近して攻撃が無いとは?いったい何を企んでおるのじゃ?』
土龍の背に乗り攻撃に備えていたタクシャカは不思議に思っていた。実は龍の制御に精神を集中していたため、配下からの念話が届かず落とし穴の存在を知らないのだ。
一部、タクシャカの思惑は成功し、城塞都市に近付いた事により、土龍の上を旋回していたワイバーンは食べ易いエサ(人間)を見つけ城塞都市へ向かった。
「ワイバーンが向かってくるぞーーーー!!!!」
「ワイバーンには投石機を使え!いくぞ!放て!!!」
いつでも放てる状態であった投石機を使い、無数の石がワイバーンに向かっていく。
『ぐぎゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!』
5匹の内、3匹に無数の石が当たった瞬間に爆発が起こった!無数の石の中に火炎魔石が混じっていたため、強い衝撃を与えた事により爆発に似た炎がワイバーンを焼いていく。無論、外れた火炎魔石は地面に落ちて地面を焼くが、ただそれだけである。
翼を石でズタズタにされ、更に炎で焼かれた3匹のワイバーンは墜落した。動きの止まったワイバーンをバリスタで狙いを定めて放つ!
「今だ!!!一斉に放てーーーー!!!!」
城壁に設置されたバリスタから巨大な弓矢が放たれ、ワイバーンを襲う。
『ぐぉーーーーーーーん!!!』
『ぎゅぁぁぁあああ!!!!』
3匹のワイバーンは巨大な弓矢に貫かれ絶命した。なんともあっけなく倒せたため逆に帝国軍は唖然した。ワイバーンはAランク冒険者がパーティーを組んでやっと1匹倒せるレベルなのに、1度に3匹も倒せたのだ。
「すげーー!」
「マジかよ!こんなに簡単に……」
「これなら土龍も倒せるぜ!?」
喜びに沸く帝国軍にイルベルトが号令を掛ける。
「まだ気を抜くな!これより一部を除き、投石機及びバリスタは土龍に集中投入する!残りのワイバーンは冒険者に任せる!」
イルベルトの指示に、バリスタを土龍の方へ移動させる準備に入った。そして、攻撃を避けて城塞都市上空に移動したワイバーンは街中にいた人間を見付け襲い掛かった。
『きしゃーーー!!!』
「よし、掛かったぞ!?」
ワイバーンは鉤爪で人を掴み掛かるが、襲い掛かる瞬間に下水道の入口(現代風でマンホールと思って下さい)に入り逃げたのだ。ワイバーンでは追う事の出来ない穴に入り逃げる事により、ワイバーンの動きが止まる!
その瞬間に隠れていた屋根から、網を投げワイバーンを拘束する。
「今だ!かかれーーーーー!!!!」
民家から冒険者達が一斉に飛び出し、網の中で暴れ廻るワイバーンを攻撃した。
「槍を持つ者は思いっきり刺せ!弓の者は間近で射て!弱った所を剣で斬りつけろ!」
「なぁ?どうして剣の奴は先に攻撃しちゃダメなんだ?」
「バカ!作戦聞いていなかったのかよ?剣で攻撃したら網も切れてワイバーンが逃げ出すだろ!?」
「やべっ!そうだった!」
ワイバーンは龍の亜種のため空を長時間飛べる代わりに装甲が薄く、柔らかい。地面に墜ちてしまえば倒し易いのだ。そして遂に冒険者達もワイバーンを倒す事に成功する。
「やったぞーー!!!」
「信じられない!Cランクの俺がワイバーンを倒せるなんて!」
「まだまだやれるぜ!」
こちらも、滅多に倒せない大物を狩れて喜びに沸くが、冒険者達はすぐに次の持ち場へと向かうのだった。
「喜ぶのは土龍を倒してからだ!ワイバーンなど前哨戦に過ぎない!作戦通りに次へ向かうぞ!」
「「「おおっ!!!」」」
そして最後に残るワイバーンだが……
「スイレン、良く狙ってね?私は魔力を無駄に出来ないから……」
「任せるのじゃ!昨夜から絶好調の妾に不可能はない!」
『アクア・ショット!』
スイレンが放った水の弾はワイバーンの翼を貫き、ワイバーンを地面に落とす。
「アルフさん!今です!」
「おう!やるぜ!」
ザシュッ!
一刀両断の言葉がここまで似合う場面ないだろう。地面に落ちて頭を上げたワイバーンの首をスパッと切り落としたのだ。
「お見事!!!」
アルフさんに賛辞を贈る。
「スイレン殿がワイバーンを墜としてくれたおかげですよ」
スイレンは、にししといった顔で笑う。
「スイレンもありがとう。予定より早く片が着いたわね?少し早いけど私達もお兄様と合流しましょう!」
二人は頷き、その場を後にするのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
「ふふふん♪ワイバーンなんてザコ楽勝ですわ!」
愚者の声
「君は何もしてないけどね!」
シオン
「これからの戦いに備えているのです!いざとなったら手を貸す予定でしたし?」
愚者の声
「冒険者達はどこに向かったの?」
シオン
「次回を待て!ですわ!」
「城壁から見ても壮観だな……」
「ああ、アレを相手にするのか」
「軽く死ぬぞ?」
相手は体長20メートルはある巨体である。しかも岩の様に硬い鱗で覆われていて、同じ龍でも最高クラスの防御力を持っている。ダメージを与えるだけでも一苦労なのだ。
『妙じゃな?ここまで接近して攻撃が無いとは?いったい何を企んでおるのじゃ?』
土龍の背に乗り攻撃に備えていたタクシャカは不思議に思っていた。実は龍の制御に精神を集中していたため、配下からの念話が届かず落とし穴の存在を知らないのだ。
一部、タクシャカの思惑は成功し、城塞都市に近付いた事により、土龍の上を旋回していたワイバーンは食べ易いエサ(人間)を見つけ城塞都市へ向かった。
「ワイバーンが向かってくるぞーーーー!!!!」
「ワイバーンには投石機を使え!いくぞ!放て!!!」
いつでも放てる状態であった投石機を使い、無数の石がワイバーンに向かっていく。
『ぐぎゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!』
5匹の内、3匹に無数の石が当たった瞬間に爆発が起こった!無数の石の中に火炎魔石が混じっていたため、強い衝撃を与えた事により爆発に似た炎がワイバーンを焼いていく。無論、外れた火炎魔石は地面に落ちて地面を焼くが、ただそれだけである。
翼を石でズタズタにされ、更に炎で焼かれた3匹のワイバーンは墜落した。動きの止まったワイバーンをバリスタで狙いを定めて放つ!
「今だ!!!一斉に放てーーーー!!!!」
城壁に設置されたバリスタから巨大な弓矢が放たれ、ワイバーンを襲う。
『ぐぉーーーーーーーん!!!』
『ぎゅぁぁぁあああ!!!!』
3匹のワイバーンは巨大な弓矢に貫かれ絶命した。なんともあっけなく倒せたため逆に帝国軍は唖然した。ワイバーンはAランク冒険者がパーティーを組んでやっと1匹倒せるレベルなのに、1度に3匹も倒せたのだ。
「すげーー!」
「マジかよ!こんなに簡単に……」
「これなら土龍も倒せるぜ!?」
喜びに沸く帝国軍にイルベルトが号令を掛ける。
「まだ気を抜くな!これより一部を除き、投石機及びバリスタは土龍に集中投入する!残りのワイバーンは冒険者に任せる!」
イルベルトの指示に、バリスタを土龍の方へ移動させる準備に入った。そして、攻撃を避けて城塞都市上空に移動したワイバーンは街中にいた人間を見付け襲い掛かった。
『きしゃーーー!!!』
「よし、掛かったぞ!?」
ワイバーンは鉤爪で人を掴み掛かるが、襲い掛かる瞬間に下水道の入口(現代風でマンホールと思って下さい)に入り逃げたのだ。ワイバーンでは追う事の出来ない穴に入り逃げる事により、ワイバーンの動きが止まる!
その瞬間に隠れていた屋根から、網を投げワイバーンを拘束する。
「今だ!かかれーーーーー!!!!」
民家から冒険者達が一斉に飛び出し、網の中で暴れ廻るワイバーンを攻撃した。
「槍を持つ者は思いっきり刺せ!弓の者は間近で射て!弱った所を剣で斬りつけろ!」
「なぁ?どうして剣の奴は先に攻撃しちゃダメなんだ?」
「バカ!作戦聞いていなかったのかよ?剣で攻撃したら網も切れてワイバーンが逃げ出すだろ!?」
「やべっ!そうだった!」
ワイバーンは龍の亜種のため空を長時間飛べる代わりに装甲が薄く、柔らかい。地面に墜ちてしまえば倒し易いのだ。そして遂に冒険者達もワイバーンを倒す事に成功する。
「やったぞーー!!!」
「信じられない!Cランクの俺がワイバーンを倒せるなんて!」
「まだまだやれるぜ!」
こちらも、滅多に倒せない大物を狩れて喜びに沸くが、冒険者達はすぐに次の持ち場へと向かうのだった。
「喜ぶのは土龍を倒してからだ!ワイバーンなど前哨戦に過ぎない!作戦通りに次へ向かうぞ!」
「「「おおっ!!!」」」
そして最後に残るワイバーンだが……
「スイレン、良く狙ってね?私は魔力を無駄に出来ないから……」
「任せるのじゃ!昨夜から絶好調の妾に不可能はない!」
『アクア・ショット!』
スイレンが放った水の弾はワイバーンの翼を貫き、ワイバーンを地面に落とす。
「アルフさん!今です!」
「おう!やるぜ!」
ザシュッ!
一刀両断の言葉がここまで似合う場面ないだろう。地面に落ちて頭を上げたワイバーンの首をスパッと切り落としたのだ。
「お見事!!!」
アルフさんに賛辞を贈る。
「スイレン殿がワイバーンを墜としてくれたおかげですよ」
スイレンは、にししといった顔で笑う。
「スイレンもありがとう。予定より早く片が着いたわね?少し早いけど私達もお兄様と合流しましょう!」
二人は頷き、その場を後にするのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
「ふふふん♪ワイバーンなんてザコ楽勝ですわ!」
愚者の声
「君は何もしてないけどね!」
シオン
「これからの戦いに備えているのです!いざとなったら手を貸す予定でしたし?」
愚者の声
「冒険者達はどこに向かったの?」
シオン
「次回を待て!ですわ!」
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