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6章:スタンピード!
影の侵略作戦は順調です!
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次回から、【_____】に戻ります。(多分)
あれ?シリアスさんどこに行った!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
レインは絶句しているシャーマン及び、この場にいる高位官僚達にまた幻影魔法であの時の場面を映像で見せた。
「こんなことが……」
「我らが帝国がこれを?」
「そんなバカな!?」
その場にいた者達は驚きを隠せなかった。余りにもリアル過ぎる映像に嘔吐する者までいた。
「これは、私が実際に体験した映像です。無論、シオンも!大将シャーマン殿、あなたは先ほどすまなかったといったな?その言葉にどれだけの重みがある?光の精霊王の契約者である妹のシオンは最初、助力を断った。これを見ればわかるだろう?目の前で大切な良民が、家族が傷付き死んでいく!でもシオンは城塞都市を護る為に自分の気持ちを圧し殺して助ける事を選んだ。その辛さ、貴方に分かりますか!!!?」
シャーマンは何も言えなかった。言えるはずが無かったのだ。
「貴方が事件に関与していない事は分かりました。しかし、安易に詫びの言葉を口にしないで貰いたい。我々は帝国を信用していない。いや、恨んでいると言っても良い!我々が力を貸すのは、無関係な街の人々を護るため、そしてジークの為に力を貸しているという事を忘れ無いで貰いたい」
レインの言葉を黙って聞いていたシャーマンはレインを再度、見つめる。そこには8歳の子供では無く、フィリアス公爵家次期当主としての姿があった。
「ワシの認識不足だった。本当に申し訳ありませんでした」
今度は丁寧、頭を下げるシャーマンに周りの官僚達も頭を下げる。
「では、私達の要求です。今回の助力のお礼として、シャーマン殿にはジークの後ろ楯になって貰いたい」
!?
「レイン!それはどういう……」
ジークが慌てて聞き返すが、アルフとシャーマンは理解出来たようだ。
「フィリアス公爵家ではこの要求を飲んでくれた場合は国境帝国軍に対して、食糧、武器などの物資を援助する体制が整えてあります」
「レイン殿!それは……!?」
そう、国境帝国軍を丸ごとクーデターに加担しろと言っているのだ。その為に援助する事も出来ると……
シャーマンは背中に冷や汗をかき始めていた。本当にこれは8歳の子供なのかと。否!これは、長い年月、権謀術数の貴族社会での荒波に揉まれた百戦錬磨の貴族の当主がそこに居た。
「ジークの事はこの城塞都市の全ての人々が支援してくれます。更に、ジークは【精霊眼】を持っています。精霊王が認めたと言えば他の都市や街なども賛同してくれるでしょう。そこに軍の後ろ楯があれば、身の危険も減らせると思うのです」
シャーマンはこれからの帝国の行く末を考えた。物価が上がり、民が困窮する中で未だに次期後継者争いを続けている王宮貴族達に任せて良いのだろうか?
実は、シャーマン自身が王宮の足の引っ張り合いに嫌気が差して人気の無い、国境に志願した経緯があったのだ。アルフの息子として育てられ、魔物のいるなか救援にも向かったと聞いたジークなら帝国の膿を出し、良い方向に導いてくれるのではないかと思った。
しかし、自分の決定が今後の帝国の命運を決めるかも知れないと思うと、安易に頷く事は出来なかった。
「レイン殿、個人的には賛成したい。だが、帝国の今後の未来に繋がりうる案件だ。すぐには頷く事が出来ない。せめてスタンピードが終結後に改めて話がしたい」
レインはシャーマンの言葉を予め知っていたかのように了承した。シャーマンはここまで読んで居たのかと内心、驚いていた。帝都に住んで居たときでもここまで先の読める人物を自分は知らなかった。もしかしたら、光の精霊王様やその契約者より、このレイン次期当主の方が油断出来ないのかも知れない。そんな事を思うシャーマンだった。
話し合いが終わり、外に出ると所々で食事をしながら笑い声が聞こえてきた。まるで魔物の襲撃など無かったかのように都市全体が暖かい空気に包まれていた。
「う~む、これはどうしたものか……士気が下がるよりは良いが余り軍規が緩むのも不味いのだが?」
人々の表情が明るいのには訳があった。それは光の精霊王と言う伝説の存在が現れ、奇跡を起こしてくれたから。少ない人数での防衛から国境の帝国軍本隊が到着し、人数が増えた事による安心感のため。そして最後に、美味しい料理があれば誰でも笑顔になるだろう。
「まぁまぁ、シオンお嬢様の料理ですよ!シャーマン大将殿も、さぁどうぞ!」
イルベルトから料理を貰い、初めて見る食べ物を少し見つめてから口に入れる。
クワッ!!!!
う~ま~い~ぞ~!!!!
そしてシャーマンもシオンの料理の虜になるのだった。シオンの料理による帝国侵略作戦は順調進んでいるのでした。
(違うわよ!)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「なんて事だ!知らない間に侵略していたなんて!?」
シオン
「誤解ですわ!そんなことはしてません!」
愚者の声
「と、容疑者は申しております」
シオン
「むきーーー!!!貴方なんて歩く犯罪者の癖に!」
愚者の声
「ひどい!?私のガラスのハートは粉々よ!?」
シオン
「(|||´Д`)キモいですわ」
バッリーーーン!
あれ?シリアスさんどこに行った!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
レインは絶句しているシャーマン及び、この場にいる高位官僚達にまた幻影魔法であの時の場面を映像で見せた。
「こんなことが……」
「我らが帝国がこれを?」
「そんなバカな!?」
その場にいた者達は驚きを隠せなかった。余りにもリアル過ぎる映像に嘔吐する者までいた。
「これは、私が実際に体験した映像です。無論、シオンも!大将シャーマン殿、あなたは先ほどすまなかったといったな?その言葉にどれだけの重みがある?光の精霊王の契約者である妹のシオンは最初、助力を断った。これを見ればわかるだろう?目の前で大切な良民が、家族が傷付き死んでいく!でもシオンは城塞都市を護る為に自分の気持ちを圧し殺して助ける事を選んだ。その辛さ、貴方に分かりますか!!!?」
シャーマンは何も言えなかった。言えるはずが無かったのだ。
「貴方が事件に関与していない事は分かりました。しかし、安易に詫びの言葉を口にしないで貰いたい。我々は帝国を信用していない。いや、恨んでいると言っても良い!我々が力を貸すのは、無関係な街の人々を護るため、そしてジークの為に力を貸しているという事を忘れ無いで貰いたい」
レインの言葉を黙って聞いていたシャーマンはレインを再度、見つめる。そこには8歳の子供では無く、フィリアス公爵家次期当主としての姿があった。
「ワシの認識不足だった。本当に申し訳ありませんでした」
今度は丁寧、頭を下げるシャーマンに周りの官僚達も頭を下げる。
「では、私達の要求です。今回の助力のお礼として、シャーマン殿にはジークの後ろ楯になって貰いたい」
!?
「レイン!それはどういう……」
ジークが慌てて聞き返すが、アルフとシャーマンは理解出来たようだ。
「フィリアス公爵家ではこの要求を飲んでくれた場合は国境帝国軍に対して、食糧、武器などの物資を援助する体制が整えてあります」
「レイン殿!それは……!?」
そう、国境帝国軍を丸ごとクーデターに加担しろと言っているのだ。その為に援助する事も出来ると……
シャーマンは背中に冷や汗をかき始めていた。本当にこれは8歳の子供なのかと。否!これは、長い年月、権謀術数の貴族社会での荒波に揉まれた百戦錬磨の貴族の当主がそこに居た。
「ジークの事はこの城塞都市の全ての人々が支援してくれます。更に、ジークは【精霊眼】を持っています。精霊王が認めたと言えば他の都市や街なども賛同してくれるでしょう。そこに軍の後ろ楯があれば、身の危険も減らせると思うのです」
シャーマンはこれからの帝国の行く末を考えた。物価が上がり、民が困窮する中で未だに次期後継者争いを続けている王宮貴族達に任せて良いのだろうか?
実は、シャーマン自身が王宮の足の引っ張り合いに嫌気が差して人気の無い、国境に志願した経緯があったのだ。アルフの息子として育てられ、魔物のいるなか救援にも向かったと聞いたジークなら帝国の膿を出し、良い方向に導いてくれるのではないかと思った。
しかし、自分の決定が今後の帝国の命運を決めるかも知れないと思うと、安易に頷く事は出来なかった。
「レイン殿、個人的には賛成したい。だが、帝国の今後の未来に繋がりうる案件だ。すぐには頷く事が出来ない。せめてスタンピードが終結後に改めて話がしたい」
レインはシャーマンの言葉を予め知っていたかのように了承した。シャーマンはここまで読んで居たのかと内心、驚いていた。帝都に住んで居たときでもここまで先の読める人物を自分は知らなかった。もしかしたら、光の精霊王様やその契約者より、このレイン次期当主の方が油断出来ないのかも知れない。そんな事を思うシャーマンだった。
話し合いが終わり、外に出ると所々で食事をしながら笑い声が聞こえてきた。まるで魔物の襲撃など無かったかのように都市全体が暖かい空気に包まれていた。
「う~む、これはどうしたものか……士気が下がるよりは良いが余り軍規が緩むのも不味いのだが?」
人々の表情が明るいのには訳があった。それは光の精霊王と言う伝説の存在が現れ、奇跡を起こしてくれたから。少ない人数での防衛から国境の帝国軍本隊が到着し、人数が増えた事による安心感のため。そして最後に、美味しい料理があれば誰でも笑顔になるだろう。
「まぁまぁ、シオンお嬢様の料理ですよ!シャーマン大将殿も、さぁどうぞ!」
イルベルトから料理を貰い、初めて見る食べ物を少し見つめてから口に入れる。
クワッ!!!!
う~ま~い~ぞ~!!!!
そしてシャーマンもシオンの料理の虜になるのだった。シオンの料理による帝国侵略作戦は順調進んでいるのでした。
(違うわよ!)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「なんて事だ!知らない間に侵略していたなんて!?」
シオン
「誤解ですわ!そんなことはしてません!」
愚者の声
「と、容疑者は申しております」
シオン
「むきーーー!!!貴方なんて歩く犯罪者の癖に!」
愚者の声
「ひどい!?私のガラスのハートは粉々よ!?」
シオン
「(|||´Д`)キモいですわ」
バッリーーーン!
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